◎共産党はオミクロン株に集団検査と封鎖で対抗している。
中国政府は30日、首都北京でもコロナウイルスの感染者が増加しつつあることを受け、規制を一部強化した。
国営CCTVなどによると、市内の公共施設を利用する際のチェックに陰性証明が追加されるという。
新しい措置の期間は明らかにされていないが、規制の強化で労働節休暇中(4月30日~5月4日)の人の往来が減ることは間違いない。
また、5月5日から公共交通機関に乗る際にも陰性証明が必要になる。
共産党はオミクロン株に集団検査と封鎖で対抗しているが、人口数千万の巨大都市で感染力の強いオミクロン数を完全に抑え込むことは至難の業である。
西側諸国はWithコロナに移行しつつある一方、共産党は習近平 国家主席の指導の下、ゼロコロナ政策を追求すると誓っている。
しかし、上海などで報告されている厳しい取り締まり、感染者宅の消毒、集合住宅の入り口にフェンスを設置するなどの措置は国民の反感を買い、SNSには懸念を表明する投稿が相次いでいる。
北京当局は現在、市内の住民約2100万人を対象とする一斉検査を行っている。
CCTVなどによると、労働節の間、レストランでの飲食は禁止となり、市民は自宅で食事を取るよう命じられた。
集団検査と執拗な追跡は功を奏し、北京の新規陽性者は2桁を維持している。4月22日以降の累計陽性者は30日時点で約300人。
このうち123人は北京で最も人口の多い朝陽(ちょうよう)区で確認され、住民約350万人は3回PCR検査を受けることになった。
金融街で働く女性はロイター通信のインタビューの中で、「街が空っぽになってしまった」と語った。「人通りの多い街が空っぽになってしまいました。この街の人たちはどうやって生きていくのだろう、と思わずにはいられません...」
政府は今月初め、封鎖された街の食料供給を保証すると約束したが、上海の惨状を見た多くの市民が食料品店に走り、米、水、インスタント麺、その他日用品を買いあさった。
北京の食料品店でも長蛇の列が報告された。
中国で最も豊かな上海の住民は食料の確保に苦労しており、中国版ツイッターのWeiboには政府の対応を非難する投稿が多数寄せられている。
これを見た他の都市の住民は「北京も同じようなことになるのではないか」と懸念している。
しかし、北京の保健当局によると、30日の検疫区域外の新規陽性者はゼロだったという。
上海の累計陽性者は50万人を超えたが、その大半が無症状または軽症である。