◎11月10日の新規陽性者数は過去最多を更新する11,398件、死亡者は23人、直近1週間の陽性者数は1日あたり約9,100件。オーストリアの人口は約890万人。
2021年10月26日/オーストリア、首都ウィーンの医療機関(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

オーストリア政府は11日、国内のコロナウイルス感染者が急増していることを受け、ワクチン未接種者に対する外出禁止令を全国に導入しなければならなくなると警告した。

政府は国民にワクチン接種を促す対策を複数講じており、未接種者は11月8日に施行された規則に基づき、国内のレストラン、ホテル、美容院などの利用と、公開イベントへの参加を禁じられた。

アレクサンダー・シャレンバーグ首相は11日、「ワクチン未接種者に対する全国規模の外出禁止令は恐らく避けられない」と述べた。

現地メディアによると、陽性者の急増に見舞われているオーバーエスターライヒ州は、連邦政府の承認を得られた場合、来週15日からワクチン未接種者に外出禁止令を課す予定だという。モーツァルト生誕の地であるザルツブルク州も同様の制限を計画している。

ドイツと国境を接するオーバーエスターライヒ州の感染率は国内で最も高く、ワクチン接種率は州の中で最も低い。

保健当局によると、10日の新規陽性者数は過去最多を更新する11,398件、死亡者は23人、直近1週間の陽性者数は1日あたり約9,100件。オーストリアの人口は約890万人。

人口当たりのワクチン完全接種率は11月9日時点で約63%、少なくとも1回接種した人は約67%で、EU加盟国の平均よりわずかに低い。

政府はワクチン未接種者に対する厳しい制限を8日に施行したが、計画されている外出禁止令はさらに厳しいと見込まれている。

シャレンバーグ首相は声明の中で、「一部の州で導入される外出禁止令は、必要不可欠な外出(仕事や食料品の買い出しなど)のみ許可する」と述べた。しかし、一部の専門家は人口100万人以上の都市でこれを実施することは非常に難しいと指摘している。

シャレンバーグ首相は、陽性者が増加し続けた場合は外出禁止令を課す可能性があると警告した。一方、極右の野党自由党は反ワクチンプロパガンダを全国展開しており、人口の2割から3割はこれを支持していると伝えられている。

オーストリアの直近7日間の陽性率はドイツより高く、保健当局は感染急拡大を「ワクチン未接種者のパンデミック」と呼んだ。

ドイツの新規陽性者数は10日に初めて50,000件を超えた。ワクチン接種率はオーストリアより高く、EU平均とほぼ同じ。

オランダも陽性者の急増に直面している。11日の新規は16,364件で、保健当局によると、中等症と重症患者が急増しているという。政府にコロナ対策を助言する諮問委員会は、2週間の部分的な封鎖と商業施設の閉鎖を政府に推奨した。

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