◎オーストラリア政府は11月に国境封鎖を段階的に解除し、ワクチン接種を終えた市民および永住者の入国と旅行を許可すると発表した。
2021年9月30日/オーストラリア、ビクトリア州メルボルンのバークストリート(Getty Images/AFP通信)

10月1日、オーストラリア政府は11月に国境封鎖を段階的に解除し、ワクチン接種を終えた市民および永住者の入国と旅行を許可すると発表した。

オーストラリアは1年半近く国境封鎖を維持しており、AUS国籍を持っている市民と一部の条件をクリアした人のみ入国を許可している。ニュージーランド以外の海外旅行者はワクチン接種の有無にかかわらず入国できない。

国境封鎖政策はコロナウイルスの感染拡大に大きな効果を発揮したと称賛されているが、海外で生活していた数万人のオーストラリア人も手続きの関係でなかなか帰国できず、物議を醸した。

オーストラリア放送協会(ABC)によると、入国時に必要な14日間の強制ホテル検疫は段階的に廃止される予定だという。11月以降に入国するワクチン接種を終えた市民と永住者は、自宅もしくは滞在先で7日間の自己隔離を求められる。

<AUS国境再開の要点>
・オーストラリアで承認されたワクチン、または治療製品局(TGA)によって承認されたワクチンを完全にした市民および永住者は、11月以降、入国時に7日間の自宅隔離を求められる。

・オーストラリアで承認されたワクチン、または治療製品局(TGA)によって承認されたワクチンを接種していない市民および永住者は、11月以降も入国時の14日間の強制検疫が必要。

・ニュージーランドのように安全を確保できる国との往来再開は、今後順次進められていく予定。

ただし、航空各社は国際線の運航再開には時間がかかると警告しており、11月から国境封鎖前と同じ体制に移行できる可能性は低いと伝えられている。

最大都市シドニー、メルボルン、首都キャンベラはデルタ株の感染拡大に伴い、閉鎖されている。

デルタ株の拡大はワクチン接種を加速させ、これらの都市の接種率はここ数カ月で急上昇した。

シドニーを含むニューサウスウェールズ州の完全接種率は数週間以内に連邦政府の目標値である80%を超えると見込まれている。ビクトリア州(州都メルボルン)もそれに続く予定。

しかし、一部の州政府は連邦政府に目標値を引き上げるよう要求しており、完全接種率が80%を超えても州の封鎖を維持すると警告している。

連邦政府の目標に反対している州は、シドニーやメルボルンなどとの往来を禁じ、デルタ株の侵入を防ぐことに成功した。

スコット・モリソン首相は1日の記者会見で、「ワクチンの完全接種率が人口の80%を超えた州の封鎖は解除される」と述べ、反対派をけん制した。

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