◎ニューサウスウェールズ州(NSW)のグラディス・ベレジクリアン州首相はシドニーを含む主要都市の感染状況について、「コロナウイルスの感染拡大が始まって以来最悪」と警告した。
8月14日、ニューサウスウェールズ州(NSW)の指導者はシドニーを含む主要都市の感染状況について、「コロナウイルスの感染拡大が始まって以来最悪」と警告した。
グラディス・ベレジクリアン州首相は記者団に対し、シドニーは戦争状態に入ったと述べた。「私たちは世界が戦争状態にあることを知っていましたが、このレベルの危機を体験したことはありませんでした」
州当局によると、州都シドニーのコロナ規則は強化され、罰金は最大5,000豪ドル(約40万円)に引き上げられたという。
ベレジクリアン州首相は冬以降も感染拡大は続く可能性があると述べ、9月と10月で感染者を抑え込まなければならないと強調した。
オーストラリアの感染者と死亡者はアメリカやインドなどに比べるとはるかに少なく、特定の地域を対象としたロックダウンは極めて効果的に機能している。累計感染者数は14日時点で約39,000件、死亡者数は953人。
しかし、NSWの14日の新規症例は466件に達し、2日連続で過去最多を更新した。14日の死亡者は4人で累計42人。
シドニーは6月末にロックダウンされ、州当局は7月末にこの期間を1カ月延長したが、デルタ株を抑えることはできなかった。現地メディアによると、州当局は8月28日のロックダウン解除は難しいと認めたという。
規則の強化に伴い、シドニーの住民は自宅から5km圏内に留まるよう命じられた。期間は8月16日から28日までの予定。
さらに、シドニー大都市圏からその他のNSW地域に移動する場合は州当局の許可が必要になる。許可を得ずに移動した場合は罰金3,000豪ドル(約25万円)を科される。期間は8月21日から。
シドニーには先月から兵士が配備されており、今回の規則強化に伴い要員は数百人増える予定だという。
NSW警察のミック・フラー委員は14日、「一部の住民の無責任な行動が感染拡大に拍車をかけている」と警告した。「制限圏内の移動は原則許可されますが、友人や知人と会うために散歩をしている人や運動をしている人がいるという報告を受けています...」
フラー委員は記者団に、「規則はとても厳しいが、私たちはデルタ株より一歩先んじなければならない」と強調した。
一方、首都キャンベラのロックダウンも延長されることが決まった。
オーストラリア首都特別地域では12日に陽性者が1人確認され、1週間のロックダウンに入った。当局者によると、13日の新規症例は6件に増加し、12日の陽性者の濃厚接触者は1,800人以上にのぼることが分かったという。
同地域のアンドリュー・バー首相は声明で、「抑え込みが完了するまでロックダウンは続く」と述べた。「私は首都の感染者をゼロに戻したいと思っています...」
オーストラリア首都特別地域で陽性者が確認されたのは7月10日以来約1カ月ぶり。