◎加藤勝信 官房長官は定例会見の中で、「肛門コロナ検査を受けた一部の日本人が心理的苦痛を訴えている」と述べた。
2021年2月 ゲッティイメージズ/中国の空港

日本政府は中国への入国時に実施されている肛門コロナ検査をやめるよう中国大使館に要請した。

加藤勝信 官房長官は定例会見の中で、「検査を受けた一部の日本人が心理的苦痛を訴えている」と述べた。

コロナウイルスを制御したと伝えられている中国は、先月入国時の肛門コロナ検査を開始した。なお、国内の一部の都市でも肛門コロナ検査を導入しており、地元の専門家は「ウイルスの検出率を上げることができる」と主張している。

しかし、現地メディアによると、この検査方法は専門家の間でも物議を醸しており、従来の検査(口もしくは鼻)よりはるかに効率が悪く、医療関係者に過度の負担をかけている報じた。

現地メディアは報道の中で、「ほとんどの専門家と一般人は口、鼻、目などにウイルスが付着しコロナに感染すると信じており、既存の検査の方が好ましいと考えている」と述べた。

報道によると、肛門コロナ検査は3~5cmの綿棒を肛門に挿入し、そっと回転させ検体を採取するという。

加藤 官房長官は記者団に対し、「一部の(入国した)市民が中国の大使館で肛門コロナ検査を受けたと申し出ています」と語った。

加藤勝信 官房長官:
「検査を受けた日本人の数は確認できていません」

「検査は中国の市民に対しても導入されていると聞いています。同様の検査が行われている国はないと認識しています」

「北京の大使館に検査をやめるよう要請しましたが、当局はこれまでのところ要請には応じていません」

先週、アメリカのメディアは、米国務省職員が中国で肛門コロナ検査を受けた後に不満を述べたと報じたが、中国当局はこの報道を否定した。

中国外務省の趙立堅 報道官は2月25日の記者会見で、「当局は中国に駐留しているアメリカの外交官に肛門コロナ検査を要求したことは一度もない」と主張した。

米国務省職員の検査を報じたのはワシントンポストやCNNニュースなど。なお、検査を受けた人数については明らかにされていない。

米国務省の報道官は声明で、「私たちはこの種の検査に決して同意せず、一部のスタッフが検査対象になったと報告してきたため、中国外務省に直接抗議しました」と述べた。

北京の呼吸器および感染症の専門家は国営メディアのインタビューの中で、「肛門は口と鼻よりウイルスが残りやすく、コロナの見落としを減らすことができます」と述べた。しかし専門家は、「この検査は特定の状況に置かれている人(ホテルで検疫中の無症状患者など)に対してのみ実施すべきです」と強調している。

2021年2月 AFP通信/中国
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