◎先週のアフリカ大陸の新規陽性数は2万件を下回り、ピーク時の15分の1以下に減少した。
2020年4月16日/ジンバブエ、首都ハラレの検査所(Getty Images/AFP通信)

世界保健機関(WHO)は13日、アフリカ大陸におけるコロナウイルスの新規陽性者と死亡者数がパンデミック開始以来最低水準まで低下したと明らかにした。

WHOのデータによると、先週の大陸の新規陽性数は2万件を下回り、ピーク時の15分の1以下に減少した。先週の新規陽性は先々週から29%減、死者は37%減少し239人だった。

WHOの報道官は、「現在、大陸で増加傾向にある国はない」と説明する一方、南半球の冬が近づいていることを念頭に置き、感染再拡大に警戒する必要があると呼びかけた。

WHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長も新たな波が発生する可能性があると懸念を表明している。

モエティ博士はソーシャルメディアに、「コロナは消えておらず、より致命的な変異株が出現しないという保証もなく、感染予防対策の継続と感染者の急増に効果的に対応することが極めて重要である」と投稿した。

WHOは今週、ボツワナと南アフリカの科学者がBA.4およびBA.5と呼ばれる新しいタイプのオミクロン株を検出したと報告したが、この感染力がBA.2やXEより強いかどうかはまだ分かっていない。

報告によると、ボツワナで4人、南アフリカでは23人から新型オミクロンが検出された。アフリカ大陸以外では、ベルギー、デンマーク、ドイツ、イギリスで感染者が報告されている。

WHOは、「今のところ、新型オミクロンがオリジナルや他の変異株を上回る勢いで拡大しているという兆候は見られない」と報告した。

WHOのテドロス事務局長はコロナがアフリカ大陸を荒廃させると繰り返し警告してきたが、ここ数週間の感染状況は欧州やアジアに比べるとはるかに落ち着いている。

WHOは先週公表したデータの中で、アフリカ大陸の人口の最大65%がコロナに感染している、もしくは感染したと推定し、他の多くの地域と異なり、アフリカ大陸の感染者の大半は無症状だったと明らかにした。

WHOはアフリカ大陸の被害が抑えられた理由について、高血圧、糖尿病、心臓病などの危険因子を持つ人の割合が非常に少ないことや、平均年齢が他の地域より低いことなどを挙げている。

またマラリアなどの感染症にかかったことのある人はコロナから身を守れる可能性が高いとする研究もあるが、これはまだ仮説の段階である。

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