◎アフリカ大陸の実際の感染者数は公式報告の100倍近くに達した可能性がある。
2020年4月29日/南アフリカ、ヨハネスブルグの仮設コロナ検査所(Jerome Delay/AP通信)

世界保健機関(WHO)は7日、アフリカ大陸の人口の最大65%がコロナウイルスに感染し、実際の感染者数は公式報告の100倍近くに達した可能性があると推定した。

WHOは2020年1月から2021年12月の間にアフリカ大陸の人々から採取した血液サンプルに基づき、大陸内のコロナの蔓延度を推定した。

データによると、昨年9月までの血液サンプルの約65%がコロナに曝露していたため、大陸の8億人が感染していたことに相当する。一方、昨年9月までにWHOに報告された症例数は800万件だった。

WHOのアフリカ局長であるモエティ博士は7日の声明で、「このような過少報告が世界中で確認されており、無症状患者が非常に多いアフリカでこのような結果が出たことは驚くことではありません」と述べた。

WHOの分析によると、アフリカ大陸の無症状患者の割合は約67%で、他の地域よりも高いことが判明したという。

国際機関や人道団体はコロナがアフリカに壊滅的な打撃を与えると繰り返し警告してきたが、大陸は現在、コロナの影響を最も受けていない地域のひとつになっている。

またWHOはアフリカの被害が抑えられた理由について、高血圧、糖尿病、心臓病などの危険因子を持つ人の割合が非常に少ないこと、平均年齢が他の地域より低いことなどを挙げている。

マラリアなどの感染症にかかったことのある人はコロナから身を守れる可能性が高いとする研究もあるが、これはまだ仮説の段階である。

WHOによると、アフリカ大陸の公式症例数は7日時点で約1,150万件、累計死者は25万人。症例数は1月以降減少傾向にあるが、国によってばらつきが見られる。

直近1週間の死亡者数は前週から約30%減少した。

WHOのモエティ博士は症例数が減少しつつあることを歓迎する一方、コロナに勝利したと宣言するのは時期尚早と指摘した。

またモエティ博士はこの2年間で得た免疫を圧倒する新たな変異株が出現するリスクを無視することはできないと警告し、大陸のワクチン接種率を引き上げるよう呼びかけた。

<アフリカ大陸のワクチン接種率 人口比>
▽1回:20%
▽2回:15%

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