目次
歴史
・1700年代
・1800年代
・1900年~第一次世界大戦
・第一次世界大戦~第二次世界大戦
・終戦から現在
基本情報(目次に戻る
国名:セントルシア(Saint Lucia)
首都:カストリーズ(Castries)
人口:184,401人(2021年推定)
面積:616㎢(東京23区とほぼ同じ)
気候:熱帯気候
・一年中暑く、高温多湿で雨がよく降る。
・年間降水量は地域と標高によって異なる。市街地はおおむね1,500mm前後。
・海水温は1年を通じて26~28℃。いつでも海水浴を楽しめる。
・首都カストリーズの夏場の平均気温は最低が24~25℃、最高は30~31℃。
・首都カストリーズの冬場の平均気温は最低が23~25℃、最高は29~30℃。
・ハリケーンの影響を受けやすい地域。最盛期は8月~10月。
・観光に最適な時期は12月~4月。比較的涼しく乾燥しており、過ごしやすい。
・内陸部は特にゲリラ豪雨が発生しやすいため、雨具やタオルをお忘れなく。
・海水浴は監視者のいる海水浴場を利用した方がよい。
経済:
・開発途上国
・GDPは17億ドル(2020年推定)
・主要産業は観光業と農業。
・主要輸出パートナーはアメリカ(68%)、イギリス(6%)、トリニダード・トバゴ(6%)
・主要輸入パートナーはアメリカ(53%)、トリニダード・トバゴ(11%)
・主要輸出品はバナナ、ココア、アボカド、マンゴー、ココナッツオイルなど。
・観光業がGDPの約65%を占めている。
・若者の失業率が社会問題になっている。(2020年:38.2%)
人種:
・黒人 85.3%(2010年国勢調査)
・欧州混血 10.9%
・東インド人 2.2%
・その他 1.6%
・不明 0.1%
言語:
・英語(公用語)
・アンティクレオール語
・その他
宗教:
・ローマカトリック 61.5%(2010年国勢調査)
・プロテスタント 25.5%
・セブンスデー・アドベンチスト教会 10.4%
・ペンテコステ派 8.9%
・福音派 2.3%
・バプテスト 2.2%
・ラスタファリ 1.9%
・英国国教会 1.6%
・神の教会 1.5%
・エホバの証人 1.1%
・その他のキリスト教 3.4%
・その他のプロテスタント 0.9%
・無宗教 5.9%
・不明 0.4%
セントルシア
政治(目次に戻る
君主:エリザベス2世(Elizabeth II)
総督:ネヴィル・セナック(Neville Cenac)
首相:アレン・シャスネ(Allen Chastanet)
政治体制:立憲君主制
・イギリス連邦加盟国。
・国家元首はエリザベス2世。
・君主と総督の権限は限られている。
・上院の議員定数は11人、任期は5年。
・下院の議員定数は18人、任期は5年。
・中道右派と左派政党が議席を分け合っている。
法律:セントルシアの憲法
・基本的人権と司法の独立を保障している。
・同性の性行為は違法。
・2022年までに同性愛を非犯罪化する予定。
・他人とひどい猥褻(わいせつ)行為をした者は、最高で懲役10年の実刑判決を受ける可能性がある。
・男性同士のアナルセックスは最高で懲役10年。
渡航情報(目次に戻る
渡航情報:
・外務省ホームページ
・コロナウイルス注意情報発令中(2021年7月時点)
治安:普通
・近年、自爆テロや大量殺人などの凶悪事件は発生していない。
・反政府勢力やイスラムジハード組織の活動は報告されていない。
・殺人、武装強盗、性的暴行などの犯罪は複数報告されている。
・流しのタクシーには乗車しない。特に無許可タクシーには注意が必要。
・ストリートパーティやナイトクラブではお酒と女性のトラブルに注意。
・フェスティバルシーズンは窃盗、置き引き、スリなどの軽犯罪の発生率が上昇する。
・高級腕時計や貴金属類は身につけない方がよい。
・パスポートやキャッシュカードなどの貴重品は極力持ち歩かない。
・夜間は外出を控え、知らない人にはついていかない。
・女性はデートレイプに注意。MDMAを使った性犯罪が複数報告されている。
マスメディア(目次に戻る
・新聞社は3社。ただし、日刊紙はない。
・国営テレビ局は1社。
・民間テレビ局は2局。
・国営ラジオ局は1社。
・民間ラジオ局は3局。
・報道と言論の自由を保障している。
・主要メディア媒体はテレビ。
・インターネットの普及率は55~60%。
・検閲はない。
・多くの国民がインターネットを介して世界の有料テレビを視聴している。(Hulu、Netflixなど)
【国営メディア/設立年】
・National Television Network 1970年
【民間メディア】
・ヘレンテレビシステム
・DBS
軍隊(目次に戻る
2021年軍事力ランキング:ー位
・軍人数:0人(推定)
即戦力 0人
予備兵 0人
準軍組織 120人
・軍隊を保有していない。
・治安維持と沿岸警備はロイヤルセントルシア警察が担っている。
・有事の際には米軍が緊急出動する。
・国防予算:2,000万ドル(推定)
歴史(目次に戻る
1700年代
・1722年:イギリスのジョージ1世は、セントルシアの自治をジョン・モンタギューに命じ、商人兼冒険家のナサニエル・アーリングを副知事に任命した。
・1730年:イギリスの記録によると、当時のセントルイスの人口は463人(白人125人、カリブ人37人、奴隷175人、残りは黒人または混血)だったという。
・1743年:フランスがセントルシアに侵攻。イギリス軍を追い払い、島を占領した。
・1748年:フランスとイギリスがセントルシアを中立地帯とする協定に合意。
・1756年:フランスがセントルシアを再び植民地下に置く。
・1762年:イギリスがフランスからセントルシアを奪取。
・1763年:イギリスはパリ条約に基づき、セントルシアをフランスに返還した。
・1778年:イギリスがフランスからセントルシアを奪取。
・1779年~1782年:イギリスのジョージ・ロドニー提督率いるイギリス自治政府軍はセントルシアにロドニー要塞を建設した。記録によると、島の人口は1779年末時点で約19,000人に達したという。これには44の砂糖農園で働く約16,000人の奴隷が含まれていた。
・1780年10月:大型ハリケーン上陸。カリブ海の広い範囲に被害をもたらし、22,000人以上が死亡したと伝えられている。セントルイスでは約800人が死亡した。
・1784年:フランスがセントルシアの自治を取り戻した。
・1791年:フランス革命の影響と思想がセントルシアに広がり、奴隷は強制労働を放棄し、身の危険を感じた知事は国外に逃亡した。
・1792年12月:革命派のジャン=バティスト・レイモンド・デ・ラクロス中尉がセントルシアに到着。貧しい白人と有色人種に武装するよう促した。
・1793年2月:フランス革命軍はイギリスとオランダに宣戦布告したうえで、ニコラス・ザビエル・デ・リカード将軍をセントルイスの知事に指名した。
・1794年2月:フランス革命軍はセントルイスの奴隷制を廃止すると宣言した。これに対し、砂糖の生産を続けたいと考えていた裕福な農場所有者たちはイギリスに支援を要請した。
・1795年2月:ビクター・ヒューズ率いるフランス革命軍はイギリス軍の大隊を打ち負かした。
・1796年4月:イギリス軍はセントルシアに大隊を派遣し、フランス革命軍と戦った。戦闘の結果、首都カストリーズはほぼ焼失し、約1か月後、フランス革命軍は降伏した。
・1796年5月:イギリスのジョン・ムーア将軍がセントルイスの知事に就任。
1800年代
・1802年:アミアン和約に基づき、セントルシアはフランスに返還され、ナポレオン・ボナパルトは奴隷制を復活させた。
・1803年6月:サミュエル・フッド提督率いるイギリス軍がセントルイスに侵攻。フランス自治政府軍に勝利した。
・1807年:イギリスが奴隷貿易を廃止。
・1814年:フランスはパリ条約に基づき、セントルシアをイギリスに正式に譲渡した。
・1834年:イギリスが奴隷制を廃止。奴隷制廃止後、セントルシアの元奴隷たちは4年間の「見習い」を務めなければならず、期間中、週の少なくとも4分の3は元雇い主のもとで働いた。
・1838年:セントルシアはバルバドスに本拠を置く英領ウィンドワード諸島政権に編入された。
・1838年:イギリスはセントルシアの元奴隷たちに完全な自由を与えた。
1900年~第一次世界大戦
・セントルシアは第一次世界大戦に関与していない。
第一次世界大戦~第二次世界大戦
・1939年9月:第二次世界大戦勃発。
・1942年3月9日:ドイツのUボートが首都カストリーズ港の沖合でイギリス艦2隻を撃沈。
・1942年6月13日:米国沿岸警備隊がドイツのU-157(潜水艦)を撃沈。
・1945年9月:第二次世界大戦終結。
終戦~現在
・1924年:イギリス議会がセントルシアの代表政府を認可した。
・1936年:イギリス議会は憲法に基づき、立法評議会で選出された代表者に権限を与えた。
・1951年:成人の参政権を認める。
・1957年:バナナの輸出が初めて砂糖を上回る。
・1958年:西インド連邦に加盟。
・1962年:西インド連邦解散。
・1964年:サトウキビの生産を停止。需要の低迷が原因だった。
・1967年3月1日:セントルシアは外交と防衛を除く自治権をイギリスから引き継いだ。
・1979年2月22日:セントルシアがイギリスから独立。イギリス連邦に加盟し、連合労働者党(UWP)のリーダーであるジョン・コンプトンが首相に就任した。
・1979年2月22日:米州機構(OAS)に加盟。
・1979年6月:総選挙。セントルシア労働党(SLP)が勝利し、アラン・ルイジーが首相に就任した。
・1979年12月9日:国連に加盟。
・1980年8月:ハリケーンアレン上陸。セントルシアでは少なくとも6人が死亡し、多くのプランテーションが被害を受けた。
<ハリケーンアレンの地域死亡者と被害総額>
・バルバドス 死亡者0人 被害600万ドル
・キューバ 死亡者3人 被害不明
・ドミニカ 死亡者7人 被害4,700万ドル
・グレナダ 死亡者0人 被害530万ドル
・グアドループ 死亡者1人 被害不明
・ハイチ 死亡者220人 被害4億ドル
・ジャマイカ 死亡者8人 被害1億ドル
・マルティニーク 死亡者0人 被害6,800万ドル
・セントルシア 死亡者6人 被害2億3,500万ドル
・セントビンセント 死亡者0人 被害1,630万ドル
・アメリカ 死亡者6人 被害6億3,000万ドル
・その他 死亡者17人 被害6,000万ドル
・1981年:ルイジー首相はSLPの分裂を受け辞任し、司法長官のウィンストン・セナックが後任に指名された。
・1982年:総選挙。UWPが勝利。ジョン・コンプトン元首相が政権に返り咲いた。
・1987年:総選挙。UWPがわずかな差で勝利。コンプトン首相が政権を維持した。
・1992年:総選挙。UWPの勝利。
・1992年:首都カストリーズ出身のデレク・ウォルコットがノーベル文学賞を受賞。
・1993年:バナナの取引価格が大幅に下落。農民と農業労働者はストライキを決行した。
・1996年:コンプトン首相が辞任。ヴォーン・ルイスが後任に指名された。
・1997年:総選挙。セントルシア労働党(SLP)主導の野党連合が圧勝し、ケニー・アンソニーが首相に就任した。
・2002年9月:ハリケーンリリ上陸。島内のプランテーションは深刻な被害を受けた。
・2003年:政府は価格統制の撤廃や国営バナナ会社の民営化などの経済改革を開始した。
・2003年7月:憲法改正。議会はイギリスの君主に対する忠誠の誓いをセントルシアへの忠誠に変更した。
・2003年11月:刑法改正。虚偽のニュースを禁じ、中絶は状況によっては禁固刑を科されることになった。
・2004年7月:グロス・ピトン山(ツインピークス)がユネスコ世界遺産に登録された。
・2006年12月:総選挙。連合労働者党(UWP)が勝利し、ジョン・コンプトン卿が首相に復帰した。
・2007年:米ニューヨーク市に本拠を置く私立モンロー大学および大学院がセントルシアにキャンパスを開設。
・2007年4月:台湾との外交関係を再構築すると発表。中国との関係は10年前に大きく見直されていた。
・2007年9月:コンプトン首相死去。スティーブンソン・キングが後任に指名された。
・2009年:アメリカ、カナダ、ヨーロッパがリーマンショックの影響で不況に陥り、セントルシアの観光業は10%以上縮小した。
・2010年11月:ハリケーントーマス上陸。セントルシアでは少なくとも8人が死亡し、多くのバナナプランテーションが被害を受けた。
<ハリケーントーマスの地域死亡者と被害総額>
・バルバドス 死亡者0人 被害850万ドル
・キューバ 死亡者3人 被害不明
・キュラソー 死亡者1人 被害1億1,500万ドル
・ハイチ 死亡者35人 被害不明
・マルティニーク 死亡者0人 被害100万ドル
・セントルシア 死亡者8人 被害3億3,600万ドル
・セントビンセント 死亡者0人 被害330万ドル
・トリニダード・トバゴ 死亡者0人 被害100万ドル
・2011年12月:総選挙。セントルシア労働党(SLP)が勝利し、ケニー・アンソニー元首相が政権に返り咲いた。
・2013年11月:ジャマイカの警察は2010年から2011年にセントルシア警察が関与したとされる超法規的殺人の調査を実施した。
・2014年5月:セントルシア議会は、英ロンドンの枢密院司法裁判所からカリブ司法裁判所に最終控訴裁判所の権限を移譲する計画を発表した。
・2014年6月:憲法改正。ギャング関連の暴力に対処する新たな法律を施行した。
・2014年6月30日:外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に基づき、アメリカとのモデル1契約を締結した。
・2016年6月:総選挙。連合労働者党(UWP)が与党SLPに勝利。アレン・シャスネが首相に就任した。
・2017年:年間の殺人事件件数が過去最高を更新。初めて60件に達した。
・2018年:核兵器禁止条約に署名。
文化(目次に戻る
・イギリス、フランス、アフリカの影響を強く受けている。
・クリスマスシーズンになると、各地でお祭りやパレードが開催される。
・国際的な音楽イベントのひとつであるセントルシア・ジャズフェスティバルを主催している。
・主食は米とパン。主菜はグリーンバナナ、地元の魚介類、鶏肉、ジャガイモ、玉ねぎ、セロリ、エンドウ豆、ココナッツミルク。
スポーツ(目次に戻る
・人気スポーツはクリケット、サッカー、バレーボール、ラグビー、水泳、バスケットボール、ゴルフ、テニスなど。
・島内にゴルフコースが3つある。
・2019年に国内初の競馬場がオープンした。
・オリンピックでメダルを獲得したことはない。
・冬季オリンピックに出場したことはない。
その他(目次に戻る
・治安はカリブ海諸国の中では比較的安定しているが、ギャングが活発に活動している地域もあるため、注意が必要。
・2022年までに同性愛やLGBTQの権利を見直す予定。