目次
歴史
・1700年代
・1800年代
・1900年~第一次世界大戦
・第一次世界大戦~第二次世界大戦
・終戦から現在
基本情報(目次に戻る
国名:ホンジュラス共和国(Republic of Honduras)
首都:テグシガルパ(Tegucigalpa)
人口:9,182,766人(2020年推定)
面積:112,090㎢(北海道の1.3倍)
気候:熱帯気候
・高地の年平均気温は16~20℃、快適。
・低地の年平均気温は24~34℃、むし暑い。
・ハリケーンシーズンは6月~11月。
・北部のカリブ海沿岸地域は雨季が長い。(年間降雨量2,800~3,500mm)
・首都テグシガルバの海抜は約1,000m。
・観光に最適な期間は12月~4月。
・高地は昼夜の寒暖差が大きいため、服装に注意。
経済:
・開発途上国
・インフォーマル経済。
・GDPは約249億ドル(2019年推定)
・主要産業はサービス。
・主要輸出品はコーヒー。総輸出収入の20%以上を占める。
・中南米地域で最も貧しい国のひとつ。
・人口の50~60%が農業労働者と考えられている。
・農業に利用されている土地は、国土の15%に満たない。(山間部が多い)
・中央アメリカのチベットと呼ばれている。
・製造業の開発および製造業労働者の育成に失敗した。
・インフラは極めて貧弱。
・アメリカに強く依存している。
人種:
・メスティーソ 87%(推定)
・先住民族 8%
・黒人 3%
・白人 4%
言語:
・スペイン語(公用語)
・先住民族の言語(数十種)
・使われなくなった言語が多々ある。
・先住民族の言語を教える学校は極めて少ないと考えられている。
・文書化されている先住民族の言語は少ない。
宗教:
・カトリック 46%(推定)
・プロテスタント 39%
・不明 15%
ホンジュラス共和国
政治(目次に戻る
大統領:フアン・オルランド・エルナンデス(Juan Orlando Hernández)
政治体制:立憲共和制
・大統領の任期は4年、再選は認められていない。
・2015年、最高裁判所が大統領の再選を突然認め、現職のエルナンデス大統領が再選を果たした。
・二院制。(上院と下院)
・与党は国民党。最大野党は自由党。
・リベラル派が議会を支配している。
法律:ホンジュラスの憲法
・司法権の独立を保障している。
・裁判所は「最高、上訴、地方、刑事」の4種。
・近年、反政府勢力およびギャングによる公開処刑は大きく減少したと伝えられている。
・2002年に大統領に就任したリアルド・マドゥロが犯罪を厳しく取り締まった。
渡航情報(目次に戻る
渡航情報:
・外務省ホームページ
・渡航注意情報発令中(2020年12月時点)
・コロナウイルス注意情報発令中(2020年12月時点)
治安:悪い
・近年、国内でテロ事件は発生していない。
・凶悪犯罪グループ「マラス」による殺人、強盗、誘拐、レイプ事件などが多発している。
・全国各地で反政府組織によるデモ活動が発生している。
・殺人事件の件数は減少傾向。
・警察や軍の厳しい取り締まりに注意。
・観光する際は窃盗と引ったくりに注意。
・流しのタクシーには乗車しない。
・近年、麻薬組織の活動は沈静化している。
・スラム街には近づかないこと。銃や麻薬関連の犯罪に巻き込まれかねない。
マスメディア(目次に戻る
・新聞社は数社。(推定)
・国営テレビ局は1社。
・民間テレビ局は数十社。(推定)
・ラジオ局は数局。受信できない地域あり。
・人口の20%がインターネットを使用している。(推定)
・検閲はない、と考えられている。
・報道と言論の自由を保障している。
・ジャーナリストへの嫌がらせ、報復などが社会問題になっている。
【国営メディア/設立年】
・CampusTv 2007年
【民間メディア】
・gotv
・Canal 11
・Cholusat Sur Canal 36
・Maya TV
軍隊(目次に戻る
2020年軍事力ランキング:110位
・軍人数:75,000人(推定)
即戦力 15,000人
予備兵 60,000人
・陸海空軍を保有
・国防予算:2億ドル
歴史(目次に戻る
1700年代
・1700年代、現在のホンジュラス共和国及び周辺地域の大部分はスペインもしくはイギリスの支配下に置かれていた。
・先住民族たちはスペインとイギリスの領土争いに巻き込まれた。
・先住民族は植民地化に強く抵抗したが、欧州の艦隊と銃器には敵わなかった。
・1786年、イギリスとの領土争いを制したスペインが、カリブ海沿岸地域の支配を確立した。
1800年代
・ナポレオンのスペイン占領を受け、植民地化に反対する中米のコミュニティが大規模な反乱を起こした。
・1810~1821年、スペインからの独立を求める戦いが中米各地で発生した。
・1821年初頭、中米の首都、メキシコシティのスペイン領主が敗北を宣言。これに伴い、中米全土にスペインから独立を勝ち取ったという情報が伝わった。
・1821年9月15日、スペインからの独立を宣言。メキシコ帝国が中米の主権を獲得。
・1823年、メキシコ革命勃発。革命軍はアグスティン・デ・イトゥルビデ皇帝を追放し、メキシコ議会を設立した。
・メキシコ議会は国をメキシコ本土、グアテマラ州、ホンジュラス州、エルサルバドル州、ニカラグア州、コスタリカ州の6つに分割すると発表した。
・1823年7月1日、ホンジュラス州、メキシコ帝国からの独立を宣言。
・1838年11月5日、ホンジュラス州、中央アメリカ連邦共和国からの独立を宣言、「ホンジュラス共和国」誕生。
・1839年1月、憲法制定。
・独立後、リベラル派と保守派の争いが本格化し、国は2つに分断された。
・1859年、イギリスがベイ諸島に対するホンジュラスの主権を認める条約に合意。
・1860~1870年の間に大統領が20回交代した。(暗殺、追放、失脚など)
・1876年、隣国グアテマラの内政干渉により、保守派は権力を失った。
・1876~1882年、リベラル派のマルコ・アウレリオ・ソトが大統領に就任。秩序、財政、行政、教育などの改革を実行した。
・1891年、ポンチャーノ・レイバ将軍が不正選挙で大統領職に復帰。独裁体制を復活させた。
・レイバ大統領はリベラルな自由党を追放し、これに反発する野党指導者および市民がクーデター(内戦に発展)を起こした。
・1894年、内戦を制した革命軍のポリカルポ・ボニージャが大統領に就任。
・1895年、新憲法制定。
・1800年代、ホンジュラス経済は、内戦や独裁政治の影響でほとんど発展できず、人口だけが増加した。
1900年~第一次世界大戦
・ホンジュラス共和国は第一次世界大戦に関与していない。
・1900年代初頭、バナナ産業が急速に発展した。
・1902年、カリブ海沿岸地域で鉄道建設が始まる。(バナナを効率的に輸送するため)
・1903年、マヌエル・ボニージャが大統領に就任。
・ボニージャ大統領はバナナ会社の税金を免除したうえで輸送用の道路を整備した。また、国内の水路を改修し、バナナ会社専用の鉄道車両を許可した。
・1906年、隣国グアテマラおよびエルサルバドルと友好条約を締結。
・1907年2月、ニカラグア軍がホンジュラスに侵攻。ボニージャ大統領は徹底抗戦したが、敗れた。
・ニカラグア政府、ボニージャ政権に代わる暫定軍事政権を樹立すると宣言。
・アメリカ政府がホンジュラスに軍を送り、ニカラグアの支配を解消した。
・1909年、JPモルガンがホンジュラスの債務の補填と債権の発行に合意した。これにより、ニューヨークの銀行家はホンジュラスの鉄道を支配し、アメリカ政府はホンジュラス政府の完全なる独立を保障した。
・1911年、政権に対する反乱が発生。米軍はこれを鎮圧し、選挙を実施。マヌエル・ボニージャが再選を決めた。
・1912年、ボニージャ大統領死去。
・1911~1920年、ホンジュラスの治安と政治は比較的安定していた。
第一次世界大戦~第二次世界大戦
・ホンジュラス共和国は第二次世界大戦に関与していない。
・バナナ産業の急速な発展は、組織化された労働運動の発生につながった。
・1917年、バナナ会社のひとつ、クヤメルフルーツカンパニーの労働者がストライキを起こした。その後、ホンジュラス軍は労働者たちを力でねじ伏せた。
・1920年、民間バナナ会社に抗議する労働者の怒りが国営企業に広がり、ゼネラル・ストライキに発展した。
・米軍とホンジュラス軍はゼネストの指導者を逮捕した。その後、民間バナナ会社は新たな賃金を労働者に提示し、ゼネストは終息した。
・1920~1923年、暴動およびクーデター未遂事件が20回近く発生。
・1923年、アメリカの主導で、ホンジュラス・ニカラグア・エルサルバドル友好条約が締結された。
・1924年、政府軍と反政府勢力による戦闘が勃発。米軍が鎮圧に乗り出すも失敗し、数百人が死亡した。
・1928年、バナナの輸出額は、総輸出額の80%に達した。
・1930年代、世界恐慌の影響でバナナ産業も大打撃を受け、数千人の労働者が解雇された。
・1940年代、保守派とリベラル派の争いは収まる気配を見せず、各地で小規模な紛争、ストライキなどが発生した。
終戦~現在
・1949年1月、リベラル派のフアン・マヌエル・ガルベスが大統領に就任。
・ガルベス大統領は道路建設やコーヒー産業の開発に予算を投じ、対外債務の削減につとめ、英国債を完済した。
・市民はガルベス政権の政策を好意的にとらえた。その後も教育改革、所得税法の制定、報道の自由の回復、党派の結成を許可するなど、様々な改革を実行した。
・1955年10月、軍事改革派がクーデターを起こし、暫定軍事政権に移行。
・1957年、ラモン・ビレダが大統領に就任。
・1963年10月、保守派がクーデターを起こし、ビレダ大統領は追放され、暫定軍事政権に移行。オズワルド・ロペス将軍が暫定大統領に就任した。
・1969年7月14日、サッカー戦争勃発。(ホンジュラスvsエルサルバドル)
・1969年7月18日、サッカー戦争終結、両国の死者は3,000人を超え、数千~数万人がホームレスになったと伝えられている。
・1970年代、軍事政権はインフラ、電気および通信網を整備し、外国の資本を積極的に取り入れた。
・1980年代、経済活動は順調に成長したが、保守派とリベラル派の争いは一向に収まらず、小規模な紛争やクーデター未遂事件が何度も発生した。
・1990年1月、ラファエル・レオナルド・カジェハス・ロメロが大統領に就任。経済改革と債務処理に専念すると宣言した。
・ロメロ大統領は文民統制の確立を目指し、検察庁創設の礎を築いた。
・1993年、カルロス・ロベルト・レイナが大統領に就任。文民統制を強化し、道徳的革命を進めると宣言した。
・1996年、レイナ大統領が防衛大臣を指名。現在の軍の体制を確立した。
・1998年10月、ハリケーンミッチ上陸。死亡者5,000人、150万人以上が避難を余儀なくされ、ホンジュラス経済は壊滅的な被害を受けた。
・2009年、自由党が新憲法制定の国民投票を行うと発表。
・新憲法は「大統領の任期制限を含むいくつかの条項の変更を禁止する」と定めており、保守派との対立を引き起こした。
・2009年、最高裁判所は国民投票の中止を命じたが、自由党はこれを拒否し、議会は大混乱に陥った。
・2009年6月、議会は自由党の行為を職権乱用と見なし、軍に拘束を命じた。これにより自由党の指導者は逮捕され、中立国のコスタリカに強制送還された。
・国連とアメリカは軍の力で大統領を追放したホンジュラス議会の対応を厳しく非難した。
文化(目次に戻る
・スペインと先住民族の文化が混ざり合っている。
・主食は米、主菜はトウモロコシ、バナナ、鶏肉。
・先住民族の文化は消滅の危機に直面している。
スポーツ(目次に戻る
・一番人気はサッカー。
・その他の人気スポーツは野球、テニス、水泳、アメフト。
・オリンピックでのメダル獲得実績はなし。
・FIFAワールドカップに3回出場した。
その他(目次に戻る
・リベラル派と保守派の争いは現在も続いている。
・中南米で最も貧しい国のひとつ。経済はゆっくりと成長しているが、市民の生活はほとんど改善していない。