エルサルバドル共和国/国旗

目次

 基本情報

 政治

 渡航情報

 マスメディア

 軍隊

 歴史
  ・1700年代
  ・1800年代
  ・1900年~第一次世界大戦

  ・第一次世界大戦~第二次世界大戦
  ・終戦から現在

 文化

 スポーツ

 その他

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国名:エルサルバドル共和国(Republic of El Salvador)

首都:サンサルバドル(San Salvador)

人口:6,481,102人(2021年推定)

面積:21,040㎢(北海道の0.25倍)

気候:熱帯気候
・乾期は11月~3月。
・雨季は4月~10月。とても蒸し暑い。
・気温は1年を通して安定している。(最低:16~20℃、最高:29~32℃)
・標高1,000m以上のエリアはかなり涼しい。国内の最高点は2,730mのセロエルビタル山。
・年間降雨量は1,500~1,800mm。

・梅雨時期はとても蒸し暑く、渡航はおすすめしない。
・ハリケーンの影響を受けやすい地域。
・観光に最適な時期は12月~2月。比較的涼しく雨も少ないので過ごしやすい。

経済:
・開発途上国
GDPは270億ドル(2019年推定)
・貧富の格差が社会問題になっている。富裕層(人口の10%)の収入は貧困層(人口の40%)の約15倍。
・GDPは過去30年間でジワジワと成長してきた。
・人口の約30%は貧困ライン以下での生活を余儀なくされている。
・主要産業はサービス業、農業、製造業。
2020年の経済成長率は前年比マイナス5.4%。コロナウイルスの影響を強く受けた

・税負担を低く抑えている。(GDPの約11%)
・アメリカで働く市民の送金が主要収入源のひとつで、30億ドル近い貿易赤字を相殺している。
・主要農作物はサトウキビ、トウモロコシ、ココナッツ、ソウルガム、大豆、コーヒー、オレンジ。
・主要輸出パートナーはアメリカ(46%)、グアテマラ(15%)、ホンジュラス(10%)。
主要輸入パートナーはアメリカ(35%)、グアテマラ(11%)、メキシコ(7%)。

人種(民族):
・メスティーソ 86%(2007年推定)
・ヨーロッパ系 12%
・黒人 0.8%
・先住民族 0.2%
・その他 1%

言語:
・スペイン語(公用語)
・英語
・アラビア語
・先住民族の言語

宗教:
・ローマカトリック 50%(2014年推定)
・プロテスタント 36%
・その他 2%
・無宗教 12%

エルサルバドル共和国

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大統領:ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)

政治体制:共和制
・国家元首は大統領。任期は5年。2期連続は認められていないが、1期空けば再立候補可能。
・一院制。議員定数は84人。任期は5年。
・首都サンサルバドルとその他の沿岸地域の市民はリベラル。
・内陸部の市民は保守的。

法律:エルサルバドル共和国の憲法
・司法の独立を保障している。
・女性の権利を軽視している。
・未成年年を低賃金で雇う悪徳企業が数えきれないほど存在する。
・労働組合は嫌がらせを受ける。
・警察官は反抗的な市民を殺害することが多々ある。
・低所得層の家庭内暴力が常態化している。
・中絶は違法。意図的に流産を引き起こした場合は長期刑を科される。
・女性への暴力に対処する法律を2011年に施行したが、暴力や強姦の件数は現在も高い水準を維持している。

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渡航情報:
外務省ホームページ
・渡航中止情報発令中(2021年3月時点)
コロナウイルス注意情報発令中(2021年3月時点)

治安:悪い
・近年、テロ事件は発生していない。
・イスラム過激派組織や反政府組織の活動は確認されていない。
・中央アメリカで活動している青少年凶悪犯罪集団「マラス」に注意。
・高級腕時計や貴金属類は身につけないこと。
・流しのタクシーには乗車しないこと。
・強殺、強盗、強姦などの凶悪事件が多発している。
・メキシコの麻薬カルテルとつながりのある組織や個人が活動している。
・銃や爆弾が市場に流通している。
・繁華街では置き引きや引ったくりに注意。
・夜間の外出は控えた方がよい。

エルサルバドル共和国/サラゴサ

マスメディア(目次に戻る

・新聞社は数社あると伝えられている。
・国営テレビ局は1社。
・民間テレビ局は19局。
・民間ラジオ局は違法ラジオを含めると数百局。
マスメディア市場はとても小さく、民間メディアは慢性的な赤字に苦しめられている
・報道と言論の自由を保障しているが、政府に批判的なジャーナリストは嫌がらせを受ける。
・主要メディア媒体はテレビ。
・インターネット普及率は低い。
・検閲はない。
・アメリカのケーブルテレビが人気。

【国営メディア/設立年】
・TVエルサルバドル 1964年

【民間メディア】
・YSR-テレビ2
・Canal4
・Canal6
・その他

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2021年軍事力ランキング:128位

・軍人数:52,000人(推定)
  即戦力 25,000人
  予備兵 10,000人
  準軍組織 17,000人

・陸軍と空軍を保有。

・国防予算:3億ドル(推定)

エルサルバドル共和国/市民と兵士

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1700年代

・1700年代、現在のエルサルバドル共和国と周辺諸国はスペインの植民地下に置かれていた。

・エルサルバドルはニュースペインの行政区画のひとつ、グアテマラ王国の一部として管理された。

・エルサルバドルに移住したスペイン人はアフリカの奴隷と先住民族を使って土地を開拓し、トウモロコシやサトウキビ農園を整備した。

・1786年、エルサルバドルはニュースペインのサンサルバドール管轄区に編入された。

1800年代

・1800年代初頭、エルサルバドルの市民(主にスペイン人と先住民族の混血)は中央アメリカのエリート層とスペインからの独立を試みるようになった。

・独立運動が本格化した主な要因は、フランスとアメリカの独立革命の成功と、ナポレオン戦争でスペインの軍事力が弱体化し、植民地を効果的に管理できなくなったため。

・1811年11月、ホセ・マティーアス・デルガド司祭の決起で独立を求める暴動が発生した。(1811年独立運動)スペインの自治政府軍はこれを制圧し、指導者らは逮捕された。

・1814年、市民団体主導の独立を求める暴動が発生。自治政府軍はこれを再び鎮圧し、反抗的な市民は銃殺された。(1814年独立蜂起)

・1821年9月15日、スペインが中央アメリカ独立法に署名。これにより、現在のエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、メキシコの州の一部で形勢される「中央アメリカ連邦共和国」が誕生した。

・1822年初頭、中央アメリカの政府当局がメキシコ第一帝政に加盟する決議案を採択。エルサルバドルはこれに強く反対した。

・1822年2月、メキシコ軍が中央アメリカに侵攻。統一中央アメリカ帝政の設立に反対する者たちを力でねじ伏せた。

・1823年3月、中央アメリカの統一反対派がメキシコ軍の拠点施設を制圧。メキシコ軍は撤退を余儀なくされた。

・1823年4月、中央アメリカの政府当局はメキシコ第一帝政に加盟する決議案を取り消した。

・1838年、中央アメリカ連邦共和国は内戦などの影響で統制を失い、ニカラグア、ホンジュラス、コスタリカが独立を宣言した。

・1841年2月、「エルサルバドル共和国」が中央アメリカ連邦共和国から独立。

・1850年代、エルサルバドルの経済はコーヒーの栽培と輸出に依存するようになり、市場価格の変動に悩まされた。コーヒー栽培は一部の富裕層に莫大な利益をもたらしたが、大多数の市民はほとんど恩恵を受けなかった。

・1860年代、市民はエルサルバドルを支配する寡頭制(一部の富裕層が権力の大多数を支配する)の見直しを求めたが、富裕層は権力を拡大し続け、大多数の市民は奴隷に近い扱いを受けた。

・1870年代、コーヒー栽培で財を成した富裕層は国の立法府と経済政策に介入できる権利を与えられた。

・1890年、軍事クーデター発生。マヌエル・バリラ将軍が権力を掌握し、カルロス・エセータ大統領はグアテマラに逃亡した。

・1890年6月27日、第一次グアテマラ・エルサルバドル戦争勃発。

・1890年8月21日、、第一次グアテマラ・エルサルバドル戦争終結、両国は平和条約に署名した。

・1898年、軍事クーデターによりラファエル・アントニオ・グティエレス大統領は追放され、トマス・レガラード将軍が大統領に就任した。

エルサルバドル共和国/湖

1900年~第一次世界大戦

・エルサルバドルは第一次世界大戦に関与していない。

・1900年から1910年、エルサルバドルの経済はコーヒー栽培の影響である程度安定し、市民の富裕層に対する不満が表に出ることは少なくなった。

・1903年初頭、トマス・レガラード大統領がグアテマラに宣戦布告。第二次グアテマラ・エルサルバドル戦争の開始を宣言した。しかし、戦闘は発生せず、両国は開戦から84日後に停戦協定に署名した。

・1903年3月、ペドロ・ホセ・エスカロンが大統領に就任。レガラード大統領はエルサルバドル軍の元帥に就任した。

・1906年初頭、レガラード元帥がグアテマラに宣戦布告。第三次グアテマラ・エルサルバドル戦争の開始を宣言した。これにより、エルサルバドル軍はメキシコとグアテマラに侵攻した。

・1906年7月11日、レガラード元帥が戦闘中に負傷、その後死亡した。

・1906年7月末、第三次グアテマラ・エルサルバドル戦争終結。両国とメキシコは平和条約に署名した。

第一次世界大戦~第二次世界大戦

・エルサルバドルは第二次世界大戦に関与していない。

・1931年12月4日、軍事クーデター発生。アルトゥーロ・アラウージョ大統領は追放され、マクシミリアーノ・エルナンデス・マルティネス将軍が大統領に就任した。

・1932年1月22日、マルティネス大統領の独裁体制に抗議する大規模な農民蜂起が発生。10万人以上の農民がエルサルバドル軍に立ち向かった。

・マルティネス大統領は蜂起を力でねじ伏せ、指導者たちをほぼ皆殺しにした。また、反抗的な先住民族のゲリラ軍も混乱に乗じて粉砕したと伝えられている。

・1932年7月11日、マルティネス大統領が農民蜂起の終結を宣言。一連の鎮圧戦で市民25,000~40,000人が死亡した。

・1930年代後半、コーヒーの市場価格は世界恐慌の影響で大きく下落し、多くの農民が土地を捨てグアテマラやホンジュラスなどに逃亡した。

・グアテマラとホンジュラスの人口密度はエルサルバドルよりはるかに低く、逃亡した農民たちは未開拓の土地を占領し、農作物を栽培することができた。しかし、グアテマラ政府とホンジュラス政府はこれを容認せず、エルサルバドル政府と激しく対立した。

・エルサルバドルの軍事独裁政権は1979年まで続いた。

終戦~現在

・1940年代~1950年代、ホンジュラスに逃亡したエルサルバドルの農民(10万人以上)は、占領した土地でコーヒーやサトウキビなどを栽培し、利益を上げた。

・1969年7月14日、FIFAワールドカップの予選、ホンジュラスvsエルサルバドルの影響で両国間の緊張が高まり、戦争に発展した。(サッカー戦争)

・エルサルバドルの農民による土地の占領に抗議し続けてきたホンジュラス政府は、サッカーの試合後に発生した暴動に憤慨し、エルサルバドルに宣戦布告した。

・1969年7月15日、エルサルバドル軍がホンジュラスに侵攻。

・1969年7月18日、ホンジュラス政府はエルサルバドル軍の首都侵入を恐れ、米州機構(OAS)に仲裁を求めた。エルサルバドルはOASの圧力に抵抗したが、その日の夜、停戦に合意した。

<サッカー戦争>
・両軍参加者:55,000~60,000人(推定)
・両軍負傷者:20,000~25000人(推定)
・両軍死亡者:500~600人(推定)
・民間人死亡者:2,500~3,000人(推定)

・1972年、大統領選挙。軍事政権に反対するキリスト教民主党(PDC)のホセ・ナポレオン・ドゥアルテは敗れ、その後の抗議とクーデターも鎮圧された。

・1979年10月15日、市民革命軍がクーデターを決行。無血開城に成功し、カルロス・フンベルト・ロメロ大統領はグアテマラに亡命した。

・1979年10月15日、左派勢力のFMLN国民解放戦線は保守的な市民革命軍の政策に反対し、宣戦布告した。

・1979年10月15日、エルサルバドル内戦勃発。(革命政府軍vsFMLN国民解放戦線)

・1980年10月30日、エルサルバドルとホンジュラスが平和条約に署名。

・1981年12月11日、革命政府軍がFMLNの拠点都市ひとつ、エルモゾテと近隣の村を襲撃し、民間人800~1,200人を虐殺した。(エルモゾテ虐殺)

・1984年、大統領選挙。キリスト教民主党(PDC)のホセ・ナポレオン・ドゥアルテが国民共和同盟(ARENA)のロベルト・ダビュイソン陸軍少佐に勝利した。

・1987年10月、エルサルバドル議会は内戦関連の犯罪に対する恩赦を承認した。これにより、約400人の政治犯が釈放された。

・1988年、大統領選挙。キリスト教民主党(PDC)のアルフレッド・クリスティアーニは民主的な選挙で勝利したが、FMLNは政権を奪取すると宣言し、大規模な攻撃を開始した。

・1989年10月、政府軍の舞台が左翼労働組合本部を2度爆破。少なくとも8人が死亡し、35人が負傷した。

・1992年1月16日、エルサルバドル内戦終結。革命政府軍とFMLNはチャプルテペック平和条約に合意した。これにより、国家警察は国家市民警察に置き換えれ、州兵と財務省警察は解散した。またFMLNは戦闘部隊を解散させ政党になった。

<エルサルバドル内戦>
・両軍参加者:約30万人(推定)
・両軍負傷者:10万人以上(推定)
・両軍死亡者:27,000~30,000人(推定)
・民間人死亡者:70,000~80,000人(推定)
・国内外避難民:100万~150万人(推定)

エルサルバドルの生活水準は内戦で大きく低下し、1980年代後半の貧困率は75%に達した。また、失業率は約50%まで上昇し、ほとんどの市民は清潔な水と医療にアクセスできなかった。

・1987年10月に承認された恩赦法により、エルサルバドル内戦中に発生した虐殺やレイプなどの犯罪は全てもみ消された。

・2009年、大統領選挙。FMLNのマウリシオ・フネスが勝利した。エルサルバドルの大統領選挙で左派政党が勝利したのは初めてだった。

・2014年、大統領選挙。FMLNのサルバドール・サンチェス・セレンが勝利した。セレン大統領は内戦の元指導者だった。

・2017年4月、セレン大統領は環境および公衆衛生上の理由により、領土内での金属の採掘を禁止した。

・2019年2月、大統領選挙。内戦を経験していない国民統合のための大同盟(GANA)のナジブ・ブケレが勝利した。

エルサルバドル共和国/内戦時の様子

文化(目次に戻る

・スペインとキリスト教の影響を強く受けている。

・先住民族の文化はほとんど文書化されておらず、分からないことが多い。

・ハンモック文化が定着しており、住居には必ずハンモックが複数設置されている。

・主食はパンとププサ。主菜は肉全般、チーズ、シーフード全般、とうもろこし、ホウレンソウ、キャッサバなど。

スポーツ(目次に戻る

・一番人気はサッカー。

・1969年のサッカー戦争(100時間戦争)は世界の注目を集めた。

・その他の人気スポーツは野球、バスケットボール、ラグビー、アメフト、サーフィン、水泳、水泳、陸上競技。

・オリンピックでメダルを獲得したことはない。

・冬季オリンピックに出場したことはない。

エルサルバドル共和国/サーフィン

その他(目次に戻る

エルサルバドル内戦により、市民の生活水準は大きく低下した

・現職のナジブ・ブケレ大統領は内戦を経験していない国民統合のための大同盟(GANA)の代表。

エルサルバドル共和国/首都サンサルバドル

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