民主党全国大会3日目
バラク・オバマ前大統領は、民主党全国大会を「盛り上がりに欠けるショー」と嘲笑したトランプ大統領を厳しく非難した。
オバマ前大統領は現職のトランプ氏に対し、「彼は自分のすべきことを全く理解していない。彼が主張する”良いビジネス”を達成できていないのは彼自身だ」と切り捨てた。
さらに、トランプ大統領はアメリカを恐怖に陥れただけと攻撃し、国民を正しい方向に導いていないと述べた。
民主党全国大会3日目、カマラ・ハリス上院議員が副大統領候補に指名された。
そして翌日、民主党大統領候補に指名されたジョー・バイデン氏が、4日間の仮想大会にふさわしい最終演説を行う予定である。
本大会終了をもって、バイデン&ハリスペアは、トランプ&ペンスペアへの挑戦を正式に表明する。
8月19日夜、オバマ前大統領はフィラデルフィアのアメリカ革命博物館から仮想大会に出演。2016年からトランプ大統領が行ってきた間違いだらけのショーを攻撃した。
プレスリリースされたオバマ前大統領のコメントには、トランプ大統領への非難声明が事細かに記されていた。
「トランプ大統領はアメリカと国民に興味を持っていない。また、国民と共に歩む、という概念を持ち合わせていない」
「彼はホワイトハウスの強大な力を行使し、自分と友人たちのフォロー”だけ”に全力を費やしてきた。つまり、彼は自分と友人以外に関心がなく、どうなろうと知ったことではないと考えている」
「アメリカ合衆国大統領の使命を全く理解しておらず、自分と友人たち、そして一部の支持者だけが切望することに注力する。トランプ大統領は支持者の関心を集めることばかりに固執し、ホワイトハウスの力を乱用してきた」
オバマ前大統領は、トランプ大統領の間違いだらけのショーが悲惨な事態を招いたと述べ、「国民は最悪なショーの犠牲者になり、アメリカの評判は地に落ちた。そして、この国の自由民主主義はかつてないほど危険な状態に追いやられている」と付け加えた。
その後、76日間の選挙戦でジョー・バイデン氏を新たな大統領に選出するよう国民に呼びかけた。
これまでオバマ前大統領は、トランプ大統領の奇怪な行動について公の場で言及するを避けてきた。
4年前、在職最終年を迎えたオバマ氏は、共和党の次期大統領候補に元テレビスターが選ばれた場合、「共和党有権者への侮辱と見なされるだろう」と警告していた。
その後、オバマ前大統領が積み上げてきたレガシーは、誰よりも高潔であるべき第45代アメリカ合衆国大統領によって破壊された。
その様子を見守ってきたオバマ前大統領は、トランプ大統領のことを少しずつ語るようになった。
8月17日夜、ミシェル・オバマ女史は、夫の後継者に熱烈な攻撃を仕掛け、「トランプ大統領は無能」と厳しく非難した。
ミシェル夫人の一斉射撃は繰り返しテレビやSNSで放映され、強烈なインパクトを与えた。
ミシェル夫人は政治的争いを好まず、回避する傾向が強かった。しかし、この日の晩、彼女の目は怒りに燃え、マシンガンの如くトランプ大統領を攻撃したのである。
オバマ前大統領の演説
レガシー
8月19日、定例記者会見を行ったトランプ大統領は、前任者の発言について記者団から質問された。
これに対しトランプ大統領は、「民主党政権とオバマが残した恐怖と負の遺産、愚かな取引に私は恐怖した。彼ほど無能で酷い大統領は存在しない。オバマ政権はアメリカを骨抜きにした」と語った。
さらに、「オバマは醜態をさらし、撤退した。今、私がホワイトハウスにいるのは、彼と無能な大統領を支えたジョーのおかげだ。ただし、前任者の負の遺産は私が解決しなければならない」と付け加えた。
その後トランプ大統領はツイッターに、「ようこそ、無能なオバマとひねくれ者のヒラリー。次は戦場で会おう」と投稿した。
8月19日の夜に放送された演説では、2016年に民主党候補者として立候補し、史上初の米女性大統領への野望を阻まれたヒラリー・クリントン前国務長官も登場した。
ヒラリー前国務長は演説の冒頭で、「私はドナルド・トランプがより良い大統領であったらいい、と考えていた。しかし、残念ながら結果はご存じの通りだ」と述べた。
「この4年、人々は私に”トランプがどれほど愚かで危険だったかを理解していなかった”と言った。人々は”4年前に戻ってもう一度大統領選挙をやり直してほしい”、あるいは”投票すべきだった”と嘆き、頭を抱えた」
元ファーストレディーは国民に対し、「何があろうと投票してほしい。私たちには投票する義務と責任がある。賛成票を投じ、道を正さねばならない」と語った。
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ヒラリー・クリントン前国務長官の演説
黒人女性として初めて主要政党の副大統領候補に指名されたハリス上院議員は、バイデン氏のランニングメイトとして彼を男にすると表明した。
インド人の母とジャマイカ人の父の間に生まれたハリス上院議員は、地区検事、州検事総長、カリフォルニア州上院議員を歴任した猛者である。
今回、民主党副大統領候補に指名されたことで、ジェンダーと人種の壁をコナゴナに打ち砕く活躍が期待されている。
ハリス上院議員は演説の中でトランプ大統領および政権の失敗を非難し、「リーダーシップの欠如と致命的な失敗の連続は、国民の命と家計を犠牲にした」と断罪した。
さらに、「私たちはドナルド・トランプが起こした絶え間ない混乱の中にいる。無能な大統領はあらゆるものを破壊した。弱者にムチ打つトランプの態度は、私たちを孤独にした」
「アメリカは大切なものを失った。しかし、私たちは必ずそれを取り戻す。私たちは最前線に立って重要な仕事をこなす高潔な大統領を選ばなくてはならない」と語った。
2016年、オバマ前大統領はトランプ大統領に仕事を引き継いだ。
以来、オバマ前大統領は公の場で後任者を厳しく批判しなかったが、今回の全国大会では初めて名指しで攻撃を仕掛けた。
一方のトランプ大統領は、3年超の活動期間の中で、オバマ前大統領のレガシーを全面的に否定。ユニバーサルヘルスケア制度(オバマケア)をはじめとする様々な政策を破壊しようとした。
現在、オバマ前大統領はアメリカで最も人気の高い政治家であると世論調査が示しており、彼の攻撃は有権者に何らかの意識を芽生えさせるものになる、かもしれない。
前任者と後任者の衝突は、分断されたアメリカを象徴する戦いになった。
大会3日目を締めくくったハリス上院議員は以下のように述べた。
「間違えないでほしい。そして、これからの道のりは平坦ではない。私たちはつまづくだろう。私たちには足りないところがあるかもしれない。しかし、私は大胆に行動し、目の前の課題に正直に対処することを約束する」
「私たちは合ったこともない人々のために命を危険にさらしている医師、看護師、在宅医療従事者、最前線で働く労働者たちの苦闘を目にしている」
「私たちは現在の危機を乗り越え、より良い場所にアメリカを導く人々が誰か知っている。それは私やジョーではない。国民一人ひとりがアメリカのために戦っている。導くのはあなた自身だ」
「2016年の失敗は、私たちに辛い現実を突きつけた。その時、自分がどこにいたかを思い出してほしい。私たちは間違いを正し、成功したことを次の世代に伝える義務がある」
カマラ・ハリス上院議員の演説