ナゴルノ・カラバフについて知っておくべきこと
・2020年10月9日の停戦合意は破綻し、民間人13人が死亡、40人以上が負傷した。
・約4,400平方キロメートルの山岳地帯。
・キリスト教のアルメニア人とイスラム教徒のトルコ人が生活していた。
・ソビエト連邦時代、ナゴルノ・カラバフはアゼルバイジャンの自治区に加えられた。
・公式にはアゼルバイジャンの領土と認められているが、人口の大部分はアルメニア人で構成されている。
・現在、ナゴルノ・カラバフは分離主義勢力（自称当局）に占領されている。
・自称当局は、アルメニアを含む全ての国連加盟国に認められていない。
・1988年から1994年の紛争で約3万人が死亡、推定100万人が避難を余儀なくされた。
・1994年の停戦合意後も膠着状態は続いていた。
・アルメニアは分離主義勢力（自称当局）を認めていない。
・アゼルバイジャンは「分離主義勢力＝アルメニア軍」と認識している。
・トルコはアゼルバイジャンを支援している。
・ロシアはアルメニアに軍事基地を持っている。
約5,000人が殺害された
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、紛争中のナゴルノ・カラバフ（アルツァフ共和国）地域をめぐるアゼルバイジャン軍とアルメニア軍の戦闘で約5,000人が殺害されたと語った。
これは双方が主張する死者数よりはるかに多い。
プーチン大統領はテレビ会議の中で次のように述べた。
ウラジーミル・プーチン大統領：
「1日に数回両国と話し、紛争に加担するつもりはないと述べた」
「モスクワはアゼルバイジャンを支援するトルコに反対する」
また、この地域の平和を手に入れるためにはアメリカの協力が欠かせない、と支援を求めた。
アゼルバイジャンとアルメニアは、人道的停戦に違反したとお互いを非難し合っている。
現在、この地域をめぐる紛争は1988年から1994年の戦争以来、最悪の状況にある。
プーチン大統領は何と言った？
ロシアはアルメニアと軍事同盟を結んでおり、国内に軍事基地を保有している。一方、アゼルバイジャンとも密接な関係を構築している。
プーチン大統領は首都モスクワ郊外で開催されたテレビ会議の中で、「双方から多くの死傷者が出ている。5,000人近くが死亡した」と述べた。
最新の公式死亡者数は1,000人未満である。
ナゴルノ・カラバフの自称当局は、9月27日以降、軍人874人と民間人37人が死亡したと発表している。
一方、アゼルバイジャン政府は民間人61人が犠牲になったと述べている。なお、軍人の死者数は公表していない。
プーチン大統領はアルメニアのニコル・パシニャン首相とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ首相と「絶え間なく」連絡を取り合っており、紛争に加担するつもりはないと述べた。
プーチン大統領はアゼルバイジャンを支援するトルコの行為に反対する一方、タイイップ・エルドラン大統領は「柔軟な政治化であり、ロシアにとって信頼できるパートナーだ」と語った。
トルコ政府は、要請があればアゼルバイジャンに兵士を派遣し軍事支援すると述べている。
プーチン大統領は紛争を終わらせるために、「ロシアと一致して動く」ようアメリカに呼びかけた。
アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、23日に両国の外相と会談する予定。
アメリカ、ロシア、フランスは、ナゴルノ・カラバフ紛争の停戦を要求しているOSCEミンスク調停グループの共同議長である。
ナゴルノ・カラバフの最新情報
10月9日、両国はロシアの仲介で停戦に合意したが、戦闘は続き、数百人が死亡したと伝えられている。
アゼルバイジャン政府は22日にいくつかの地域で戦闘が発生したと発表。アルメニア軍が3発の弾道ミサイルを発射したと非難した。なお、アルメニアはこれを否定している。
アルメニア政府も複数の場所での戦闘を報告、当局者はマルトゥニ（ナゴルノ・カラバフの町）と近くの村が砲撃されたと述べた。
アルメニアのニコル・パシニャン首相は声明の中で、「外交的解決策はない」と述べている。
【関連トピック】
・アルメニアとアゼルバイジャンの停戦合意は破綻し、民間人13人が死亡
・アルツァフ共和国（ナゴルノ・カラバフ共和国）について知っておくべきこと
