解雇されたミネアポリスの元警察官三人も罪に問われる

アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイド氏を殺害した容疑で「デレク・ショービン容疑者」が逮捕されてから数日。同容疑者に対する罪は第三級殺人から”第二級殺人”に引き上げられた。

3日、殺害現場に立ち会った元ミネアポリス警察の三人が告訴された。ミネソタ州上院議員のエイミー・クロブチャー氏はツイッターに、「今回の告訴は正義を遂行するための重要なステップ」とツイートした。

フロイド氏の死はコロナウイルスで疲弊しきったアメリカを分断。黒人に対する警察官の人種差別および常軌を逸した処刑行為が全米中に拡散され、マーティン・ルーサー・キング暗殺以来の巨大な抗議活動を引き起こした。

抗議活動は勢いを増し、規模を拡大しながら8日間連続で実施された。その大部分は平和的なものであったが、一部暴徒化した者たちが暴力や略奪行為に走り、これに対しトランプ大統領は「軍隊の出動も辞さない」と警告した。

ショービン容疑者の罪は第二級殺人に引き上げられ、来週初公判が開かれる予定である。そして、今回告発された元ミネアポリス警官「タウ・ザオ」「トーマス・レーン」「アレクザンダー・キューン」は、第二級殺人幇助と教唆の罪に問われるものと思われる。

フロイド家の弁護士を務めるベンジャミン・クランプ氏はBBCの取材に対し、「デレク・ショービン容疑者に対する罪は第一級殺人が妥当。現在調査を継続中で、新たな罪が加わるかもしれない」と述べた。

ミネソタ州法に基づく第一級および第二級殺人においては、「被告が被害者を意図的に殺害した」ことを証明する必要がある。なお、計画的であれば第一級殺人の適用が妥当。

第三級殺人は、被告が犠牲者の死を望んだという証拠を必要としない。意図せず被害者を死亡”させてしまった”場合に適用される(細かな条件は事件やその内容によって大きく異なる)。

ミネソタ州においては、第一級殺人であれば最高終身刑、第二級は最高40年、第三級は最高25年の刑に処される。

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世界の中心

3日、記者会見を開いたミネソタ州司法長官キース・エリソン氏は、「ジョージ・フロイド氏は生きるべきだったが、生きることを許されなかった。我々は事件に関するあらゆる証拠を集め、ミネアポリスの元警察官、デレク・ショービンに対する罪を第二級殺人に引き上げるべく、修正訴状を提出した。今手元にある証拠は、より強い告発を裏付けるものになると確信している」とコメントした。

逮捕状は三人の元警察官にも発効されており、起訴される予定だという。また同氏は、スピード感を重視しつつも、徹底かつ入念に調査を行わねばならないと付け加えた。

「殺人に対する裏付け、証拠集めを徹底する。我々は簡単に有罪を勝ち取れるとは思っていない。警察官に対する有罪判決事例が少ないことを忘れてはいけない。フロイド氏、家族、知人、友人、あらゆる人のために正義を追い求め、それが実現することを信じている」

過去、ミネソタ州の警察官に対する同種事件で有罪判決を勝ち取って検察官はわずか一人である。不当な差別を受けてきた黒人たちに対する不正義、それをもたらしたアメリカのルールに対し、エリソン氏は是正を求め、「法廷で証明できる行動に対し、我々は公正に責任を負わせる。検察官、法律の専門家たち、あらゆる人々が事実を収集し、正しい仕事が行われると確信している。ミネソタ州の警察官が起訴されなかった過去を忘れず、今回の事件では正義をもたらすために全力と尽くす」と述べた。

同日、マーク・エスパー国防長官は、陸軍第82空挺師団の配備計画を覆した。これにより、暴動の過熱する地域に軍隊が配備される計画はひとまず停止した。

国防長官は、「部隊は緊急かつ悲惨な状況下でのみ配備されるべき。我々はそのような状況下に置かれていない」とコメントした。

陸軍長官のライアン・マッカーシーはAPニュースの取材に対し、「ワシントンD.C.で待機している1,600人の兵士のうち、200人が3日早朝に出発する予定だった。国防長官に出動の停止を指示されたので、我々はそれに従う」と述べた。

これに対しホワイトハウスは、国防長官の対応を否定した。トランプ大統領のスポークスパーソンは、「エスパー国防長官は、”まだ”国防長官の任を受けている。しかし、彼は大統領の信頼を失った」とコメントした。

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