トランプ大統領／ＷＨＯに最後通告書（脅迫状）を送り付ける

コロナウイルス対応に失敗したＷＨＯと中国を痛烈に批判、最後通告書という名の脅迫状を送り付けた

トランプ大統領はＷＨＯに対し、「アメリカの支援金を恒久的に差し引く」と書かれた脅迫状をテドロス事務局長に送り付けた。

この書簡には、中国とＷＨＯに対する批判および体制の改善などが明記されている。そして、トランプ大統領の求める結果が30日以内に得られなければ、同国がＷＨＯに毎年提供している4億5,000万ドル（約480億円）の資金は大きく減額されるという。

18日PM、トランプ大統領はＷＨＯを「中国の傀儡（かいらい）」と呼び痛烈に批判。世界中に拡散されたコロナウイルスならびにそれに伴うパンデミックは、発生初期段階でその事実を隠蔽した中国政府と、当局に責任を負わせなかったＷＨＯにあると述べた。

18日に開幕したＷＨＯ年次総会の中でテドロス事務局長は、パンデミックにおける中国当局の初期対応および世界に向け発信したレビューを改めて支持、公正かつ独立した評価が適切なタイミングで成された、と述べた。

トランプ大統領は総会（オンライン会議）には出席せず、アレックス・アザー保険福祉長官が代理を務めた。アザー長官は、「中国とＷＨＯが初期段階でコロナウイルスを適切に扱わず暴走させた結果、多くの人命が失われた」と演説、当局とＷＨＯを批判した。

同日の晩、トランプ大統領は、改めてＷＨＯを批判し、テドロス事務局長に送り付けた最後通告書という名の脅迫状をツイッターで公開した。

・トランプ大統領／コロナウイルスは中国武漢研究所で誕生と断言
・トランプ大統領／ＷＨＯへの資金提供停止を発表
・コロナウイルス／冬来たる、が現実になる可能性

最後通告書

トランプ大統領は、12月に武漢でコロナウイルスの発生ならびにその事実を告発する医師の報道が拡散されたものの、当局とＷＨＯはそれを一貫して無視、事態を大幅に悪化させたと主張している。

最後通告書の主な内容は以下の通り。
●ＷＨＯは習近平国家主席の圧力に屈し、パンデミックの宣言を大幅に遅らせた。
●ＷＨＯはコロナウイルス発生の事実を隠蔽し、国際協力ならびに透明性を踏みにじった中国当局を賞賛した。
●中国国内で発生した人種差別、感染者に対する不当な扱いに対し、ＷＨＯは批判のコメントを発表しなかった。
●テドロス事務局長が、重症急性呼吸器症候群（ＳＡＲＳ）の感染拡大を防いだグロ・ハーレム・ブラントランド氏のように行動していれば、多くの人命を救うことができた。
●テドロス事務局長とＷＨＯが”良い仕事をしなかった”結果、世界はとてつもない代表を払わされることになった。
●ＷＨＯが前進できる唯一の方法は、中国からの独立を証明し、その事実を全世界に向けて発信すること。

トランプ大統領は、最後通告書が何を意味するかについてはコメントせず、ＷＨＯに対し、30日以内に「大幅な改善」を達成するよう要求した。

達成できなければ、既に述べた通り、同国が提供してきた資金の凍結は恒久的なものとなる。先月、トランプ大統領はＷＨＯへの資金提供を”一時停止（凍結）”すると発表した。ＷＨＯにとってアメリカは、世界最大のスポンサー国である。年度予算の約15％を同国から得ているため、それが恒久的に停止もしくは削減されれば、ＷＨＯの活動に甚大な影響を与えるだろう。

ＷＨＯ年次総会の最中に公開された最後通告書。194の加盟国がその成り行きを見守っている。なお、18日の総会はアザー長官と中国当局との攻防戦に支配された。

アザー長官は、改めて武漢研究所ならびにコロナウイルスへの対処方法を解明する現地調査を要求したが、当局はその申し出を突っぱねた。

19日、アメリカ国内の累計感染者数は150万人を超え、90,000人以上の死亡が確認された。