コロナウイルス／戦うインド、格の違いを見せつけたニュージーランド

崖っぷちに追い込まれたインド

首都デリーのアルビンド・ケジリワル首相は、市内の州立および市立病院への受け入れを、同市の居住者に限定すると発表した。この発表は州立病院が新規患者の受け入れを拒否している、という申し立てを受けた中で行われたものである。

厳格なロックダウンが功を奏し、デリー市内におけるコロナウイルス感染者数は比較的抑制されつつあった。しかし、ここ数日患者が急増しており、同市の累計感染者数は27,000人を突破、これまでに761人の死亡が確認された。

政府の専門家委員会はBBCの取材に対し、このまま増加傾向が続けば、デリー市内の感染者数は6月末までに100,000人を超えるだろうと述べた。

インド国内における厳格なロックダウンは、各都市の感染状況に応じた緩和措置を開始しており、一部地域ではショッピングモール、レストラン、寺院、企業が営業を再開した。

ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると、同国の累計感染者数は8日時点で256,611人、7,200人以上が死亡した。

デリーの州立および市立病院がコロナウイルス患者の受け入れを拒否している、という情報はソーシャルメディアで多数確認されている。

利用可能な病院を検索できる政府のスマートフォンアプリも混乱を引き起こす原因になった。デリーの州立および市立病院が軒並み”利用不可”と表示されるようになり、人々の動揺を招いたようだ。ある男性は母親を診療してもらうために4つの病院を回ったが、立ち入り自体を拒否されたという。

ケジルワル首相は記者会見で、「我々は政府の方針に従い、デリー市民が利用できるベッド10,000床を確保した。また、患者が急増した場合はホテルやその他の公共施設を病床として利用する可能性があるため、しばらくの間、それらの施設の営業を停止する」とコメントした。

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ニュージーランド

ニュージーランド政府は、国内で2週間以上新規感染者が報告されていない現状を鑑み、継続中だった各種規制のほとんどを解除した。

現地時間9日午前0時、同国全域に出されていた各種規制は最低レベルに移行した。これにより、社会的距離の確保は強制されず、全ての集会、スポーツ、ライブ、学校、仕事、葬儀、結婚式、公共交通機関が再開されることになった。ただし、国境の閉鎖は継続、社会的距離の確保も引き続き”奨励”される。

ジャシンダ・アーダーン首相は記者団に対し、感染者がほとんど報告されなかったことを喜び、”小躍りした”と語った。

「コロナウイルス発生以前の生活を完璧に取り戻すことはまだできていない。しかし、皆が健康と感染予防対策を徹底し、それに打ち勝つという強い決意を持って行動している。皆の力は経済再建の大きな力になるだろう」

「ウイルスとの闘いはまだ終わっていないが、規制を解除できたことは大変うれしい。皆さんのおかげです。ありがとう」と首相は述べた。

同国は3月25日にロックダウン措置を発動。4段階の規制措置を策定し、レベル4に移行した。このレベルでは、ほとんどの企業、学校などが閉鎖、国民は自宅待機を指示された。

約5週間後、政府は規制をレベル3に移行。テイクアウトの食料品店や一部の企業が仕事の再開を許可された。その後も感染者は減少し続け、5月中旬にレベル2へ移行した。

当初、レベル1への以降は6月22日に予定されていた。しかし、17日間連続で新規感染者が報告されなかったため、政府は予定を大幅に早め、規制をほとんど解除した。

国境の閉鎖はしばらく継続される予定である。また、国外から到着するニュージーランド人に対しても、引き続き14日間の厳格な隔離措置が求められる。

アーダーン首相は、「第二波は必ず発生する。新規感染者を抑えることはできたが、個人レベルの感染予防対策は継続しなければならない。9日からほとんどの制限が解除され、通常通り行動できるようになる。」と述べた。

ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると、同国における累計感染者数は1,154人、22人の死亡が確認されている。

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