11月に大統領選挙を控えた両雄、罵り合い(論戦)は過熱する

コロナ撃滅作戦失敗

アメリカ合衆国大統領「ドナルド・トランプ」と、次期大統領候補「ジョー・バイデン」。同国の運命を賭けた大統領選挙まであと6か月、両雄はコロナウイルスおよびコロナショックへの対処方法を中心に、熱い罵り合い(論戦)を繰り広げている。

バイデン氏は、トランプ大統領が保健当局の忠告を無視し、中国からウイルスを”輸入”したと激しく責め立てた。中国から訪れた者たちに対し、適切な検査を行わなかった結果が今である、と同氏は主張している。また、「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)を中国に派遣し、調査すべきだった」と付け加えた。

これに対しトランプ政権は、1月6日にアレックス・アザー健福祉長官が中国に対し、CDCチームの派遣を”申し出た”と反論した。

2月中旬、CDCの専門家2名が、世界保健機関(WHO)主体の”多国籍代表調査団”の一員として中国入りした。なお、CDCは数十年も前から中国に支社を配置し、担当者を常駐させている。

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中国旅行者の入国許可

1月31日、トランプ大統領は、2週間前以内に中国を訪れた(もしくは滞在した)者の入国を制限すると発表。規制は2月2日に発効された。

しかし、バイデン氏の広報チームは、2月2日の規制発動以降、約4万人の中国人旅行者がアメリカに入国したと主張。この意見に対しトランプ大統領は、帰国を望んだアメリカ市民の入国を許可しただけと反撃した。

この規制は、米国市民、法定居住者およびその者と密接な関係にある非米国市民には免除されている。ニューヨーク・タイムズ紙が期間中の入国者データを調査したところ、トランプ大統領が規制を発動してから2か月の間に、約4万人が中国から入国したことが判明した。

4万人の中に米港市民が何人いたかは分からない。トランプ大統領の主張する通り、免除された者だけが入国したと考えるべきかもしれないが、何らかの形で規制の網を潜り抜けた者がいる可能性も否定できない。

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中国で働くCDC職員が削減されていた

既に述べた通り、中国国内にはCDCの事務所が設けられており、そこの職員たちは数十年前から、中国国内の情報に精通していた。

バイデン氏は、「中国で働いていたCDC職員たちは、国内の情勢に精通しており、ウイルスやワクチンなどのあらゆる情報を入手していた。そこで働いていた44人以上のスタッフは全員プロフェッショナルである。しかしトランプ大統領は、事務所に4人しか残さなかった」と述べた。

CDCのウェブサイトによると、今年3月時点で中国事務所には計14人のスタッフが務めていた。このうち3人がアメリカ事務所から配置され、11人は現地採用した者たちだった。なお、前年のスタッフ数は47人。このうち8人がアメリカから、残りの39人は現地採用の者たちである。

さらにバイデン氏は、中国国内で活動するアメリカの専門家たちが役割を果たせていないと指摘した。「アメリカ政府は、自分たちの目と耳になる非常に優秀な職員たちを中国事務所に駐留させていた。彼らは全員プロであり、そこに彼らがいれば、中国国内の情勢をすぐに把握できただろう。トランプは優秀な職員たちをバックアップしなかった」

コロナウイルスが発生する以前、中国事務所で働いていた最後の”アメリカ人職員”が2019年に辞任した。その後、空席となったポストに新たな”アメリカ人職員”を当てなかったことは事実である。

3月22日、中国事務所の現状を質問されたトランプ大統領は、CDCに関するメディアの報道は100%間違っていると主張した。なお、記者会見に同席したCDCの管理者であるロバート・R・レッドフィールド氏は、「中国事務所は拡張されている」と述べたが、アメリカ人職員がいなくなったことについては言及していない。

バイデンは外国人嫌悪主義者

トランプ大統領は、バイデン氏を「狂っている」と指摘、中国からの入国を一切禁じようとする「外国人嫌悪主義者」と罵った。

中国からの入国が規制された2月2日、バイデン氏は「ドナルド・トランプのヒステリックな外国人嫌悪」と述べ、翌日、同様のメッセージをツイートした。

このコメントに対しバイデン氏陣営は、「規制に関して言及したものではなく、トランプ大統領の在籍期間中におけるあらゆる行い、記録(米国第一主義、メキシコの壁問題、移民排除問題など)について述べたものである」とコメントした。

バイデン氏本人も規制自体に反対することはなかった。ただし、「コロナウイルスの侵入を防止する目的ではなく、自分の保守的思想だけで規制を発動させれば、逆効果になるだろう」と述べている。

4月、バイデン氏は、政府が発動した入国禁止を全面的に支持、「科学(トランプではない)がそれを正しい行いと判断したので、私も全面的に支持する」と述べた。

これに対しトランプ大統領は、「バイデンは中国に対する規制への発言を訂正し、私宛に謝罪の手紙を書いた」とコメントしたが、バイデン氏陣営はこれを否定した。

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