東京オリンピックでの活躍が期待される日本人選手を紹介する。なお、個人的な主観で選んでいることをご理解いただきたい。2020年東京大会開幕までいよいよ200日を切った。日本代表選手は続々決まりつつあり、今なお激しい代表権争いが繰り広げられている。今回はアーチェリー他17競技の注目選手を紹介しよう。
※2020年3月25日、東京オリンピックおよびパラリンピックの1年延期が決定!
目次
1.アーチェリー
男子:武藤 弘樹
女子:杉本 智美
2.体操
男子:谷川 翔
女子:杉原 愛子
3.ボクシング
男子:岡澤 セオン
女子:入江 聖奈
4.カヌー
男子:足立 和也
女子:矢沢 亜季
5.馬術
男子:杉谷 泰造
女子:武田 麗子
6.フェンシング
男子:加納 虹輝
女子:青木 千佳
7.ホッケー
代表チーム(男女)
8.空手
男子:西村 拳
女子:山田 沙羅
9.ボート
男子:荒川 龍太
女子:山領夏実&上田佳奈子ペア
10.セーリング
男子:外薗 潤平
女子:高野 芹奈
11.射撃
男子:大山 重隆
女子:石原 奈央子
12.スケートボード
男子:堀米 雄斗
女子:四十住 さくら
13.スポーツクライミング
男子:楢崎 智亜
女子:野中 生萌
14.サーフィン
男子:五十嵐 カノア
女子:川合 美乃里
15.テコンドー
男子:本間 政丞
女子:岸田 留佳
16.トライアスロン
男子:古谷 純平
女子:佐藤 優香
17.ウエイトリフティング
男子:糸数 陽一
女子:三宅 宏実
アーチェリー(目次に戻る
『アーチェリー』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
1976 モントリオール | 道永 宏 | 個人 | 銀 |
2004 アテネ | 山本 博 | 個人 | 銀 |
2012 ロンドン | 古川 高晴 | 個人 | 銀 |
2012 ロンドン | 川中 香緒里 蟹江 美貴 早川 漣 | 団体 | 銅 |
アーチェリーは1900年パリ大会で初めて採用されたものの、1924年パリ大会以降は実姉を見送られていた。その後、1972年のミュンヘン大会で再び採用され、現在に至る。競技形態は多岐に渡るが、オリンピックの予選ラウンドでは「70mW/50mW」、決勝トーナメントでは「オリンピックラウンド」のルールにのっとり勝者を決める。国内競技人口は約12,000人、世界の競技人口は約500万。
【種目】
・個人(男子/女子)
・団体(男子/女子/ミックス)
武藤 弘樹
男子アーチェリーの『武藤 弘樹』は、W杯出場経験も持つ日本代表候補の一人だ。アーチェリーの選手は海外遠征の旅費などを自分で工面せねばならず、スポンサーがついていない大半の選手が必死に結果を出そうと努力しているという。アーチェリーは決して人気競技ではないものの、過去のオリンピックでは日本に貴重なメダルをもたらしており、東京大会での大活躍が期待される。
武藤などが臨んだ東京大会の代表1次選考会が2019年11月に実施され、武藤も2次選考に進むことが決定した。2次選考は2020年3月、最終選考が同年4月、そして、東京大会に出場する男女3名が決定する。全員頑張れと言いたいところだが、個人的には現役大学生の若さと勢いに期待したい。なお、同選手の趣味はアーチェリー、相棒は「弓」だという。日本のロビンフッドが2020年東京大会の切符をつかむことを願っている。
<まとめ>
◎趣味はアーチェリー。相棒は弓。
◎日本代表の最終選考は2020年4月。
選手名 | 武藤 弘樹(むとう ひろき) |
出場競技/種目 | アーチェリー |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年W杯団体2位など |
外部サイトへのリンク
<TOKYO2020 アーチェリー 公式ホームページ>
杉本 智美
女子アーチェリーの日本代表候補を争っている『杉本 智美』は、世界選手権やW杯などで結果を残し続けてきた期待の選手だ。同競技を始めたのは高校からで、その後メキメキと頭角を現し、全国高校総体などに出場、結果を残した。2019年に開催されたW杯上海大会では銀メダル(個人)、W杯コロンビア大会でも個人で銅メダルを獲得しており、日本の女子アーチェリー界をけん引する選手と言っても過言ではないだろう。
前述の武藤と同じく、杉本も2019年11月の代表1次選考会に出場し、2次選考に進むことが決まっている。毎日10時間以上弓を射るという「練習の鬼」が、2020年も最高の結果を出すことに期待したい。なお、杉本の身長は163cmと決して大柄ではないものの、アーチェリーはバランスがかなり重視される競技であり、身体が大きすぎると不利になる可能性が高い。集中力と鍛錬で補うことは十分可能だと思うが、安定した体制/ポジションを作りやすい身体は大きなプラス要素と言えるだろう。
<まとめ>
◎毎日10時間弓を射る「練習の鬼」。
◎アーチェリーは小柄な体形が武器になる。
選手名 | 杉本 智美(すぎもと ともみ) |
出場競技/種目 | アーチェリー |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年アジア大会混合金など |
外部サイトへのリンク
<ミキハウス スポーツクラブ 公式ホームページ>
体操(目次に戻る
『体操』の歴代メダリスト(抜粋)は以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2004 アテネ | 富田 博之他 | 団体 | 金 |
2008 北京 | 内村 航平 | 個人総合 | 銀 |
2012 ロンドン | 内村 航平 | 個人総合 | 金 |
2016 リオ | 内村 航平 | 個人総合 | 金 |
体操は1996年アテネ大会(第1回大会)から実施されている。当初は男子だけだったものの、1928年アムステルダム大会で女子競技としても採用、その後細かいルールの改定等を経て、2000年シドニー大会からはトランポリンも新種目に加わった。
体操の日本男子は、同競技としてはオリンピック史上最多(個人/団体)97個のメダルを獲得しており、、まさに「日本のお家芸」と言えるだろう。国内競技人口は約120,000人、世界の競技人口は約2200万人。
【種目】
・団体(男子/女子)
・個人総合(男子/女子)
・種目別ゆか(男子/女子)
・種目別あん馬(男子)
・種目別段違い平行棒(女子)
・種目別つり輪(男子)
・種目別平均台(女子)
・種目別跳馬(男子/女子)
・種目別平行棒(男子)
・種目別鉄棒(男子)
谷川 翔
『谷川 翔』は「体操王国ニッポン」が誇る令和時代の新エースである。なお、実兄の「谷川 航」も体操選手であり、世界選手権等でメダルを複数獲得、2020年東京大会では兄弟同時出場、ダブル表彰台、ワンツーフィニッシュも期待されている。絶対エース「内村 航平」の系譜を受け継ぎ、体操王国ニッポンが再び世界を制するには、谷川兄弟の力が欠かせない。
2016年リオ大会、日本代表は団体で金、個人総合でも内村が金メダルを獲得している。2020年東京大会で団体を連覇すれば、1964年東京大会以来の快挙、体操王国ニッポンの復活を全世界に印象付けるだろう。2004年アテネ大会で日本中を感動させた「栄光への架け橋」を再現するのは谷川(弟)以外に考えられない。「栄光への橋を架(翔)ける」、これ以上にピッタリの名前はないだろう。なお、体操の代表選手が内定するのは2020年春の予定である。
<まとめ>
◎令和時代の新エース。
◎栄光への橋を架(翔)ける男になってほしい。
選手名 | 谷川 翔(たにがわ かける) |
出場競技/種目 | 体操 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018、2019年全日本選手権個人総合優勝など |
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杉原 愛子
2020年東京大会では、体操女子日本代表にもメダル獲得の期待がかかる。1928年アムステルダム大会から始まった女子体操。女子日本代表のメダル獲得実績は、1964年東京大会の団体銅メダルのみである。世界の体操技術はヨーロッパやソビエト連邦(ロシア)が突出しており、苦しい戦いを強いられてきた。しかし、ここで紹介する『杉原 愛子』他女子日本代表は、2020年東京大会で素晴らしい結果を残してくれるはずだ。
2016年、高校一年生だった杉原はリオ大会に出場。女子団体4位という好成績を収める。団体での入賞は48年ぶりの快挙だった。その後も世界選手権等で好成績を残し、日本女子体操界を代表する選手に成長。現在は兵庫県の武庫川女子短期大学に通い、学業と競技を両立させている。
2020年東京大会でメダルを獲得すれば、54年前の大先輩(1964年東京大会の女子団体)に肩を並べるだけでなく、日本女子体操界の歴史を動かすことになる。なお、杉村の自慢の筋肉は「ハムストリングと臀筋(おしりの筋肉)」だ。
<まとめ>
◎日本女子体操界、54年ぶりのメダル獲得へ。
◎自慢の筋肉はハムストリングと臀筋(おしりの筋肉)。
選手名 | 杉原 愛子(すぎはら あいこ) |
出場競技/種目 | 体操 |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会/団体総合4位 |
主な戦績 | 2015年アジア選手権個人総合優勝など |
外部サイトへのリンク
<東京2020オリンピック NHK 公式ホームページ>
ボクシング(目次に戻る
『ボクシング』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
1960 ローマ | 田辺 清 | フライ級 | 銅 |
1964 東京 | 桜井 孝雄 | バンタム級 | 金 |
2012 ロンドン | 清水 聡 | バンタム級 | 銅 |
2012 ロンドン | 村田 諒太 | ミドル級 | 金 |
ボクシングの歴史は古く、古代ギリシャから広まったとされる。拳を交える「拳闘」は命を懸けた戦いであり、その歴史は現代に受け継がれ、1904年セントルイス大会で初めてオリンピックに採用。2012年ロンドン大会で女子の開催が決まり、2016年リオ大会で「プロ」の参加が解禁、現在に至る。なお、オリンピックではプロ仕様(3分×12R)ではなく、「3分×3R」形式を採用している。国内競技人口はアマを含めると約5,500人、世界の競技人口は不明。プロ、アマ、非合法等を含めると5000万人以上と言われている。
【種目】
男子
・フライ級(48kg~52kg)
・フェザー級(52kg~57kg)
・ライト級(57kg~63kg)
・ウェルター級(63kg~69kg)
・ミドル級(69kg~75kg)
・ライトヘビー級(75kg~81kg)
・ヘビー級(81kg~91kg)
・スーパーヘビー級(91kg超)
【種目】
女子
・フライ級(48kg~51kg)
・フェザー級(54kg~57kg)
・ライト級(57kg~60kg)
・ウェルター級(64kg~69kg)
・ミドル級(69kg~75kg)
岡澤 セオン
日本のボクシング界を引っ張る「井上 尚弥」や「村田 諒太」などに続く逸材が2020年東京大会出場を虎視眈々と狙っている。鹿児島県スポーツ協会に所属する『岡澤 セオン』は、2019年4月に開催されたアジア選手権で準優勝という素晴らしい結果を残した。日本人選手としては36年ぶりの快挙だった。そして同年11月に開催された東京大会のテストイベント(男子5階級、女子3階級)では、日本選手唯一の優勝を飾った。
日本ボクシング界はメダリストを多数輩出してきた。現ミドル級世界王者の村田も、2012年ロンドン大会で金メダルを獲得、そこから一気に頂点まで駆け上がった。山形県出身、中央大学を卒業した岡澤は、縁あって鹿児島県のジムに所属。ボクシング日本代表に選ばれれば同県史上初、国際大会でしっかり結果を残しているため、いやが上にも期待は高まる。ちなみに岡澤の父親はガーナ人、2020年東京大会の目標は金メダル以外あり得ないこと。
<まとめ>
◎2020年東京大会はステップアップの舞台。目指すは世界チャンピオン。
◎岡澤は山形県から鹿児島県に身一つで来た旅人。
選手名 | 岡澤 セオン(おかざわ せおん) |
出場競技/種目 | ボクシング/ウェルター級 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年全日本選手権ウェルター級優勝 |
外部サイトへのリンク
<岡澤セオン ツイッター>
五輪内定!
— Sewon 岡澤セオン (@5678243) March 11, 2020
一度負けても諦めず戦い抜けたのは、間違いなく沢山の方々の応援のお陰です!本当に有難うございました。
もっと強くなります!
待ってろ東京五輪🔥 pic.twitter.com/XWJC9CrYBT
入江 聖奈
『入江 聖奈』は、2020年東京大会を目指す女子ボクシング界の若手ホープの一人だ。2019年に高校を卒業し日本体育大学に入学した。高校時代には全国女子ボクシング選手権のシニアフェザー級で優勝するなどの戦績を残しており、東京大会以降もさらなる飛躍が期待される。日本の女子ボクシング界からオリンピックのメダリストが誕生すれば史上初、近年の飛躍ぶり(世界チャンピオンを複数人輩出)を見ると、メダル獲得は時間の問題に思える。
2019年12月、東京オリンピック選考予選の出場権獲得を争う大会が開催された。入江は見事フェザー級を制し、2020年2月に行われるアジアオセアニア予選の出場権を獲得、そこで東京大会への出場枠を確保すれば、日本代表入りが確定する。
日本の女子ボクシング界が狙うのはオリンピックの金メダルであり、入江ら女子選手にはボクシング協会からの期待、そして自国開催という重圧がかかる。しかし、これまでの苦しい鍛錬と努力、そして地の利と日本国民からの熱い応援が加われば、必ず結果は出る。なお、入江は2020年東京大会後に成人式を迎えるという。
<まとめ>
◎女子ボクシングでメダルを獲得すれば史上初の快挙。
◎代表選考は2020年2月以降に確定。入江ら日本選手の活躍に期待。
選手名 | 入江 聖奈(いりえ せな) |
出場競技/種目 | ボクシング/フェザー級 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年全国女子ボクシング選手権シニアフェザー級優勝 |
外部サイトへのリンク
<入江聖奈 ツイッター>
試合内容はともかく、なんとか決勝行けました!
— 入江聖奈 (@seeenaaa09) March 10, 2020
まさか決勝まで行けると思ってなかったですが、ここまできたら大和魂で頑張ってきます🙇♀️ pic.twitter.com/87N4dJCCrP
カヌー(目次に戻る
『カヌー』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2016 リオ | 羽根田 卓也 | スラローム カナディアンシングル | 銅 |
カヌースポーツがオリンピックに正式採用されたのは、1936年ベルリン大会からである。その後、1948年ロンドン大会で女子種目が、1972年ミュンヘン大会でスラロームが追加され現在に至る。種目は大きく分けると、ブレード(水かき)を片側だけで漕ぐカナディアン、両端で漕ぐカヤックの二つ。その中で距離、コース、シングル、ペア別などに細かく種目分けされている。国内競技人口はスラロームが約300人、スプリントが4,000人、世界の競技人口は約300万人。
【種目】
スラローム
・カヤック(シングル)(男子/女子)
・カナディアンシングル(男子/女子)
スプリント
・カヤックシングル 200m(男子/女子)
・カヤックシングル 1,000m(男子)
・カヤックシングル 500m(女子)
・カヤックペア 1,000m(男子)
・カヤックペア 500m(女子)
・カヤックファア 500m(男子/女子)
・カナディアンシングル 1,000m(男子)
・カナディアンシングル 200m(女子)
・カナディアンペア 1,000m(男子)
・カナディアンペア 500m(女子)
足立 和也
激流の中、決められたコースを突き進むカヌースラローム。同種目の日本代表に内定した『足立 和也』は、アジア大会、日本選手権複数回優勝などの実績を誇る。2019年10月に開催された国際大会で結果を残し、2020年東京大会の切符を獲得。あとは大会当日に向けての調整、鍛錬を行うのみである。なお、足立は外国人選手に追いつくことを優先し大学を中退。反骨精神あふれるブレード(水かき)さばきでメダル獲得を狙う。
日本選手の競技レベルは年々向上しており、2016年リオ大会で「羽根田 卓也」が史上初のメダルを獲得、自国開催となる東京大会ではさらなる飛躍が期待されている。足立は同種目では珍しい「日本製の艇」を使用しており、東京大会への想いは人一倍強い。
さらに大会組織委員会は、カヌースラロームを開催できる国内史上初の人口コール「カヌー・スラロームセンター」を新設、同種目への期待度の高さが窺える。なお、足立の座右の銘は「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」である。その意は「努力すれば必ず達成できる。達成できないのは努力が足りないからだ!」
<まとめ>
◎カヌースラローム(カヤック)で日本代表内定済み。
◎反骨精神、ハングリー精神で目指せ金メダル。
選手名 | 足立 和也(あだち かずや) |
出場競技/種目 | カヌースラローム/カヤックシングル |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2014年アジア大会優勝など |
外部サイトへのリンク
<足立和也後援会 フェイスブック>
矢沢 亜季
『矢沢 亜季』も前述の足立と同じく2020年東京大会への出場を既に決めている。2016年リオ大会にも出場しており、さらなる飛躍が期待される選手だ。これまでに日本選手権カヤックシングルを6度、カナディアンシングルは4度制し、2018年のアジア大会優勝、そして東京大会の選考レースでしっかり結果を残した。なお、同選手の兄「矢沢 一輝」もカヌー選手として2016年リオ大会に出場、善光寺大歓進の僧侶という肩書を持っている。
カヌースラロームのメダル(男女とも)はヨーロッパ選手の独占状態にある。競技人口が多く競争も激しいため、自ずと皆がレベルアップするのだろう。しかし、日本やアジア勢も確実に力をつけている。自国開催という大きなアドバンテージを活かし、メダルの奪取につなげてほしい。なお、矢沢の趣味は釣りとのこと。オフになると「釣りガール」に変身し、大物を釣り上げているようだ。2020年は「(めで)鯛」と一緒にメダルも釣り上げてほしい。
<まとめ>
◎カヌースラローム(カヤック)で日本代表内定済み。
◎釣りガール、2020年は鯛とメダルを釣り上げる。
選手名 | 矢沢 亜季(やざわ あき) |
出場競技/種目 | カヌースラローム/カヤックシングル |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会 |
主な戦績 | 2018年アジア大会優勝など |
外部サイトへのリンク
<東京2020オリンピック NHK 公式ホームページ>
馬術(目次に戻る
『馬術』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
1932 ロサンゼルス | 西 竹一 | 障害飛越個人 | 金 |
馬術競技がオリンピックに採用されたのは1900年パリ大会である。騎手/選手は自分の愛馬に騎乗し、障害物の設置されたコースを走るスピード、跳躍の正確さなどを競う「障害馬術」、ステップなどの美しさを審査される「馬場馬術」、障害と馬場にクロスカントリーコースを組み合わせた「総合馬術」の3種目でメダルを争う。そして、オリンピック種目としては非常に珍しい「男女が一緒に競う競技」でもある。
日本のメダル獲得数は1932年ロサンゼルス大会の1つのみ。国内競技人口は約6,000人、世界の競技人口は2,000万人超。なお、競馬のジョッキーは数に含まれない。
【種目】
馬場馬術
・個人
・団体
総合馬術
・個人
・団体
障害馬術
・個人
・団体
杉谷 泰造
『杉谷 泰造』は、長きに渡って日本の馬術界を牽引してきたレジェンドある。オリンピックには1996年のアトランタ大会から6大会連続出場を果たし、世界選手権等でも実績を残してきた。そして2019年12月、タイで開催されたアジア選手権で愛馬の「ヒロイン・デ・ミューズ号」に騎乗し個人優勝、2020年東京大会への準備は整いつつある。なお代表選手の発表はまだだが、ほぼ当確で間違いないだろう。
日本の馬術競技のメダル獲得実績は戦前にまでさかのぼる。軍人だった「西 竹一」が金メダルを獲得して以降、日本人のメダリストは誕生していない。当然ながら、馬術は人間だけでは成立しない競技だ。騎手の騎乗テクニックはもちろん、馬との信頼関係、コンディションなどが成績に直結する。
2020年東京大会、杉谷には自国開催という大きなアドバンテージがある。愛馬のヒロイン・デ・ミューズ号にメダルをかけてあげれば、二人の友情(愛情?)はさらに深まるだろう。なお、同馬の好きな食べ物はニンジン、杉谷の好物はお好み焼きである。
<まとめ>
◎夏季オリンピック6度出場は日本人史上最多。7度目の東京大会はメダル獲得に期待。
◎愛馬ヒロイン・デ・ミューズ号とのチームワークで最高の結果を目指す。
選手名 | 杉谷 泰造(すぎたに たいぞう) |
出場競技/種目 | 馬術 |
オリンピック出場実績 | 1996年アトランタ大会 2000年シドニー大会 2004年アテネ大会 2008年北京大会 2012年ロンドン大会 2016年リオ大会 |
主な戦績 | 1994年世界選手権出場など |
外部サイトへのリンク
<杉谷乗馬クラブ 公式ホームページ>
武田 麗子
前述の項で紹介した杉谷が代表を務める「杉谷乗馬クラブ」に所属する『武田 麗子』も、2020年東京大会馬術日本代表の有力候補である。オリンピックには2012年ロンドン大会、2016年リオ大会に2大会連続出場、アジア選手権などでの実績も十分で、女子選手の中では代表最有力候補といえるだろう。なお、2017年に結婚した夫の「大岩 義明」も馬術の選手で、オリンピックには2008年北京大会から3大会連続出場を果たしている。
馬術は全種目(馬場馬術/総合馬術/障害馬術)男女が一緒に競い合う。武田は障害、夫の大岩は総合馬術を専門としているため、夫婦そろって素晴らしい結果を上げれば言うことなしだ。武田は現在ドイツでトレーニングに励んでおり、2020年東京大会への強い意欲を見せている。まずは選考競技でさらに結果を残し、夫婦揃って代表権を手に入れてほしい。なお、2018年には長男が誕生、武田には「ママさんジョッキー」の肩書も加わった。
<まとめ>
◎妻は2大会連続、夫は3大会連続オリンピック出場を果たした馬術夫婦。
◎ママさんジョッキー武田の活躍に期待。
選手名 | 武田 麗子(たけだ れいこ) |
出場競技/種目 | 馬術 |
オリンピック出場実績 | 2012年ロンドン大会 2016年リオ大会 |
主な戦績 | 2010年アジア選手権障害飛越個人24位など |
外部サイトへのリンク
<日本オリンピック委員会 公式ホームページ>
フェンシング(目次に戻る
『フェンシング』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2008 北京 | 太田 雄貴 | フルーレ個人 | 銀 |
2012 ロンドン | 千田 健太他 | フルーレ団体 | 銀 |
フェンシングは、1896年アテナ大会から行われているヨーロッパ発祥の剣を使った競技である。同大会では男子のみの実施であったが、1924年に女子も採用、種目はフルーレ、エペ、サーブルの3つに分けられ、個人と団体でメダルを争う。なお、専用のマスク/防護面と服を装着し、全種目「1対1」、既定のポイントを先取した方が勝ちだ。国内の競技人口は約6,000人、世界の競技人口は1,000万人超、イタリアやフランスなどが強豪国として知られている。
【種目】
・フルーレ個人(男子/女子)
・エペ個人(男子/女子)
・サーブル個人(男子/女子)
・フルーレ団体(男子/女子)
・エペ団体(男子/女子)
・サーブル団体(男子/女子)
加納 虹輝
剣を使うフェンシング日本代表は、正真正銘の「侍JAPAN」、武士道一直線の兵(もののふ)たちである。ここで紹介する『加納 虹輝』は、現役大学生でありながら侍の肩書を持つ日本を代表する剣士だ。同選手は、2019年3月に開催されたW杯団体男子エペに出場、見事に優勝を果たした。これは日本史上初の快挙であり、団体での優勝は2011年の団体男子フルーレ以来だった。
フェンシングはイタリアやフランスなどのヨーロッパ勢が強く、メダルを独占してきた。しかし前述の通り、日本勢は2019年W杯優勝、オリンピックでも2008年北京大会以降、安定した成績を収めてきた。世界との実力差は確実に縮まっており、2020年東京大会で日々の鍛錬、成果が問われることになるだろう。
侍JAPAN、そして加納の武士道で、フェンシング日本代表の未来を切り開いてほしい。なお、日本代表選手の発表は2020年4月頃を予定している。最後に、加納の趣味は「映画観賞」、特技は「水泳」、好きな食べ物は「辛くない麻婆豆腐」とのこと。
<まとめ>
◎侍JAPANの剣士加納。W杯制覇など、実績は十分。
◎日本のフェンシング界はメキメキ実力をつけている。
選手名 | 加納 虹輝(かのう こうき) |
出場競技/種目 | フェンシング/エペ |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2019年W杯カナダ大会優勝など |
外部サイトへのリンク
<日本フェンシング協会 公式ホームページ>
青木 千佳
『青木 千佳』は、2016年リオ大会に出場した実績を持つ女剣士だ。さらにW杯、全日本選手権等にも複数回出場、しっかり結果を残しており、名実ともに日本の女子フェンシング界を代表する選手の一人である。しかし、日本の女剣士たちは世界と互角に戦える実力を有しており、代表権争いは過酷を極める。実績十分の選手でも、実力のある若手の台頭を許せば、代表権を失ってしまうだろう。
青木は2019年11月に開催された全日本選手権の決勝戦/女子サーブル個人で敗退、4度目の優勝を逃した。相手は現役大学生の「江村 美咲」で、オリンピック代表候補を争うライバルの一人だ。
大会を終えた青木は「焦りが出た」とコメントしている。それだけ選手間の競争が激しく、日本代表に選ばれるのは大変なのだろう。しかし、オリンピック前に負けたことで自分を見直す、精進することにつながれば、自ずと結果はついてくる。あとは自分を信じて刀/サーベルを握るのみだ。なお、青木の特技は「辛いものを我慢して食べること」である。
<まとめ>
◎日本女子フェンシング界は競争が激しい。
◎オリンピック前に負けたことは好材料。自分の弱点を見直し、精進すれば結果はついてくる。
選手名 | 青木 千佳(あおき ちか) |
出場競技/種目 | フェンシング/サーブル |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会 |
主な戦績 | 全日本選手権優勝3回など |
外部サイトへのリンク
<2019年度 国内ランキング 女子サーブル>
ホッケー(目次に戻る
『ホッケー』日本代表がメダルを獲得した大会は以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
1932 ロンドン | 男子日本代表 | - | 銀 |
ホッケーの起源は紀元前2000年頃の古代エジプトといわれている。なお、競技形式の発祥は19世紀頃のイギリスである。オリンピックでは「11対11」、1ラウンド15分の4クォーター制で勝敗を争う。手に持ったスティック以外でボールに触ることはできず、相手のゴールの前に設けられたサークル内から打ったシュートのみが得点として認められる。サッカーのようなロングシュートは認められず、オフサイドという概念もない(1996年のルール改定で廃止)。ちなみに、ホッケーと「クリケット」は良く似ているものの、ルールが大きく異なる。国内の競技人口は約30,000人、世界の競技人口はクリケットを含めると3億人超。
【種目】
・ホッケー(男子/女子)
代表チーム(男女)
ホッケーの日本での知名度はサッカーやバスケットボール、野球に比べるとかなり低い。しかし、世界の競技人口は3億人超、日本国内での知名度が低いだけであり、決してマイナースポーツではない。ここで紹介する『ホッケー日本代表チーム』は、2008年から男子が「さむらいジャパン」、女子が「さくらジャパン」を名乗っている。2008年北京大会でさくらジャパンが史上最高の5位入賞を果たし、注目を集めた。
男子は1932年ロンドン大会でホッケー史上唯一のメダルを獲得しており、2020年東京大会での活躍が期待されている。国際大会の戦績は男女とも豊富で、共にW杯、アジア大会等に出場、オリンピックでメダルを独占してきたヨーロッパ勢に対抗すべく実戦と練習に励んでいる。なお、男子代表には現役大学生、実業団選手、ホッケークラブなどで活動している者などから選抜、女子代表はホッケーの名門「天理大学」の選手が半数近くを占める。
日本では知名度の低いホッケーだが、組織委員会と日本ホッケー協会、そして選手たちは2020年東京大会に並々ならぬ想いを持っている。東京都大田区に新設された「大井ホッケー競技場」を見れば、選手たちにかけられている期待の大きさが分かるはずだ。さむらいジャパンがメダルを獲得すれば88年振り、さくらジャパンは史上初、両チームがスタジアムで躍動する姿を目に焼き付けよう。
<まとめ>
◎さむらいジャパン、さくらジャパンの活躍に期待。
◎W杯、アジア大会等での実績は十分。あとはヨーロッパ勢の牙城を打ち崩すのみだ。
選手名 | さむらいジャパン(男子) さくらジャパン(女子) |
出場競技/種目 | ホッケー |
オリンピック出場実績 | あり |
主な戦績 | サムライJAPAN/2018年アジア大会優勝など さくらJAPAN/2018年アジア大会優勝など |
外部サイトへのリンク
<日本ホッケー協会 公式ホームページ>
空手(目次に戻る
『空手』は東京オリンピックで初めて正式種目に採用された。世界選手権の歴代メダリスト(抜粋)は以下の通りである。
大会名 ※世界選手権 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2018 スペイン | 喜友名 諒 | 男子形 | 金 |
2018 スペイン | 宮原 美穂 | 女子組手-50kg | 金 |
2016 オーストリア | 清水 希容 | 女子形 | 金 |
2016 オーストリア | 荒賀 龍太郎 | 男子組手ー84kg | 金 |
空手は琉球王朝時代の沖縄で誕生した日本を代表する武道/武術である。己を極限まで鍛錬し、身体一つで戦う武道はスポーツ競技に発展、世界中に広まった。空手の種目は「組手」と「形(かた)」に分けられる。前者は1対1のポイント制、後者は一人で演武し形の美しさ、キレなどで採点、勝者が決まる。なお、空手は東京オリンピックで初採用された新種目であり、日本勢のメダルラッシュが期待されている。
【種目】
組手男子
・67kg級
・75kg級
・75kg超級
組手女子
・55kg級
・61kg級
・61kg超級
形
・形(男子/女子)
西村 拳
空手道を極めるために生まれてきた漢(おとこ)『西村 拳』は、2020年東京オリンピックでの大活躍が期待される「空手道界のプリンス」である。同競技は東京大会で初めて採用、2024年パリ大会では実施されないことが決まっているので、日本は何が何でも複数個の金メダルを奪取したい。なお、西村の父親「西村 誠司」は空手の元世界チャンピオン、全日本選手権やアジア大会、W杯などを15回以上制した空手界のレジェンドである。
西村は組手75kgの選手として、世界選手権、アジア大会、全日本選手権などに出場、素晴らしい戦績を残している。東京大会への出場が決まれば、あとは強豪国への対策を練るだけだろう。その中でもロシア、ブルガリア、フランスは世界トップクラスの実力者を有しており、勝つのは簡単ではない。しかし、西村他の日本代表候補者たちは、自国開催の誇り、そして自国生まれの武道への誇りを胸に戦う。空手道界のプリンスが「武道界の覇者」になることを期待したい。
<まとめ>
◎空手は2024年パリ大会では行われない。メダル奪取は日本空手界の悲願である。
◎ロシア、ブルガリア、フランスは超強豪国である。西村他日本代表候補選手の活躍に期待。
選手名 | 西村 拳(にしむら けん) |
出場競技/種目 | 組手/75kg |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年世界選手権代表など |
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<全日本空手道連盟 公式ホームページ>
山田 沙羅
神武拳少林流に属する『山田 沙羅』は、小中高大学時に全日本選手権を全て制した空手界のエリート女子である。現在は大正大学に勤務しつつ空手の鍛錬に明け暮れており、2016年の世界選手権で銅メダルを獲得するなど、素晴らしい戦績を挙げてきた。2020年の東京大会での活躍と飛躍が期待される女子空手界のホープだ。なお、日本の女子空手界の実力は拮抗しており、代表権獲得はオリンピックでメダルを取る以上に難しいと言われている。
実力者揃いの日本女子空手界は、「金メダル獲得が至上命令」という厳しいプレッシャーの中で戦わねばならない。さらに、ロシアやブルガリアなどのヨーロッパ各国もかなりの力をつけており、油断すれば足元をすくわれかねない。しかし、山田は「休暇は不要。時間があれば鍛錬」を継続する練習の鬼であり、東京大会でも圧倒的な勢いで金メダルかっさらってくれる可能性が高い。
まずはメダル獲得以上に厳しい日本代表に選ばれることが先決だろう。2020東京大会、空手界のエリート女子が大暴れすることを期待したい。
<まとめ>
◎山田はヒマがあれば鍛錬に明け暮れるエリート空手女子。自分に勝てば結果は勝手についてくる。
◎空手女子の代表権獲得競争は厳しい。金メダル獲得は至上命令。
選手名 | 山田 沙羅(やまだ さら) |
出場競技/種目 | 組手/55kg級 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2016年世界選手権銅メダル他 |
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<全日本空手道連盟 公式ホームページ>
ボート(目次に戻る
『ボート』はオリンピックでのメダル獲得実績がない。ここでは、世界選手権の歴代メダリストを紹介する。
大会名 ※世界選手権 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2019 オーストリア | 富田 千愛 | 女子軽量級 シングルスカル | 銀 |
2009 チェコ | 中野 紘志 | 男子軽量級 舵手無しフォア | 銀 |
ボート競技は男子が1900年パリ大会、女子は1976年モントリオール大会から正式種目として採用された。種目はオール(水かき)を1人1本ずつ持つ「スカル」と、1人2本、それぞれが両手に持って漕ぐ「スウィーブ」に分けられ、シングル、ペア、エイト(8人)で勝敗を競う。選手の重量に制限を設けた「軽量級」も含めると、オリンピックで行われるボート競技は14種目である。国内の競技人口は約20,000人、世界の競技人口は4000万人。なお、その他のボート競技(ドラゴンボートなど)を含めた競技人口は2憶~3憶人。
【種目】
・シングルスカル(男子/女子)
・舵手なしペア(男子/女子)
・ダブルスカル(男子/女子)
・舵手なしフォア(男子/女子)
・クオドルプルスカル(男子/女子)
・エイト(男子/女子)
・軽量級ダブルスカル(男子/女子)
荒川 龍太
ボート競技には「開催国枠」がなく、日本は自力で出場権を獲得する必要がある。種目ごとに出場枠が決められており、世界ランクの上位に入らなければならないのだ。ここで紹介する『荒川 龍太』は、日本ボート界の希望として2020年東京大会への出場が期待されている。なお、荒川はシングルスカルで一定のランクを維持しているものの、他の選手は苦しい戦いを強いられている。
ボート競技というと腕力、体力、欧州勢が強いというイメージがある。しかし同じアジア勢、中国の台頭を見れば、腕力や体力を「技術とチームワーク」で補えることは確かだ。日本代表選手候補は、さらなる技術とチームワークの向上に努めており、「自国開催」の誇りと名誉をかけて日々鍛錬に励んでいる。荒川が日本ボート界の希望として出場権獲得大会で輝きを放てば、他の選手もそれに倣うと信じている。なお、荒川はNTT東日本に所属、好きな食べ物はラーメンである。
<まとめ>
◎ボート競技には開催国枠がない。世界選手権等で結果を残せば、出場枠を獲得できる。
◎日々の鍛錬と技術、チームワークの向上がオリンピック出場のカギ。
選手名 | 荒川 龍太(あらかわ りゅうた) |
出場競技/種目 | ボート/男子シングルスカル |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年アジア大会銅メダルなど |
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<NTT東日本 公式ホームページ>
山領夏実&上田佳奈子ペア
前述の荒川と同じく、女子軽量級ダブルスカルの『山領夏実&上田佳奈子ペア』も2020年東京大会の出場権を世界の強豪選手と争っている。同種目の出場権を得るには、世界ランキングの上位12か国に入らねばならない。同ペアは5位、6位を確保できる公算が大きいものの、上位国の実力は拮抗しており、油断はできない状況だ。しかし、東京大会への出場権を得られればメダルに手が届くかもしれない。
実力伯仲であれば混戦になる可能性が高い。山領上田ペアは2019年W杯決勝でも5位に食い込んでおり、日本女子ボート界に初のメダルをもたらす可能性は十分に考えられる。世界選手権に出場する日本選手たちは厳しい練習に励み、日の丸を背負って戦う。なお、女子軽量級ダブルスカルには同ペアと一緒に「冨田 千愛&大石 綾美ペア」も出場することが決まっている。2組同時に出場権を得れば東京大会での上位進出の可能性はさらに高まるため、ぜひ切符を奪取してほしい。
<まとめ>
◎女子軽量級ダブルスカルの出場権は世界ランキングの上位12か国に与えられる。
◎同種目の実力は拮抗している。山領上田ペア、そして富田大石ペアの活躍に期待。
選手名 | 山領 夏実(やまりょう なつみ) 上田 佳奈子(うえだ かなこ) |
出場競技/種目 | ボート/女子軽量級ダブルスカル |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2019年W杯5位など |
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<日本ボート協会 公式ホームページ>
セーリング(目次に戻る
『セーリング』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2004 アテネ | 関 一人 轟 賢二郎 | 男子470級 | 銅 |
1996 アトランタ | 重 由美子 木下アリーシア | 女子470級 | 銀 |
2000年シドニー大会でヨット競技はセーリング競技と名を改めた。同競技の歴史は古く、1900年パリ大会から行われている。種目は艇種、男女別、男女混成と細かく分けられており、東京オリンピックでは10種目でメダルが争われる。セーリングでは、自然との闘い(波の高さ、潮の流れ、風の向きと強さ)を制さねばならず、体力だけで勝ち抜くことはできない。経験、勘、度胸などの要素も大きく勝敗に左右する競技である。国内の競技人口は10,000人、世界の競技人口は2,000万人超。
【種目】
・RS:X(男子/女子)
・レーザー級(男子)
・レーザーラジアル級(女子)
・フィン級(男子)
・470級(男子/女子)
・49er(男子)
・49erFX級(女子)
・フォイリングナクラ17級(混合)
外薗 潤平
『外園 潤平』は、セーリング男子470級の日本代表に内定している。同選手は艇の帆を操る「クルー」、相棒の「岡田 奎樹」が指示を出し舵を操る「スキッパー」を務める。日本セーリング界は男子470級および女子470級でメダルの獲得実績があり、東京大会での活躍が期待されている。なお、日本代表チーム「日の丸セーラーズ」に召集されている選手たちは大学生/社会人(実業団)/クラブチームなどに所属している。
セーリングには男女混成で行われる種目がある。体力や腕力ももちろん大切だが、それ以上に波の高さや潮の流れ、風の向きと強さを読む技術が重要で、男女の実力差に開きが出ない/出にくいためだ。セーリングはヨーロッパ勢、アメリカ、オーストラリアが特に強い。しかし、日本代表も2004年アテネ大会で初めてメダルを獲得、上位に食い込む実力をつけた。
外園岡田組は2018年のW杯で優勝、世界と互角に戦えることを証明しており、東京大会では「金メダルを獲る」と断言している。なお、外園は「JR九州」所属で、鉄道の車掌を務めた経歴をもつ。岡田は「トヨタ自動車」の所属選手だ。
<まとめ>
◎外園岡田組はセーリング男子470級の日本代表に内定済み。
◎W杯優勝の実績あり。世界の壁は高いが、日の丸セーラーズはその壁を越えていく。
選手名 | 外園 潤平(ほかぞの じゅんぺい) |
出場競技/種目 | セーリング/男子470級 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年W杯金メダルなど |
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<日の丸セーラーズ 公式ホームページ>
高野 芹奈
『高野 芹奈』は49erFX級の日本代表に内定、相棒の「山崎 アンナ」と共に「セーリングのF1」の異名を持つ同種目で世界と戦うことが決まった。なお、49erFXは2016年リオ大会、男子の操る49erは2000年シドニー大会で採用されたオリンピック種目最速のスピード艇である。高野山崎組は、2019年12月に開催された世界選手権で日本代表の選考規定を満たした。2020年2月にも世界選手権が予定されており、世界との実力差を埋めるべく大会に備えている。
49er/49erFXは体力や腕力以上に「チームワーク」が重要だといわれている。艇が軽く波や風の影響を受けやすいため、「クルー(帆の操作)」と「スキッパー(指示と舵)」の息が合わないとタイムロスにつながるためだ。同種目でメダルを獲得すれば日本初、舞台は1964年東京大会でセーリング用に整備された「江の島ヨットハーバー(神奈川県)」、高野山崎組には自国開催という地の利がある。出場国の艇の性能に大きな差はない。二人の努力が実を結び、最高の結果がもたらされることを期待したい。
<まとめ>
◎49erFXはクルーとスキッパーのチームワークが重要。
◎出場国の艇の性能に大きな差はない。高野山崎組のチームワーク、鍛錬の成果が発揮されることに期待。
選手名 | 高野 芹奈(たかの せな) |
出場競技/種目 | セーリング49erFX級 |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会 |
主な戦績 | 2016年リオ大会20位など |
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<高野芹奈後援会 公式ホームページ>
射撃(目次に戻る
『射撃』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
1984 ロサンゼルス | 蒲池 猛夫 | 男子25mピストル | 金 |
1960 ローマ 1964 東京 | 吉川 貴久 | 男子50mピストル | 銅 銅 |
1992 バルセロナ | 木場 良平 | 男子50mライフル | 銅 |
1988 ソウル | 福島 實智子 | 女子25mピストル | 銀 |
射撃競技は1896年のアテネ大会から実施されている。選手/ガンマンは、一定の距離に設置された専用の的に実弾を放つ。的の中心部を打ち抜くには強靭な精神力が必要とされることから、メンタルによって勝敗が左右するスポーツと言われている。個人での銃所有を認められている米国が圧倒的に強く、歴代メダル獲得数は他国を圧倒、全米ライフル協会もニンマリだ。国内の競技人口は120,000人、その多くが警察もしくは自衛隊関係者である。世界の競技人口は約500万人。
【種目】
・50mライフル 3姿勢個人(男子/女子)
・10mエアライフル(男子/女子/混合)
・25mピストル個人(女子)
・10mエアピストル(男子/女子/混合)
・トラップ(男子/女子/混合)
・スキート(男子/女子)
大山 重隆
2020年東京大会の射撃競技は、埼玉県と東京都にまたがる「陸上自衛隊朝霞(あさか)駐屯地/訓練所」で行われる。クレー射撃/トラップで日本代表に内定した『大山 重隆』は同県出身/在住であり、大会にかける想いは強い。なお、クレー射撃/トラップは「射撃競技の原点」といわれており、「アメリカントラップ」という種目から「オリンピックトラップ(オリンピックルール)」に発展した。
トラップは、15m離れた地点に設置された放出口から飛び出すクレーを撃つ競技である。1枚のクレーに対して2発まで発砲することが許されており、どちらかの弾が当たれば点数が加算される。選手に求められるのは技術、体力、精神力、集中力、そしてそれらを上手くコントロールするバランス力である。
大山は21歳から同競技を始め、2020年東京大会でついに代表権を獲得した。優秀な現役警察官や自衛隊員が代表を争う中、いち会社員の大山が努力に努力を重ね代表権を獲得したことは本当に素晴らしい。銃大国アメリカの牙城を打ち崩す活躍を期待したい。
<まとめ>
◎射撃はメンタルのスポーツ。体力や技術も大切だが、重圧を乗り越える心がなければ勝てない。
◎競技の行われる朝霞駐屯地は大山の地元埼玉県。県民も大活躍を期待している。
選手名 | 大山 重隆(おおやま しげたか) |
出場競技/種目 | クレー射撃/トラップ |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2012年アジア選手権銀メダル他 |
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<日本ライフル射撃協会 公式ホームページ>
石原 奈央子
『石原 奈央子』は、2019年11月に行われたアジア選手権で好成績を残し、クレー射撃/スキートの日本代表に内定した。2016年リオ大会に続いての出場であり、メダル獲得の期待がかかる。石原の地元は栃木県、実家は鹿沼市にある「古峯神社」、同選手はそこで神主を務めている。石原の父もクレー射撃の元選手で、オリンピックに出場できるほどの実力者だった。
射撃一家に生まれた同選手は、神職としての仕事もこなしつつ鍛錬に励み、見事東京オリンピックの切符をつかんだ。石原は現在41歳、射撃の世界では中堅層に分類される。ただし、同競技に年齢制限はなく、60歳近い選手がメダルを獲得することも多い。経験を重ねるほど落ち着き、安定感が増すためかもしれない。なお、クレー射撃/スキートはトラップと良く似ているが、「選手の射撃位置が1クレーごとに変わる」ため、難易度が高いといわれている。神主石原に神のご加護がありますように。
<まとめ>
◎石原は古峯神社の神主を務め、父もクレー射撃の元選手。
◎射撃に年齢制限はない。経験で得られる落ち着き、安定感は同競技を勝ち抜く最強の武器。
選手名 | 石原 奈央子(いしはら なおこ) |
出場競技/種目 | クレー射撃/スキート |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会 |
主な戦績 | 2018年アジア選手権7位など |
外部サイトへのリンク
<古峯神社 公式ホームページ>
スケートボード(目次に戻る
『スケートボード』は東京オリンピックで初めて正式種目に採用された。世界選手権の歴代メダリスト(抜粋)は以下の通りである。
大会名 ※世界選手権 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2019 サンパウロ | 岡本 碧優 | 女子パーク | 金 |
2018 中国 | 四十住 さくら | 女子パーク | 金 |
スケートボードを使ってトリックを披露する「スケートボーディング」は、2020年東京大会から正式種目として採用された。種目は「パーク」と「ストリート」の2つに分類され、前者は複雑な「窪地形状」のエリアをボードで疾走、エアトリックの高さ、難易度、完成度などが審査/採点される。後者は街中にある手すりや段差をイメージしたコースを走り、スピード、トリックの難易度、完成度、全体の流れ等の項目で採点、勝敗が争われる。国内の競技人口は約3,000人(愛好者を含めると100万人超)、世界の競技人口は約1,000万人(愛好者込みで1億~2億人)。
【種目】
・パーク(男子/女子)
・ストリート(男子/女子)
堀米 雄斗
2020年東京大会で採用された新競技「スケートボード」は、アメリカで圧倒的な人気を誇り、同国の選手がメダルの筆頭候補といわれている。ここで紹介する『堀米 雄斗』は、単身アメリカに渡り、スケートボード界を席巻しつつある天才スケートボーダーだ。同選手は、数十億円規模の賞金を争う世界最高峰のプロリーグに身を置き、アジア勢として大会初優勝を飾り、さらに3連覇を達成、世界選手権の出場権も手に入れた。
スケートボードの日本代表はまだ発表されていないものの、世界最高峰のプロリーグで戦い、日本人初の偉業を達成、金メダルの筆頭候補に挙げられる堀米の当確はほぼ間違いない。あとはトリックに磨きをかけつつ、本番に向けて結果を残し続けるだけだ。なお、同選手は1年間に4回骨折した経験を持つ。しかし、「骨折はまだ6回しかしていない」と全く意に介さず、競技に没頭するタフネスな選手でもある。
東京大会前のケガは避けてほしいが、「前向きな姿勢」とケガに臆せず日々練習を重ねる根性があれば、メダル獲得は間違いない。2020年、堀米は世界を代表するスケートボーダー、金メダルの筆頭候補として、東京オリンピックの舞台で躍動する。
<まとめ>
◎堀米は世界最高峰のプロリーグで戦っており、東京大会の金メダル筆頭候補の一人。
◎ケガに臆せず競技/練習を行うタフネスは選手。
選手名 | 堀米 雄斗(ほりごめ ゆうと) |
出場競技/種目 | スケートボード/スチリート |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 世界最高峰のプロリーグでの優勝経験など |
外部サイトへのリンク
<STREET LEAGUE2019 公式ホームページ>
四十住 さくら
和歌山県内に高校に通う現役女子高生の『四十住 さくら』は、日本選手権、アジア大会、世界選手権での優勝経験、複数のスポンサーもつく日本を代表するトップスノーボーダーだ。日本女子スケートボート界はレベルが非常に高く、10代の有力選手が多い。四十住はお椀型のエリアを滑走しトリックの難易度や精度、高さなどを競う「パーク」の選手で、ライバルには同く日本代表を争う13歳の「岡本 碧優」などがいる。日本の代表枠は4人なので、四十住と岡本が代表入りすることはほぼ間違いないだろう。
日本代表の実力、実績を考えると、東京大会でのメダル独占も現実味を増す。しかし、アメリカを筆頭に世界のレベルもかなり拮抗しており、一つのミスが致命傷になりかねない。2020年東京大会も10代の有力な選手たちが世界の頂点を争う厳しい戦いになるといわれている。なお、四十住の目標は「金メダルを母にプレゼントすること」。和歌山市内から練習拠点の大阪に片道3時間かけて送り迎えしてくれる恩を返すためだという。
<まとめ>
◎日本女子スケートボード界のレベルは世界でもトップレベル。
◎四十住の目標はお世話になっている母に金メダルをプレゼントすること。
選手名 | 四十住 さくら(よそずみ さくら) |
出場競技/種目 | スケートボード/パーク |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年世界選手権優勝など |
外部サイトへのリンク
<株式会社ベンヌ 公式ホームページ>
スポーツクライミング(目次に戻る
『スポーツクライミング』は東京オリンピックで初めて正式種目に採用された。世界選手権の歴代メダリスト(抜粋)は以下の通りである。
大会名 ※世界選手権 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
1999 | 平山 ユージ | 男子リード | 銀 |
2016 2019 | 楢崎 智亜 | 男子ボルダリング | 金 金 |
2018 2019 | 野口 啓代 | 女子ボルダリング | 銀 銀 |
スポーツクライミングは、2020年東京大会で初めて採用されることが決まった新競技である。ヨーロッパで登山が行われるようになった1950年代から「フリークライミング」という言葉が認知され始め、競技形式に変化を遂げ、現在に至る。種目は「スピード」「ボルダリング」「リード」の3つ。スピードは文字通り登る早さを、ボルダリングは難易度の高い人口の壁を制限時間内にいくつ登れるか、リードは12mの壁を6分以内にどこまで登れるかを競う。国内の競技人口は愛好者込みで600,000人、世界の競技人口は3,500万人と言われている。
【種目】
・スピード個人(男子/女子)
・ボルダリング(男子/女子)
・リード個人(男子/女子)
楢崎 智亜
スポーツクライミングも2020年東京大会から採用される新競技である。フリークライミングという技術/競技はヨーロッパで登山が行われるようになった1950年代に確立され、今では人工の壁を登るスピードなどを競うスポーツに進化を遂げた。日本代表に内定済みの『楢崎 智亜』は、東京大会の金メダル最有力候補、「ニンジャ」の異名を持つ天才フリークライマーである。プロに転向した2014年から結果を残し続け、2016年にはW杯のボルダリングで総合優勝を達成。同年に開催された世界選手権のポルダリングで、日本人として初めて金メダルを獲得した。
2019年にはW杯、世界選手権の2冠を達成。特に世界選手権では、スピード、ボルダリング、リードの3種目を行う「複合」を圧倒的な強さで制し、正真正銘の世界チャンピオンになった。なお、日本人選手が世界選手権の複合で金メダルを獲得したのは初。楢崎の目標は、東京大会で「個人3冠」を達成することだという。日本のニンジャは、自分の記録/限界を超えること以外眼中にない。重圧をはねのけ、誰もたどり着いたことのない境地を目指す。
<まとめ>
◎楢崎は世界チャンピオンとして東京大会に出場する。
◎個人3冠を達成すれば、日本のニンジャは世界のニンジャになる。
選手名 | 楢崎 智亜(ならさき ともあ) |
出場競技/種目 | 複合 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2019年W杯総合優勝など |
外部サイトへのリンク
<日本山岳・スポーツクライミング協会 公式ホームぺージ>
野中 生萌
日本女子スポーツクライミング界の競争は激しい。ここで紹介する『野中 生萌』は、2018年W杯で総合優勝を達成し、東京大会でも活躍が期待される女子クライマーの一人だ。2019年8月に開催された世界選手権では肩のケガが原因で5位という不本意な成績に終わったものの、代表枠をかけ現在も練習に励んでいる。なお、同大会で銀メダルを獲得した「野口 啓代」が日本代表に内定したことで、代表枠は残りひとつとなった。
野口と野中の戦績は素晴らしく、世界のトップを争い続けてきたライバルでもある。しかし、野中の後ろには他の選手も追随しており、戦績/実績だけで日本代表の内定を確保することはできない。2020年5月に開催される選考会/ジャパンカップで結果を出さねばならず、厳しい戦いはまだまだ続きそうだ。
東京出身の野中は、地元(自国)で開催される東京オリンピックに並々ならぬ想いを持っている。強靭な腕力と体感で壁をつかむように、代表権をその手でつかみ取ってほしい。
<まとめ>
◎野中の戦績(2018年W杯の総合優勝など)は文句のつけようがない。
◎日本女子スポーツクライミング界の競争は激しい。2020年5月のジャパンカップで代表枠が争われる。
選手名 | 野中 生萌(のなか みほう) |
出場競技/種目 | 複合 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年W杯総合優勝など |
外部サイトへのリンク
<野中生萌 公式ホームページ>
サーフィン(目次に戻る
『サーフィン』は東京オリンピックで初めて正式種目に採用された。世界選手権の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 ※世界選手権 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2018 日本 | 五十嵐 カノア | 個人 | 銀 |
2018 日本 | チームJAPAN | 団体 | 金 |
サーフボードを使って波に乗るサーフィンも、2020年東京大会からの新競技である。世界中で支持されているウォータースポーツであり、世界中のサーファー/波乗りが集結し華麗な技を競う。なお、競技は千葉県の「釣ヶ浜海岸」で行われる予定だ。種目は「ロングボート」と「ショートボード」に分けられ、東京大会では後者のみが実施されることになった。難易度、テクニック、創造性、スピードなどによって採点され、同大会では男女20名がメダルを争う。国内の競技人口は愛好家も含めると250万人、世界の競技人口は約3,500万人。
【種目】
・ショートボード個人(男子/女子)
五十嵐 カノア
『五十嵐 カノア』はカリフォルニア州生まれの日本人サーファーである。ちなみにハーフではなく、生粋の日本人だ。3歳からサーフィンを始め、6歳の頃にはスポンサーが11社もついていたというから驚きである。ジュニアのツアーや大会等で実績を残し、2016年には日本人選手として初めて「チャンピオンシップツアー」の資格を獲得。なお、同ツアーは世界ランキング上位の者しか参戦を許されず、サーフィン界の頂点を決める大会が複数回行われる。
2019年、五十嵐は東京オリンピックの出場権を獲得した。東京大会の出場枠は男女合わせて40名と非常に少なく、各国最大2名までと決まっている。チャンピオンツアーシップなどのランキングが考慮された結果だった。なお、五十嵐はアメリカ国籍も持っているものの、日本代表として東京オリンピックに出場すると表明、金メダルを獲り「表彰台の上で噛む」と力強く語った。
アメリカ代表を選べば、日本サーフィン界にとっては大きな痛手だったので、これ以上に素晴らしいことはない。あとは100mの世界記録保持者「ウサイン・ボルト」のように金メダルを噛むパフォーマンスを披露するだけである。
<まとめ>
◎五十嵐は日本サーフィン界のエース。代表権は獲得済みである。
◎東京オリンピックには日本代表として出場。
選手名 | 五十嵐 カノア(いがらし かのあ) |
出場競技/種目 | サーフィン |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2019年チャンピオンツアーシップ優勝など |
外部サイトへのリンク
<World Surf League>
川合 美乃里
五十嵐カノアの項で紹介した通り、2020年東京大会への出場権を得るには、世界最高峰の舞台「チャンピオンツアーシップ(CT)」に参戦するなどして、世界ランキングの上位に入る以外手はない。しかし、日本は開催国のアドバンテージとして出場選手枠を与えられており、2020年5月に開催される「ジャパンオープンサーフィン」、世界選手権等の結果で日本代表が選出される予定だ。
『川合 美乃里』は日本代表候補の一人、2016年には史上最年少で日本女子サーフィンの年間王者になった実力の持ち主である。現在はCTへの挑戦に向け、2次リーグ(QS)の大会を転戦、日本人女子として初めてQS主催の大会で優勝を果たした。なお、川合が東京大会への出場権を獲得するには、2020年の大会で結果を残すしかない。サーフィンも他の競技と同じく、強靭なメンタルを要求される。大会は1発勝負、失敗しても再チャレンジは許されない。男女1枠ずつの代表が発表されるのは2020年7月を予定している。
<まとめ>
◎素晴らしい戦績を持つ川合でも、日本代表に選ばれるのは至難の業。
◎川合の目標はCTへの参戦と優勝。頂点を目指し自己研鑽に励めば、東京大会への扉は開ける。
選手名 | 川合 美乃里(かわい みのり) |
出場競技/種目 | サーフィン |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2016年JPSAグランドチャンピオン |
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<日本サーフィン連盟 公式ホームページ>
テコンドー(目次に戻る
『テコンドー』の歴代メダリストは以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2000 シドニー | 岡本 依子 | 女子67kg級 | 銅 |
韓国発祥の格闘技「テコンドー(跆拳道)」がオリンピックの正式種目になったのは2000年のシドニー大会からである。選手は防具を装着し、蹴り、回し蹴り、拳による突きなどでポイントを奪い合う。防具に攻撃が当たればポイントが加算される。なお、ダウンし、8カウントの間にファイティングポーズが取れない場合はKO判定、防具のついていない顔面への突き/パンチは禁止されている。
1対1の舞台に立つ選手たちは、国の威信と名誉、己のプライドをかけて正面から激しくぶつかり合う。国内の競技人口は15,000人、世界の競技人口は約8,000万人。
【種目】
・58kg級(男子)
・68kg級(男子)
・80kg級(男子)
・80kg超級(男子)
・49kg級(女子)
・57kg級(女子)
・67kg級(女子)
・67kg超級(女子)
本間 政丞
『本間 政丞』は韓国発祥の格闘技、テコンドーの68kg級で日本代表入りを目指している選手だ。同競技のオリンピックメダリストは2000年シドニー大会の「岡本 依子」のみ、男子選手のメダリスト誕生が切望されている。なお、日本代表選手を決めるテコンドー協会のゴタゴタ騒ぎは、2019年末の新会長就任でひとまず終息した。内輪もめで選手たちが不利益を被ることになれば、東京大会に水を差すところだったので本当に良かったと思う。
本間は2017年の世界選手権、全日本選手権などでも優勝しており、実績は十分である。なお、世界ランク6位以内に入れば自動的に東京大会の出場権を得られるものの、上位は海外勢が独占しており、そこに割って入るのは難しい。国内のライバルたちと2つある開催国枠/代表権を争うことになり、2020年2月上旬に開催予定の「最終選考会」が大きな山場になるだろう。そこで結果を出したものが日本代表に選ばれる可能性が高い。
社会人選手の本間は、「何事もポジティブに考える」ことを大切にしていると言う。古代中国で君主を補佐した最高位の官位「丞相(じょうしょう)」と同じく、東京大会へのいばらの道を乗り越え、日本テコンドーの歴史をひっくり返してほしい。
<まとめ>
◎開催国枠は2つ。2020年の最終選考会等で結果を残し、代表権をつかみ取れ。
◎テコンドー日本男子のメダル獲得が切望されている。
選手名 | 本間 政丞(ほんま まさのじょう) |
出場競技/種目 | テコンドー/68kg級 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2017年世界選手権優勝 |
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<日本テコンドー協会 公式ホームページ>
岸田 留佳
韓国発祥のテコンドーがオリンピックに正式採用されたのは2000年シドニー大会からである。メダルの獲得数は韓国、中国、アメリカが上位を占め、格闘技の盛んなヨーロッパ各国も一定の成果を残している。日本のメダル獲得数は5大会で1個、東京大会では何とか結果が欲しいところだろう。ここで紹介する『岸田 留佳』は49kg級の日本代表有力候補である。小中学生の時に全日本ジュニア選手権等を複数回制し、国際大会への出場もある若手のホープだ。
岸田は2020年2月上旬に開催される「最終選考会」への出場権を獲得している。ここで結果を出せば日本代表への道が開けるものの、日本選手権3連覇中(通算8回優勝)の「山田 美諭(みゆ)」が大きな壁になるだろう。
同級の代表権を手に入れるには山田を超える以外手はない。なお、2019年の世界選手権で3位以内に入った選手の階級から日本代表を選出することが決まっていたが、条件を満たした者はいなかった。よって、最終選考会の結果、世界ランキング等を踏まえたうえで日本代表は決まる。
<まとめ>
◎2020年2月の最終選考会で同級の強敵に勝てば東京大会への挑戦権を得られる。
◎東京大会まで勝ち続けることが代表に選ばれる条件。
選手名 | 岸田 留佳(きしだ るか) |
出場競技/種目 | テコンドー/49kg級 |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2016年全国選手権優勝など |
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<大東文化大学 公式ホームページ>
トライアスロン(目次に戻る
『トライアスロン』は競泳、自転車でのロードレース、そして長距離走を組み合わせた競技である。残念ながら日本人選手はオリンピックおよび世界選手権でメダルを獲得した実績がない。2020年東京大会での活躍を期待しよう。
同大会では①競泳1.5km→②自転車40km→③長距離走10kmの個人戦、①競泳0.3km→②自転車7.4km→③長距離走2kmを「女子→男子→女子→男子」のリレー形式で行う団体線でメダルが争われる。国内の競技人口は約375,000人、世界の競技人口は210万人。
【種目】
・個人(男子/女子)
・団体線(混合リレー)
古谷 純平
トライアスロンは1970年代に始まった比較的新しい競技で、オリンピックには2000年シドニー大会から採用された。日本代表はオリンピック、世界選手権でのメダル獲得実績がまだない。競泳、自転車、長距離走を連続で行う過酷な競技に求められるのは体力、そして、種目間の着替えや靴の履き替え等での時間短縮だという。『古谷 純平』は2016年から2年連続で日本ランキング首位を獲得した男子トライアスロンのエース選手だ。
東京大会/トライアスロンの出場は男女55名の計110名。各国男女2選手が上限で、日本は開催国枠も2つ得ている。東京大会で初採用される混合リレーは、オリンピックランキングの上位7か国が出場確定、8位~18位の国々で大会を行い上位3か国が選抜、計10か国で争うことが決まった。
古谷は2019年の代表選考レース等で結果を残し、男子日本代表の最有力候補に挙げられている。現在は東京大会を見据えた厳しいトレーニングを敢行/継続中、体力と技術の向上に励んでいるという。ホスト国のプライドと意地、そして鍛錬の成果がでることを期待したい。
<まとめ>
◎オリンピック、世界選手権でのメダル獲得実績はまだない。
◎日本代表候補は厳しいトレーニングを行っている。まずは上位入賞を。
選手名 | 古谷 純平(ゆるや じゅんぺい) |
出場競技/種目 | トライアスロン |
オリンピック出場実績 | なし |
主な戦績 | 2018年アジア大会優勝など |
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<三井住友海上 公式ホームページ>
佐藤 優香
『佐藤 優香』は、14歳から18歳までの選手が競う「ユースオリンピック」の女子トライアスロンで金メダルを獲得した実績を持つ。同大会同競技のメダル獲得は日本人初の快挙だった。その後も日本選手権、アジア大会、W杯等で優勝し、2016年リオ大会に日本代表として出場、15位は日本人最高だった。
佐藤は現在28歳。トライアスロンの世界では30歳代の強豪が多く、世界トライアスロン選手権(同競技の世界一決定戦)を5度制した「ハビエル・ゴメス」は、36歳を迎えた今もバリバリのトップアスリートである。
同競技でトップを狙うには、常人離れした体力以外に経験も重要だという。波の強さや天候等によるスタミナの調整、種目間の着替え、スパートのタイミング、ライバルたちのペースや体調/調子を読む力など、ただがむしゃらに進むだけの単純な競技ではないのだ。佐藤のような中堅層は体力、レースにおける知力、経験値などが成熟し始めた年代で最も結果を残しやすい。前述の古谷と同じく、現在も厳しいトレーニングを継続しており、リオ大会以上の順位、日本人初のメダルも夢ではないと思う。なお、佐藤の嫌いな食べ物は「おでんと筑前煮」とのこと。
<まとめ>
◎ユースオリンピックでは日本人初のメダルを獲得。リオ大会でも日本人最上位。
◎体力、レースにおける知力、経験値が成熟し始める年代。東京大会での大活躍に期待。
選手名 | 佐藤 優香(さとう ゆか) |
出場競技/種目 | トライアスロン |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会/15位 |
主な戦績 | 2018年アジア大会優勝など |
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<NTTアスリート 公式ホームぺージ>
ウエイトリフティング(目次に戻る
『ウエイトリフティング』の歴代メダリスト(抜粋)は以下の通りである。
大会名 | 選手名 | 競技種別 | メダル |
2012 ロンドン 2016 リオ | 三宅 宏美 | 女子48kg級 | 銀 銅 |
1960 ローマ 1968 メキシコシティ | 三宅 義信 | 男子56kg級 男子62kg級 | 銀 銅 |
1976 モントリオール | 平井 一正 | 男子62kg | 銅 |
1964 東京 | 大内 仁 | 男子77kg級 | 銅 |
ウエイトリフティング(重量挙げ)は、1896年アテネ大会から行われている長い歴史を持つ競技である。両手でバーベルを掴み持ち上げるという単純な動作/数秒で終わってしまう競技だが、己の体重よりはるかに重い物体を持ち上げるには絶え間ない努力が必要だ。
さらに細かなルールも設定されており、重いバーベルを持ち上げるだけの単純な競技ではない。なお、身体の小さいアジア人には不利と思われているが、中国勢の台頭を見る限り、身体の大きさではなく努力と精神力が大切なのは明白である。国内競技人口は約3,500人、世界の競技人口は500万人超。
【種目】
・61kg級(男子)
・67kg級(男子)
・73kg級(男子)
・81kg級(男子)
・96kg級(男子)
・109kg級(男子)
・+109kg級(男子)
・49kg級(女子)
・55kg級(女子)
・59kg級(女子)
・64kg級(女子)
・76kg級(女子)
・87kg級(女子)
・+87kg級(女子)
糸数 陽一
『糸数 陽一』は男子ウエイトリフティング界のエースである。2016年リオ大会ではメダル獲得まであと一歩の4位。スナッチ、ジャークの2種目トータルで日本記録を更新する会心のできだった。さらに2017年の世界選手権では銀メダルを獲得し、世界トップクラスの実力を証明する。2020年東京大会の目標はただひとつ、偉大な先人たちも達成できなかった「オリンピックでの金メダル獲得」である。
1984年ロサンゼルス大会以降、日本男子は同競技でメダルを獲得できずにいる。世界との差があとわずかなことは、糸数の戦績を見れば分かるだろう。腕力/体力だけあっても数百キロのバーベルは持ち上げらない。力を一瞬のうちに爆発される集中力、そして重圧をはねのける強靭なメンタルがあってこその競技なのだ。
近年のオリンピック、世界選手権では中国がメダルの常連国になっている。骨格/体格では欧州勢に劣るものの、集中力とメンタルでカバーすれば金メダルは射程圏内だ。日本のウエイトリフティング界の歴史が塗り替えられることを期待したい。
<まとめ>
◎2016年リオ大会は4位、世界選手権では銀メダル、東京大会では表彰台の真ん中に立ってほしい。
◎体格面で劣るアジア勢は、腕力だけでなく、集中力とメンタルで勝負。
選手名 | 糸数 陽一(いとかず よういち) |
出場競技/種目 | 重量挙げ/61kg級 |
オリンピック出場実績 | 2016年リオ大会/4位 |
主な戦績 | 2017年世界選手権銀メダル |
外部サイトへのリンク
<日本ウエイトリフティング協会 公式ホームページ>
三宅 宏実
最後に紹介するのは、2004年アテネ大会から4大会連続のオリンピック出場を果たし、2012年ロンドン大会で銀、2016年リオ大会では銅メダルを獲得した『三宅 宏美』である。日本女子ウエイトリフティング界に初のメダルをもたらした第一人者は、5回目のオリンピック出場、メダル獲得を目指している。なお同選手の父「三宅 義信」も1960年ローマ大会で銀メダル、1968年メキシコシティ大会では銅メダルを獲得した名選手だ。
三宅には大きな期待と重圧がかかっている。日本代表入りを狙う後輩/若手も育っており、出場権の獲得は容易ではないだろう。さらに、第一人者/メダリストとしてのプレッシャーをはねのけ、痛みを抱える足のケガも克服しなければならない。
三宅が代表入りを狙う49kg級は、東京大会初日の7月25日に決勝が行われ、メダリストが決まる。2020年東京オリンピックの日本人メダリスト第1号は、「令和時代のメダリスト第1号」として語りつがれる。2大会連続でメダルを獲得した三宅の強靭なメンタルで、「二度あることは三度ある(良い意味で)」を実現してほしい。
<まとめ>
◎2020年東京大会に出場すれば5大会連続のオリンピック出場。
◎2大会連続でメダルを獲得した強靭なメンタルで日本を熱狂させてほしい。
選手名 | 三宅 宏実(みやけ ひろみ) |
出場競技/種目 | 重量挙げ/49kg級 |
オリンピック出場実績 | 2012年ロンドン大会/銀メダル 2016リオ大会/銅メダル |
主な戦績 | 全日本選手権優勝など |
外部サイトへのリンク
<いちごウエイトリフティング部 公式ホームページ>
沢山の応援とメッセージをありがとうございました♪♪私にとって応援が力でした(*^o^*)危ない試合でしたがご報告ができることがとても嬉しかったです♪ pic.twitter.com/7ytCzCueRq
— 三宅宏実 (@hiro1118th) August 15, 2016
まとめ
今回は、2020年東京オリンピックで活躍が期待される選手たちを紹介した。なお、私の個人的な主観で選んでいることをご理解いただきたい。
同大会出場に向けて努力、挑戦を続ける日本選手たちは立ち止まらない。世界を熱く盛り上げる令和時代のニューヒーローがこの中から誕生することを願う。最後までお読みいただきありがとうございました。