◎ドイツに拠点を置く世界ウイグル会議は、2022年2月に開幕する予定の北京2022冬季オリンピックに参加しないよう180を超える団体に呼びかけている。
ドイツに拠点を置く世界ウイグル会議は、2022年2月に開幕する予定の北京2022冬季オリンピックに参加しないよう180を超える団体に呼びかけている。
当局者は北京2022を「ジェノサイド(大量殺戮)オリンピック」と呼んだ。
これに対し、国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員は、北京2022に対する批判を却下した。
中国共産党によるウイグル人への攻撃は世界から非難され、先日米国務省は一連の行動を「民族大量殺戮」に認定した。
しかし、IOCに最も長く奉仕しているカナダのパウンド委員は、「ウイグル人への攻撃はイベントに何の影響も及ぼさないだろう」と語った。
ディック・パウンド委員:
「オリンピックは中国のものではなく、IOCのものである。政府の政策と大会は一切関係ない」
チベット人、ウイグル人、香港の市民などの団体で構成される連合は、「共産党指導部の恐ろしい権利侵害および取り締まりに抗議するために、北京大会へのボイコットを求める共同公開書簡を発行した」と発表した。
アメリカは旧ソビエト連邦で開催されたモスクワ1980五輪をボイコットし、ソ連は報復としてロス1984五輪をボイコットしている。
パウンド委員は世界ウイグル会議のボイコットの呼びかけについて、「オリンピックは平和の式典であり、そのような態度を取ってはいけない」と主張した。
ディック・パウンド委員:
「ウイグルに関する抗議でオリンピックをボイコットすれば、世界は残念に思うだろう。私たちは1980年と1984年を知っている」
「なぜアスリートの夢を(大会と)まったく関係のないことで犠牲にするのか?」
IOCは、アスリートにオリンピック会場で抗議することを禁じている。(五輪憲章第50条)
擁護団体グローバルアスリートのロブ・ケーラー氏は、「アスリートはオリンピックのルールに文句を言いませが、大会に参加したことで非難される人が出るかもしれません」と述べた。
「各国のオリンピック委員会はIOCに対して、五輪憲章と世界人権宣言を一致させるよう要求しなければなりません。アスリートに発言権を与える必要があります。そのため、私たちは第50条の見直しを要求しています」
一方、中国外務部の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官は先日の記者会見でボイコットについて質問を受け、「北京2020冬季オリンピックが素晴らしいイベントになると完全に確信しています」と述べた。
汪文斌 報道官:
「一部の団体が政治的利益のために大会の準備と開催を妨害することは非常に無責任です。そのような行動は国際社会で支持されず、決して成功しません」