◎国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド氏「東京2020オリンピックの開催に確信を持てない」
◎1月7日、東京都のコロナ新規症例は、過去最高を大きく更新する2,477件まで増加した。
BBCニュースによると、国際オリンピック委員会(IOC)の最年長委員、ディック・パウンド氏は、「東京2020オリンピックの開催に確信を持てない」と述べたという。
会場の東京都はコロナウイルスの感染再拡大を受け、1月7日に非常事態宣言下に置かれた。
パウンド氏はBBCニュースの取材に対し、「ウイルスの急拡大が最大の懸念事項。確信を持てない」と述べた。
東京2020オリンピックは2021年7月23日に開幕する予定である。(8月8日終了)
パウンド氏は東京オリンピックを守るために、「アスリートはコロナウイルスワクチンを優先的に接種すべきである。また、アスリートが主催者にワクチンを接種したと宣言することで安全を確保できる」と述べた。
ディック・パウンド氏:
「アスリートは重要なロールモデルである。彼らがワクチンを接種することで、ワクチン接種は個人の健康だけでなく、地域社会の連帯や幸福への配慮に重要な影響を与える、という強力なメッセージを送ることができる」
昨年11月、IOCのトーマス・バッハ会長は、「私たちは大会前にできるだけ多くの外国人参加者に予防接種を求める。またIOCは、観客が予防接種を受けたかどうかの確認などに多大な労力を強いられるだろう」と述べた。
日本の菅義偉 首相は1月7日の記者会見で、「コロナワクチンの接種が始まれば国内の雰囲気も変わってくる」と述べた。
1月7日、東京都のコロナ新規症例は、過去最高を大きく更新する2,477件まで増加した。緊急事態宣言の発出を受け、対象地域の飲食店や居酒屋などは営業時間の短縮を求められている。
公共放送NHKが行った最新の世論調査によると、回答に応じた大多数が東京2020の開催に反対し、さらなる延期もしくはキャンセルを支持していることが分かったという。
日本政府は欧米の製薬会社から少なくとも5億4,000万回分のワクチンを購入できる権利を確保しているが、各ワクチンの承認予定日は明らかにされていない。
日本はワクチンを承認する前に自国で臨床試験を行う。アメリカやEUなどが承認したモデルナワクチンの臨床試験は1月中に始まる予定と伝えられている。
武田薬品工業の今川 正幸氏はロイター通信の取材に対し、「試験が完了するまでにはさらに数ヶ月かかると思われる。5月に承認を得ることが最良のシナリオ」と語った。
オリンピックに出場する206ヵ国の全選手が、大会前に自国でコロナワクチンを接種できる可能性は限りなくゼロに近い。
菅首相は記者団に対し、「日本においても2月下旬までにはなんとか予防接種を開始したいと思っている」と述べた。