◎韓国MBCは25日の放送の最後に、「五輪開会式の参加国を紹介する際、不適切な文書と画像を使用した」と述べ、深く謝罪した。
韓国の地上波ネットワークMBCは25日、東京2020五輪開会式の放送中に表示された参加国の不適切な紹介文書および画像について深く謝罪した。
韓国MBCの当局者はイタリアを「ピザ」、ルーマニアを「ドラキュラ」、ノルウェーを「サーモン」、ウクライナを「チェルノブイリ(原発事故)」、ホスト国の日本を「寿司」の国と紹介する文書および画像を選手団と一緒に表示し、物議を醸した。
エルサルバドルの選手団はビットコイン、キューバ選手団は社会不安をイメージする画像と共に入場した。
さらに、ハイチを「大統領暗殺の影響で政治的に不安定な国」と表現し、マーシャル諸島は「アメリカのかつての核実験場」、シリアは「豊富な地下資源を有する内戦の国」、オセアニアのナウル共和国は「リン鉱石の枯渇による経済衰退に直面する国」と呼ばれた。
困難な状況に直面しているアフガニスタンを含むいくつかの国の選手団は、コロナワクチンの接種率と一緒に入場した。
韓国MBCは25日の放送の最後に、「五輪開会式の参加国を紹介する際、不適切な文書と画像を使用した」と述べ、深く謝罪した。「番組担当者は視聴者に参加国を分かりやすく紹介したいと思っていました...」
放送終了後、韓国MBCはプレスリリースで公式謝罪声明を発表した。「今回の事件は関係国への配慮が不足していたことを示しています。紹介文書と画像は許しがたい間違いであり、深く謝罪します。開会式の放送に腹を立てている国々とその国民にもう一度お詫び申し上げます」
コリア・ヘラルドによると、韓国MBCの代表は26日の番組中に謝罪する予定だという。また、不適切な紹介文書と画像を選定した経緯を調査することも明らかになった。
しかし、深い謝罪にもかかわらず、韓国の視聴者は2008年北京五輪の開会式で発生した問題と同じような事件が発生したことに納得できず、不満と怒りを表明した。
韓国MBCは2008年北京五輪の開会式で出場国を誹謗中傷したとして、韓国通信委員会に罰せられた。同社は当時、スーダンを「内戦中の不安定な国」、ジンバブエを「致命的なインフレ―ションの国」と紹介し、その後深く謝罪した。
開会式を見たという30歳の男性はコリア・へラルドの取材に対し、「参加国の紹介を見た時、関係国との外交問題に発展する可能性があると思いショックを受けました」と語った。「(韓国)MBCは韓国に国際的な不名誉をもたらしました。彼らは恥じるべきです」
コリア・ヘラルドによると、今回の事件に抗議するオンライン請願が大統領府に提出されたという。請願書は韓国MBCの大失態の責任者を特定するための厳密な調査を要求した。
一部のメディアは「ノルウェー=サーモン」など、許容できる画像も多々あったが、「チャド=アメリカのダークハート」などは外交問題に発展しかねない極めて不快な表現と報じた。
チャドは世界で最も腐敗した国のひとつであり、イドリス・デビ・イトノ大統領は今年4月に反政府武装勢力との戦闘で戦死し、その後軍事政権に移行した。