鹿児島県鹿児島市のいおワールドかごしま水族館で、極めて珍しいウミウシの一種、「ガンモンフシエラガイ」2匹が公開されている。
全日本ウミウシ連絡協議会(全ウ連)の中野理恵 理事長は南日本新聞の取材に対し、「日本で見つかったのは片手で数えられるほど。温帯地域での発見は初と思われる」と語った。
中野理恵 理事長:
「国内の水族館で展示されるのも史上初だと思う」
ガンモンフシエラガイはインドネシアやフィリピンなどの亜熱帯地域に生息し、赤紫色の目玉のような模様が特徴。国内で発見された例はほとんどなく、2018年に和名が付けられたという。
展示中の個体の体調は約16cm。標準的なウミウシ(数ミリから数センチ)に比べるとかなり大きい。
2匹を発見したのは、同館で飼育員を務める西田和記氏。11月24日に桜島沿岸の海中で見つけたという。
錦江湾で約500種のウミウシを発見した西田氏は南日本新聞の取材に対し、「一生出会えないと思っていたので幸運だった」と語った。
ガンモンフシエラガイの生態は解明されておらず、西田氏によると手探りの飼育が続いているという。
西田和記 氏:
「複数のエサを試したが、いずれも手をつけない。いつまで見られるか分からないため、早めに来館してほしい」
いおワールドかごしま水族館は12月7日~10日休館。年末年始は開館。
いおワールドかごしま水族館
ウミウシについて
・貝殻が体内に埋没、縮小、もしくは消失などした種の総称。
・後鰓類(こうさいるい)の一種。
・ブヨブヨしている。
・生息地は主に海の浅瀬。世界中で様々な種が確認されている。
・色は地味系からカラフルまで様々。
・標準サイズは数ミリから数センチ。大きいものになると20cm~30cm近くまで成長する。
・食性(肉食or草食)は種によって異なる。
・採集は容易だが、飼育は非常に困難と言われている。
・食べられる。ただし、辛みがあり、決して美味しいとは言えない。また、毒を持つ種も存在するため注意が必要。