◎中露寄りのカーン前首相は昨年4月に不信任決議で弾劾されて以来、政府・司法・軍を批判し、全国各地で集会を開催してきた。
パキスタンの警察当局は25日、カーン(Imran Khan)前首相を支持する著名なテレビジャーナリストが行方不明になったと発表した。
それによると、この男性記者は24日遅くに姿を消したという。カラチの民放テレビ局BOLは記者が誘拐されたと伝えているが、詳細は明らかにしていない。
この記者はカーン氏の後任であるシャリフ(Shahbaz Sharif)首相を公然と批判してきたようだ。
中露寄りのカーン氏は昨年4月に不信任決議で弾劾されて以来、政府・司法・軍を批判し、全国各地で集会を開催してきた。
BOLは報道の中で、「記者は24日遅くに正体不明の男たちに連れ去られた」と伝えている。それによると、記者の兄はBOLの取材に対し、「弟はイスラマバードで仕事を終え、帰宅する途中に襲われ、連れ去られた」と証言したという。
国家警察は公式ツイッターアカウントに声明を投稿。「被害者を救うために全力を尽くす」と約束した。
この失踪事件は同じく親カーン派として知られるテレビジャーナリストの男性が行方不明になってから2週間後に発生した。
カーン氏の支持者は警察が男性を誘拐し、どこかで拷問していると主張している。
カーン氏の支持者は今月初め、同氏がイスラマバードの高裁で逮捕されたことに腹を立て、各地で抗議デモを決行。怒れる一部の暴徒が略奪や放火を行い、警察に火炎瓶を投げつけ、北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワルではラジオ局や軍事施設が破壊された。
機動隊と暴徒の衝突は数日続いたものの、最高裁がカーン氏の保釈命令を出したことで沈静化した。
シャリフ氏は25日、全焼したペシャワルのラジオ局を視察・演説し、「暴力に関与した者をひとり残らず逮捕・起訴する」と誓った。