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コンゴ東部で国軍と親政府民兵が衝突、30人超死亡

事件は東部・北キブ州郊外の集落で発生。国軍と親政府組織が衝突した直後に大きな爆発が起きたという。
2025年12月4日/米ワシントンDC、左からトランプ大統領、ルワンダのカガメ大統領、コンゴのチセケディ大統領(AP通信)

コンゴ民主共和国東部で国軍と親政府民兵との衝突後に起きた爆発により、30人以上が死亡、20人以上が負傷した。現地メディアが8日に報じた。

事件は東部・北キブ州郊外の集落で発生。国軍と親政府組織が衝突した直後に大きな爆発が起きたという。

コンゴのチセケディ(Félix Tshisekedi)大統領とルワンダのカガメ(Paul Kagame)大統領は先週、米ホワイトハウスで会談し、トランプ(Donald Trump)大統領の立ち合いの下で和平協定に署名した。

コンゴ軍との戦闘を続ける反政府勢力「M23(3月23日運動)」はルワンダ政府の支援を受けている。

この協定は「和平への大きな一歩」と期待されていたが、今回の爆発は和平がいかに脆弱であるかを改めて浮き彫りにした。

コンゴ東部は鉱物資源に恵まれ、多数の武装組織が勢力を争ってきた地域だ。関係者によると、100を超える武装集団が影響力を争っており、M23はその中でも最大の勢力を誇る。こうした紛争構造が、今回のような暴力の再燃につながりやすい根本要因となっている。

爆発を受け、多くの住民がルワンダへの避難を余儀なくされている。目撃者は「朝になっても町を離れる人が絶えない」と証言。さらに別の住民は、「敵か味方か区別がつかず、民間人が次々と殺されている」と訴え、「この戦争を終わらせてほしい」と怒りを露わにした。

一方、コンゴ政府側は今回の爆発についてコメントを出しておらず、責任の所在はあいまいなままだ。だが、チセケディ氏は議会で、ルワンダによる和平合意違反と資源略奪の疑いを強く非難。今回の爆発を「代理勢力による暴力」と呼んだ。

こうした状況は和平合意があったとしても、地域の武装勢力の多さや複雑な利害関係、資源を巡る争いという構造的な問題が解消されなければ、暴力は収まらないことを改めて示している。犠牲となった民間人の数や避難者の増加など、人道危機の深刻化が懸念される。今後、国際社会の注視と、真摯な和平履行が求められる。

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