◎米国はウクライナ東部で進行中の危機を受け、ポーランドに米兵1,700人、ドイツに300人、ドイツに駐留している兵士1,000人をルーマニアに配備する予定。
2022年2月6日/ポーランド、南東部のジェシュフ国際空港、米軍の輸送機(Czarek Sokolowski/AP通信)

2月6日、ロシアの同盟国ベラルーシと国境を接するポーランドに米軍の第一陣を乗せた輸送機が到着した。

米国はウクライナ東部で進行中の危機を受け、ポーランドに米兵1,700人、ドイツに300人、ドイツに駐留している兵士1,000人をルーマニアに配備する予定である。

ポーランドとウクライナの国境から約90キロの地点に位置するジェシュフ国際空港に到着したボーイングC-17グローブマスターには数十人の精鋭部隊が搭乗していた。

AP通信によると、ポーランドの作戦を指揮するのは8月30日にアフガニスタンを最後に離れたクリストファー・ドナヒュー少将だという。

ドナヒュー少将は現地メディアの取材に対し、「米軍のポーランド派遣は欧州のすべての同盟国との連帯を示すものであり、同盟国の力を強化する」と語った。

ポーランドのマリウシュ・ブワシュチャク国防相は6日、「同盟国の連帯はロシアの攻撃的な政策と、ロシア帝国を再建しようとする攻撃的な試みに対抗する最善の手段である」と述べ、米軍を歓迎した。

ロシアはベラルーシと定期的に軍事演習を行っており、ウクライナだけでなくNATO加盟国のポーランドやその他の東欧諸国に圧力をかけている。ポーランドとベラルーシは移民問題で激しく対立している。

ブワシュチャク国防相は声明の中で、「NATO加盟国による防衛強化は脅威に対抗する最善の手段であり、ポーランドと東側のNATO同盟国の安全を保証するだろう」と述べ、ロイド・オースティン米国防長官と何度も協議を重ねてきたと強調した。

バイデン政権はロシアとウクライナの緊張が高まる中、東欧のNATO加盟国を守るという米国のコミットメントを世界に示すために、ポーランド、ルーマニア、ドイツに米軍を追加配備するよう命じた。

ポーランドはロシア、ウクライナ、ベラルーシ、ルーマニアはウクライナと国境を接している。

ロシアは2016年にルーマニアに配備された米軍の陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)を安全保障上の脅威のひとつと見なしている。

AP通信によると、ノースカロライナ州のフォートブラッグ基地から派遣された第一陣は数十人の精鋭部隊で構成され、18時間以内に展開を開始できる状態で、重要な目標を確保する任務にあたる予定だという。

ポーランド陸軍は米軍機の到着に備え、必要な装備や後方支援部隊を空港周辺に配備したと伝えられている。

ポーランド陸軍の報道官は地元メディアの取材に対し、「ポーランド兵はこれまでイラクやアフガニスタンの任務で米軍と協力し、一緒に訓練を受けた」と述べた。

ポーランドには2017年から約4,000人の米兵が駐留している。

ロシア外務省は先日、米軍の東欧展開を「壊滅的」と呼び、外交の窓を閉ざす可能性があると懸念を表明した。

一方、欧州当局者はウクライナで紛争が発生した場合、ロシアが欧州への天然ガス供給を遮断する可能性があると懸念を表明しており、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2月7日~8日、ドイツのオラフ・ショルツ首相は2月14日~15日にそれぞれロシアとウクライナを訪問する予定である。

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