◎治安当局は催涙ガス弾で抗議者を分散させた。
2021年11月7日/スーダン、首都ハルツーム( Marwan Ali/AP通信)

11月7日、スーダンの治安当局は先月発生した軍事クーデターに反対する民主化勢力のデモを厳しく取り締まり、100人以上を逮捕した。

現地メディアによると、治安当局は首都ハルツームの抗議者に催涙ガス弾を発射し、反抗的な抗議者を殴打したという。

軍は先月25日にアブダッラー・ハムドゥーク首相とその他の高官を拘束したうえで軍民合同政府のソブリン評議会を解散し、2023年7月の選挙まで権力を維持すると発表した。ハムドゥーク首相は2日後に釈放された。

軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを追放し、国を民主主義に導くソブリン評議会を発足させた。しかし、今年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。

アル=バシールに対する蜂起を主導したスーダン専門家協会によると、首都ハルツームの抗議デモには教師と教育労働者を含む教育省関係者が多数参加したという。

治安当局は催涙ガス弾で抗議者を分散させた。スーダン専門家協会のモエズ・ハドラ氏はAP通信の取材に対し、「当局は教育省の関係者少なくとも113人を拘束した」と述べた。小規模なデモはハルツーム以外の都市でも行われているが、逮捕者が出たかどうかは分かっていない。

7日は野党勢力が呼びかけた2日間のゼネストの初日であり、首都の小売店の多くが自主的に店を閉め、一部は抗議デモに参加したと伝えられている。野党勢力は文民政府への移行が完了するまで抵抗を続けると誓った。

一方、スーダンの国連特使を含む調停者たちは問題の解決に向けた当事者間の最初の交渉でつまずいたと伝えられている。

AP通信によると、交渉に参加した政府高官は、ハムドゥーク首相は拘束された政府関係者全員の即時釈放と、軍民合同政府のソヴリン評議会を再開するという「保証」を望んでいるという。

これに対し、軍トップのアブデル・ファッタ・バーハン将軍は、「10月25日の出来事はクーデターではなく、民主主義への移行を修正するための措置」と主張した。

現地メディアによると、アラブ連盟の代表団も7日の調停交渉に参加し、ハムドゥーク首相とバーハン将軍とそれぞれ個別に会談したという。

アラブ連盟のホッサム・ザキ副事務局長は記者団に、「民主主義への移行を再確立するために努力を継続する」と述べた。

軍は先日、4人の閣僚を解放し、自宅軟禁下に置いた。現地メディアによると、クーデターで拘束された政府高官と関係者は100人近くにのぼり、その約半分が首都ハルツーム、残りは地方都市で拘束されている可能性が高いという。

西側諸国は抗議デモと取り締まりを注視しており、暴力や違法な取り締まりは主要国の制裁を引き起こす可能性がある。一部の専門家は、「バーハン将軍は米国とEUの圧力に屈する可能性が高い」と指摘した。

2021年10月25日/スーダン、首都ハルツームの政府庁舎、アブデル・ファッタ・バーハン将軍(Sudan TV/AP通信)
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