◎集計作業はまだ終わっておらず、投票率は拮抗しているが、社会民主党の勝利はほぼ間違いと伝えられている。
2021年9月26日/ドイツ、社会民主党の本部、オラフ・ショルツ財務相と妻のブリッタ・エルンスト氏(Lisa Leutner/AP通信)

9月26日、ドイツを4期16年率いてきたアンゲラ・メルケル首相の後任を決める連邦議会選挙が実施され、リーダーを失ったキリスト教民主同盟(CDU)は議席を大幅に減らし、中道左派の社会民主党(SPD)に敗れることがほぼ決まった。

しかし、メルケル首相の支持を得たアルミン・ラシェット党首はCDU史上最悪の結果を出したにもかからず、連立政権を樹立すると誓った。国営のドイツ通信社はドイツ史上初のダブル首相体制を却下し、SPDの勝利は揺るがないだろうと報じた。

投票率は76~77%と見込まれている。

<ドイツ連邦議会選挙 定数730 未確定>
・SPD 25.8%(205議席)
・CDU 24.1%(194議席)
・緑の党 14.6%(116議席)
・自由民主党 11.5%(91議席)
・ドイツのための選択肢 10.5%(84議席)
・左翼党 4.9%(39議席)
・その他 8.6%(1議席)
※小選挙区比例代表並立制

集計作業はまだ終わっておらず、投票率は拮抗しているが、社会民主党の勝利はほぼ間違いと伝えられている。

現政権で財務相を務めるSPDのオラフ・ショルツ党首は26日遅くの演説で、SPDはドイツを導く義務があると述べた。

メルケル首相の後継者に求められる主要任務は気候変動対策とコロナウイルスで傷ついた経済の立て直し、そしてEUのリーダーである強国ドイツの力を確固たるものにすることである。

しかし、主要メディアは選挙結果を「行き詰まり」と呼び、連立の形成には時間がかかるだろうと報じた。ドイツ通信社の取材に応じた連邦エネルギー・水協会の責任者であるケルスティン・アンドレーエ氏は、「政治空白が数カ月続くようなことがあってはならない」と述べ、強い懸念を表明した。

26日遅くの集会でしかめっ面を披露したCDUのラシェット党首は支持者に、「重要なことは連立を形成することです」と述べ、「私たちは今、ドイツを近代化する新たな連立を必要としています」と語った。「私はドイツを導くために、新たな連立政権でできる限りのことをします...」

一方、緑の党は世論調査の予測には及ばなかったものの、730議席中116議席を獲得する見込みであり、連立で極めて大きな役割を演じることが確実になった。中道の自由民主党も前回の80議席から11議席増の91議席を確保する見込みで、2党の合計は200議席を超えた。

連立交渉期間中の政治空白を懸念する業界団体は、緑の党の躍進に懸念を表明しつつも現実を受け入れたと伝えられている。

ラシェット党首とショルツ党首は、緑と自民の奪い合いを演じると予想されている。緑の党は伝統的に社会民主党を好み、自由民主党はCDUに傾倒しているが、ドイツ通信社によると、どちらも反対の方向に進むことを否定しなかったという。

もう一つの選択肢はメルケル首相が1期目から3期目の間に形成した「大連立」だが、何年にもわたる政治的争いの末に崩壊したことを考えると、可能性は極めて低いと伝えられている。

各国の主要メディアは政党カラーに注目しつつ、ドイツの政治はメルケル首相の政界引退で新たなフェーズに入ったと報じた。

SPD(赤)、緑の党、自由民主党(黄)が連立を組めば、信号機政権(緑黄赤)が誕生する。

一方、CDU(黒)、緑の党、自由民主党(黄)が連立を形成すれば、ジャマイカ国旗カラー(黒緑黄)政権になる。

2021年9月26日/ドイツ、キリスト教民主同盟(CDU)の本部、アルミン・ラシェット党首(Markus Schreiber)/AP通信)
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