◎ポリティコ社の世論調査によると、現職のオラフ・ショルツ財務相率いる社会民主党がキリスト教民主同盟(CDU)をわずかに上回っているという。
9月23日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の後任に挙げられている主要候補者3人と他の党の指導者が選挙前最後のテレビ討論会で論戦を交わした。
ドイツ連邦選挙の投票日は9月26日。ポリティコ社の世論調査によると、現職のオラフ・ショルツ財務相率いる社会民主党がキリスト教民主同盟(CDU)をわずかに上回っているという。
ポリティコ社の世論調査:9月23日時点>
・社会民主党:25%(2週間前と同じ)
・CDU:22%(2週間前から1%↑)
・緑の党:16%(2週間前から1%↓)
・自由民主党:11%(2週間前から2%↓)
・ドイツのための選択肢:11%(2週間前と同じ)
・左翼党:6%(2週間前から1%↓)
指導者たちは前回の討論会で気候変動、貧困、その他の国内トピックについて議論したが、今回初めて外交政策について論戦を交わした。
中道左派のショルツ財務相は、「ドイツはヨーロッパのより緊密な連携を構築し、EUはアメリカと北大西洋条約機構(NATO)とも協力し続ける必要がある」と語った。
ショルツ財務相は視聴者に対し、「ドイツはEU最大の経済力と人口を持つ国であり、ヨーロッパが団結できるかどうかはドイツの指導者にかかっている」と訴えた。
メルケル首相の支持を得ているCDUのアルミン・ラシェット党首も、より強く、より団結したヨーロッパを形成し、欧州大陸の国々は共通のプロジェクトに投資すべきと述べた。「ヨーロッパはドイツを必要としています。そしてヨーロッパは協調して行動し、必要なプロジェクトに投資し、武装しなければなりません...」
緑の党のアンナレーナ・ベアボック党首は、ヨーロッパと中国の取引における共通のアプローチを確立する必要があると述べた。「他のEU国は中国と取引し、他のEU国は取引しないという現在の外交政策を見直す必要があります...」
また指導者たちは大都市圏における住宅不足の解消方法、ソーシャルメディアで拡散される憎悪、コロナウイルスの制限に対する抗議デモへの対処などについても議論した。
メルケル首相の後任と期待されているラシェット党首はここ数週間でわずかに支持率を上げたが、社会民主党に後れを取っている。
一方、公の場で初めて首相候補を発表した緑の党は3位につけている。アナリストたちは緑の党が連立政権に大きな影響を与えると予想した。
メルケル首相は2017年の選挙で41.5%(院内会派を組むキリスト教社会同盟が7.4%)を獲得し、社会民主党と連立を組んだ。今回も同様の流れになると予想されているが、中道左派の緑の党の結果次第で連立の形は変わる可能性がある。
ドイツを16年率いてきたメルケル首相はまもなく政界を引退する。