◎ナジブ・ブケレ大統領はツイッターのプロフィールを「世界で最もクールな独裁者」に変更した。
2021年6月1日/エルサルバドル、首都サン・サルバドルの議会議事堂、ナジブ・ブケレ大統領(AP通信/Salvador Melendez)

9月21日、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領はツイッターのプロフィールを「世界で最もクールな独裁者」に変更し、「(アメリカの)民主主義は衰退している」と主張した。

米国務省は20日、エルサルバドルの最高裁判所の判事5人をアメリカの「非民主的な腐敗者リスト(制裁対象リスト)」に追加した。リストに掲載された個人はアメリカのビザを取り消される。

ジャン・マネス駐米大使は地元メディアの取材に対し、「ブケレ大統領は民主的な選挙で選ばれた民主的な大統領です」と語った。

最高裁判所は今月初め、同一人物が2期連続で大統領に就任することを認めると裁定した。エルサルバドルの憲法は同一人物の連続就任を認めていないが、1期(5年)間隔を空ければ立候補可能。

憲法違反を容認した最高裁判所の判事は、議会の議席の3分の2以上を占めるブケレ大統領の新アイデア党が今年5月に任命した。

マネス駐米大使はインタビューの中で、「信じられません」と述べ、アメリカの制裁を批判した。「制裁は民主主義の衰退を意味しています。今、私たちの目の前で信じられないことが起こっています...」

ブケレ大統領もアメリカの決定を批判し、「新判事の任命が権力の乱用につながるという考えは間違い」と述べ、制裁を「最も低俗な介入」と呼んだ。

ブケレ大統領は先日、ツイッターに「エルサルバドルは誰の庭先でもない」と投稿し、プロフィールを「独裁者」に変更していた。これは、先週首都サンサルバドルで行われた反ブケレ派の抗議デモに対する皮肉と見なされている。ブケレ大統領は21日にプロフィールを独裁者から「世界で最もクールな独裁者」に変更した。

AP通信によると、政府の報道官は「ブケレ大統領のツイッターアカウントは何者かに乗っ取られた可能性がある」という一部の報道に対する回答に応じなかったという。なお、アカウントが乗っ取り被害に遭ったという明確な兆候は見られない。

批評家は、「ブケレ大統領は数千人規模の抗議デモとアメリカの制裁に怒りを募らせ、ツイッターのプロフィールを衝動的に書き換えた可能性が高い」と指摘した。

市民団体で活動するエドゥアルド・エスコバル弁護士は、ブケレ大統領のプロフィール変更を「戦略の一部」と指摘した。「ブケレ大統領は反対派の感情を逆なでし、嘲笑しています」

首都サンサルバドルで先週行われた抗議デモには数千人が参加したと伝えられている。抗議者たちは、「ブケレ大統領は裁判所の独立性を妨げた」と述べ、速やかに辞任するよう呼びかけた。

一方、ブケレ大統領は、「右翼は存在しない独裁政権と戦うために街を練り歩いた」とツイートし、デモの参加者を嘲笑した。

2019年に初当選を果たしたブケレ大統領は貧困層から圧倒的な支持を集めている。ブケレ大統領の人気は今年2月の議会選挙にも反映され、新アイデア党は議席の3分の2以上を獲得した。

ブケレ大統領はビットコインに関するコメントを頻繁にツイートしている。暗号通貨の価格と可能性はブケレ大統領を魅了しており、エルサルバドルは今月、世界で初めてビットコインを法定通貨に採用した。

しかし、一部の市民は物議を醸すビットコインの法定通貨採用に強く抗議し、連日抗議デモを行った。政府はビットコインを管理する「Chivo」と呼ばれるアプリを大々的にリリースしたが、利用開始から2週間経った今もシステム不具合は解消されていない。

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