◎国際原子力機関(IAEA)は年次報告書の中で、「北朝鮮は核兵器の燃料を生産するために使用していた寧辺(ねいへん)原子力研究センターの運転を再開したようだ」と述べた。
国際原子力機関(IAEA)は年次報告書の中で、「北朝鮮は核兵器の燃料を生産するために使用していた寧辺(ねいへん)原子力研究センターの運転を再開したようだ」と述べた。
IAEAは2009年に北朝鮮から追い出されたため、衛星画像を使って活動状況の評価を行っている。
IAEAは報告書の中で、「寧辺原子力研究センターの原子炉は今年7月初旬から冷却水を排出しており、稼働していることを示唆している」と述べた。
同発電所の原子炉が運転再開の兆候を見せたのは2018年12月以来約1年半ぶり。
IAEAは同発電所内にある使用済み核燃料を再処理する放射化学研究所の詳細も合わせて公表した。報告書によると、この研究所は2021年2月中旬から7月上旬まで約5カ月間稼働し、使用済み核燃料を処理した兆候が見られるという。IAEAはこの研究所の稼働を6月に公表していた。
IAEAは原子炉と研究所における核開発は非常に厄介であり、国連安保理決議に明らかに違反していると警告した。
北朝鮮の金正恩 党総書記は2009年のIAEA査察官追放以来、核開発を継続しており、2017年に近年最後の試験を行った。
金正恩は2019年初頭、当時のドナルド・トランプ大統領との首脳会談で経済制裁が解除された場合、寧辺原子力研究センターを解体すると申し出た。しかし、トランプ政権は同研究センターの解体は核能力の部分的な放棄に過ぎず、申し出を却下した。
北朝鮮は複数のウラン濃縮施設を運営していると考えられており、2018年の韓国の推定によると、すでに20〜60発の核兵器を製造している可能性があるという。
金正恩は今年、「アメリカが北朝鮮に対する敵対的政策を撤回しなければ、核計画を拡大する」と脅迫した。
金正恩の妹である金与正(キム・ヨジュン)は今月、「北朝鮮はアメリカの脅威に対処するために、絶対的な抑止力を強化する」と述べ、核開発をさらに推し進めると示唆していた。
韓国統一部のイ・ジョンジュ報道官は30日、韓国はアメリカとともに北朝鮮の核とミサイル活動を注意深く監視していると述べた。