◎2頭は隣国ミャンマーの国境付近で群れとはぐれ、川を渡ってバングラデシュに入国した。
2021年6月30日/バングラデシュ沖で溺れかけたアジアゾウと住民たち(Getty Images/AFP通信)

バングラデシュの現地メディアによると、ベンガル湾沖で溺れかけた2頭のアジアゾウは無事保護され、安全な場所に移送されたという。

2頭は隣国ミャンマーの国境付近で群れとはぐれ、川を渡ってバングラデシュに入国した。

人間の生活圏に入った2頭は住民と対面したことで困惑し、パオーンと鳴き、路地を疾走し、人気のないビーチにたどり着いたという。

しかし、2頭は見物人に囲まれたことで身動きが取れなくなり、4日間浜で立ち往生した後、ベンガル湾に飛び込んだ。

ゾウの水泳スキルは非常に高く、エサが足りなくなると別の土地に泳いで渡り生息域を広げたと言われている。しかし、2頭は数日間まともに食事をとっていなかったため、溺れかけた。

ゾウ救出作戦に関与した地元当局のサイード・アシク・アーメド氏はバングラデシュ連合ニュースのインタビューの中で、「2頭に食料を与えました」と述べた。「ロープを使って救助しました。2頭が満腹になったら、近くの森に移送します...」

国境沿いの町、テクナフの評議員を務めるファズラル・ハック氏はAFP通信の取材に対し、「この地域では野生のアジアゾウに襲われる死亡事故が発生したことがある」と述べた。

この地域のアジアゾウの生息域は、ミャンマーからバングラデシュに避難したイスラム系少数民族ロヒンギャの難民キャンプが整備されたことで縮小したと伝えられている。

人間が生息域に侵入した結果、ゾウは食料を求めて別のエリアに移動することを余儀なくされた。

スイスに本部を置く国際自然保護連合(IUCN)はAFP通信の取材に対し、「今回の救出で今年発生した同種の事故は4回目になった」と述べた。「人間とゾウの対立を減らすためには、ミャンマーとバングラデシュの協力が欠かせません...」

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