◎地元メディアによると、事故の原因はまだ分かっていないが、ケーブルカーは山頂の駅から約300mの地点で故障した可能性があるという。
2021年5月23日/イタリア北部のピエモンテ地域、墜落したストレーザ-モッタローネ線のケーブルカーを調査する消防隊員(AP通信/イタリア消防局/Vigili del Fuoco)

現地メディアによると、イタリア北部ピエモンテ地域で走行中のケーブルカーが地面に墜落し、子供1人を含む少なくとも14人が死亡したという。

事故を起こしたストレーザ-モッタローネ線は、マッジョーレ湖沿岸の町ストレーザからモッタローネ山を結ぶケーブルカーとして長年利用されてきた。

ストレーザのマルセラ・セヴェリーノ市長は5月23日、ケーブルカーは現地時間12時30分頃にクラッシュしたと述べた。「私たちは打ちのめされています。ケーブルカーは約20m落下し、斜面を転がり落ち、樹木に衝突しました...」

地元メディアによると、事故の原因はまだ分かっていないが、ケーブルカーは山頂の駅から約300mの地点で故障した可能性があるという。テレビネットワークRaiNews24の取材に応じたハイカーは、事故が発生する直前に金属がこすれるような音を聞いたと述べた。

現地で救助活動にあたった消防隊の報道官、ウォルター・ミラノ氏はRaiNews24のインタビューの中で、「ケーブルカーは原形をとどめていなかった」と語った。

イスラエルの外務省によると、亡くなった14人のうち5人はイスラエル国民だったという。現地メディアは、「犠牲者のほとんどは墜落現場で死亡が確認され、救助された5歳と9歳の児童はトリノの病院にヘリ輸送されたが、9歳の児童はその後死亡した」と報じた。

5歳の児童はイスラエル国民で、緊急手術を受けたが危険な状態と伝えられている。

事故現場

2021年5月23日/イタリア北部のピエモンテ地域、ストレーザ-モッタローネ線(ロイター通信/イタリア消防局)

現地メディアによると、救助チームは峻険なエリアを進み、つぶれたケーブルカーを発見したという。

ストレーザのセヴェリーノ市長は、犠牲者の遺体は車内と車外に散らばっていたと述べた。

事故が発生する約1時間前にケーブルカーを利用したというジェノヴァ出身のルイザ・テッセリン氏はAFP通信の取材に対し、「ケーブルカーは問題なく運行していた」と述べた。「ケーブルカーは順調に進みました。途中で異音を発したり、ガタつくようなこともありませんでした。ニュースで事故を知りショックを受けています」

イタリアのマリオ・ドラギ首相は23日、墜落事故を「悲劇」と呼び、地方自治体および政府は事故の最新情報を集めていると述べた。「重傷を負った子供と犠牲者、そして、犠牲者の家族に心から哀悼の意を表します」

エンリコ・ジョヴァンニーニ インフラ相は声明で、事件の調査を開始したと発表した。地元メディアによると、ストレーザの検察庁も調査を開始したという。

ストレーザ-モッタローネ線は1970年に運用を開始し、麓のストレーザから標高1,491mのモッタローネ山を約20分で結ぶ。地元メディアによると、同線は2014年から2016年の間、改修工事のため閉鎖されていたという。

2021年5月23日/イタリア北部のピエモンテ地域、墜落したストレーザ-モッタローネ線のケーブルカーを調査する消防隊員(AP通信/イタリア消防局/Vigili del Fuoco)
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