◎インドの4月21日~23日の新規症例数は100万件近くに達した。4月23日の症例数は346,786件、死亡者数は過去最高を更新する2,624人。
2021年4月24日/インド、首都ニューデリー、救急車で治療を受けるコロナ患者(ロイター通信)

保健当局のまとめによると、インドのコロナ新陽性者数は3日連続で世界記録を更新し、病院では医療用酸素の不足による重症患者の死亡が相次いでいるという。

インドの4月21日~23日の新規症例数は100万件近くに達した。4月23日の症例数は346,786件、死亡者数は過去最高を更新する2,624人。

<インドの新規陽性者と死亡者>
2月1日:8,635件/94人
2月8日:9,110件/78人
2月15日:9,121件/81人
2月22日:10,584件/78人
3月1日:12,286件/91人
3月8日:15,388件/77人
3月15日:24,492件/131人
3月22日:40,715件/199人
3月29日:56,211件/271人
4月1日:81,466件/469人
4月8日:131,968件/780人
4月15日:217,353件/1,185人
4月18日:273,802件/1,619人
4月20日:295,158件/2,023人
4月21日:314,644件/2,104人
4月22日:332,921件/2,263人
4月23日:346,786件/2,624人

地元メディアによると、首都ニューデリーのジャイプール・ゴールデン病院で医療用酸素が切れ、一晩で重症患者20人が死亡したという。インド軍は、酸素を含む医療物資の輸送を急いでいる。

世界保健機関は4月23日の声明でインドの現状について、「政府は物資を送ると同時に、市民に感染予防対策の徹底を強く強く呼びかけなければならない」と述べた。

インドの新規陽性者数は昨年9月頃からゆっくりと減少し始め、今年2月初めには10,000件を下回り、死亡者も100人以下まで減少した。保健相は3月、「インドのパンデミックはまもなく終息する」と述べた。

しかし、ヒンドゥー教の聖なる祭りクンブメーラやその他の様々なイベントは二重変異種などの新しい変異種を生み出し、症例と死亡者数は3月末頃から恐ろしい勢いで増加し始めた。

ニューデリーの保健当局者は、「医療は限界点を突破した」と警告した。「ニューデリーの集中治療室(ICU)はどこも満室、ベッドも満室、待合室も満室、院内の床も満室、院外の床も満室、救急車も満室、遺体安置所も満室、全て満室です。そして酸素が足りません...」

ニューデリーの医師、スミット・レイ博士は地元メディアの取材に対し、「酸素が圧倒的に不足しています」と訴えた。「病院は酸素の入手に苦労しています。一部の病院は入院患者の家族にガスシリンダーを持参してほしいと呼びかけています。しかし、多くの患者は死の危機に瀕しています」

「人口呼吸器を使用している重症患者は、酸素が切れれば数分以内に死ぬでしょう。政府は医療機関への酸素供給を優先しなければなりません」

酸素不足でコロナ患者20人が死亡したジャイプール・ゴールデン病院の当局者は地元メディアの取材に対し、「政府は23日の17時までに3.6トンの医療用酸素を割り当てると約束したが、届いた酸素はごくわずかだった」と語った。

2021年4月24日/インド、首都ニューデリー、液体酸素を求める市民(AP通信/Ajit Solanki)

ロイター通信によると、ニューデリーのアルビンド・ケジワル首相は23日のテレビ演説で、液体酸素の供給量を増やすよう政府に求めたという。「政府は国内のすべての酸素プラントに、病院に酸素を送るよう命じてください。速やかに対処しなければ手遅れになります」

インドのほとんどの病院は酸素を生成できる独立したプラントを供えておらず、外部から運び込まれる液体酸素に依存している。液体酸素は低温タンカーなどで移送し、ガスシリンダーなどに注入し使用する。しかし、感染急増に伴い、人口の多いニューデリーや経済の中心マハーラーシュトラ州などは深刻な液体酸素不足に直面している。

昨年、インドは世界で最も厳しいロックダウンを行い、工業用酸素の一部を医療用に転用することで、医療体制を何とか維持した。工業用タンクから運び出された液体酸素を積み込んだトレーラーは高速道路を疾走し、人のいない都市部を通過し、混雑する病院に酸素を届けていた。

現在、主要都市の医療関係者はソーシャルメディアで公的機関に支援を求め、政府は電車、飛行機、トレーラーなどで液体酸素を目的地に届けようとしている。

ニューデリーの高等裁判所は21日、「酸素が足りない」という病院関係者の請願に応え、工業用酸素を医療用に転用するよう政府に命じた。

政府によると、医療機関の液体酸素需要は1日あたり約8,800トンまで増加したという。これは通常時のほぼ3倍で、インドの1日あたりの酸素生産量(約8,300トン)を上回っている。

インドの液体酸素生産施設は東部の州に集中しており、ホットスポットになった北部と西部の州から離れている。全インド工業用ガス製造業者協会のサケット・ティク会長はAP通信の取材に対し、「最大の課題は、必要な場所に液体酸素を輸送する方法です」と語った。

2021年4月24日/インド、首都ニューデリー、自家用車の中で酸素吸引を受けるコロナ患者(AP通信/Ajit Solanki)
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