◎イスラエル議会(クネセト)の議員定数は120人。出口調査によると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相のリクード党と連立する党の総議席数は52もしくは53にとどまる可能性が高いという。
報道によると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、3月23日に行われた議会選挙で過半数を獲得できない可能性が極めて高いという。
イスラエル議会(クネセト)の議員定数は120人。出口調査によると、ネタニヤフ首相のリクード党と連立する党の総議席数は52もしくは53にとどまる可能性が高いという。
ネタニヤフ首相の辞任を求めている野党連合は60議席を目指している。
リクード党と連立を組むヤミナ党は7議席を獲得すると予想されているが、党首のナフタリ・ベネット議員は再度連立を組むとは明言していない。
出口調査結果の公表後、ベネット議員は声明で、「ヤミナ党は市民のことだけを考えて行動します」と述べた。「今、ネタニヤフ首相と話しをするつもりはありません。私たちは集計を待ちます」
中央選挙委員会によると、コロナウイルス関連の規則の影響で3月24日中に全ての票を集計することは難しいという。投票率は67.2%だった。
保守的なネタニヤフ首相は23日午後の声明で支持者に感謝の意を伝えた。「皆さんのおかげでリクード党は勝利することができました。ほとんどのイスラエル国民は強力かつ安定した政府を望んでいます」
一方、16から18議席を獲得すると予想されている中道イェシュ・アティッド党のヤイール・ラピッド党首は、「党の素晴らしい成果を誇りに思います」と述べた。「私は他の野党指導者とイスラエルの政治を変化させるための話し合いを始めました。話し合いは今後数日続くでしょう。私たちは健全な政府を樹立するためにできる限りのことをすると誓約します」
今回の選挙はネタニヤフ首相のリーダーシップを評価する国民投票と見なされていた。
ネタニヤフ首相は世界をリードするコロナワクチン接種プログラムの成功と、いくつかのアラブ諸国との関係を正常化したと有権者にアピールしてきた。
しかし、野党は汚職疑惑で裁判にかけられている首相に国の運営を任すべきではないと主張している。なお、ネタニヤフ首相は一連の疑惑を否定している。
この2年間の間に行われた3回の選挙では、ネタニヤフ首相も野党党首も安定した連立政権を形成することはできなかった。
現在の挙国一致内閣はベニー・ガンツ国防相(青と白の党)との権力共有協定で実現したが、昨年12月に崩壊している。
青と白の党は出口調査で7議席獲得すると予想されており、ガンツ国防省は23日の声明で、「イスラエルの変化を求める者たちを団結させるために、できる限りのことをします」と述べた。
地元メディアによると、リクード党の連立交渉は難航すると予想されており、失敗すれば(過去3年で)5回目の選挙もあり得るという。