◎ロウハニ大統領「イスラエルはトランプ政権最後の日に戦争を開始する」
◎イスラエルはモーセン・ファクリザデ氏暗殺についてのコメントを控えている。
2020年12月14日 AP通信/イラン、首都テヘラン、ハッサン・ロウハニ大統領

12月14日、イランのハッサン・ロウハニ大統領は核科学者のモーセン・ファクリザデ氏暗殺にイスラエルが関与していると断言した。

イスラエルはここ10年の間にイランの核科学者を複数暗殺したと疑われている。

ロウハニ大統領は記者会見で、「イスラエルはトランプ政権最後の日に戦争を開始する準備を進めている」と語った。

ハッサン・ロウハニ大統領:
「科学者の暗殺はイランの不安と混乱を扇動するシオニスト政権の犯行だった」

「我々は復讐する。そして、それに対するイスラエルの反撃を許可しない。イランに不安と混乱を与えることは決して許されないだろう」

ファクリザデ氏は核爆弾を製造する秘密プログラム、「プロジェクト・アマド」を率いていたと伝えられており、イスラエルと西側は同氏を核兵器開発に携わる最重要人物と見なしていた。

なお、国際原子力機関(IAEA)は、「構造化プログラム」は2003年に終了したと報告し、アメリカの諜報機関も2007年の報告書でそれに同意している。

ワナ通信社/暗殺されたイランの核科学者モーセン・ファクリザデ氏

イラン革命防衛隊の副司令官、アリ・ファダビ氏はファクリザデ氏の暗殺について、「イスラエルが人工知能を搭載した衛星制御の機関銃を使って殺害した」と発表した。

一方、イスラエルはファクリザデ氏についてのコメントを控えているが、イランが核兵器を開発するという野心を持ち続けていると非難したうえで、「弾道ミサイルプログラムと他の技術の研究が進められている」と指摘した。

ロウハニ大統領は2015年のイラン核合意について、「ドナルド・トランプは2018年に撤退した。新政権で状況が変わると信じている。イランはミサイル計画を破棄しており、この問題について議論することはない」と述べた。

ジョー・バイデン氏はイラン核合意に復帰する可能性があると公言している。

またロウハニ大統領は、2017年に抗議活動を扇動し、先日処刑されたジャーナリストのルーホッラー・ザム氏について、「EUの反応はイランの内政に干渉している」と非難した。

ザム氏は2020年6月30日にテヘランの裁判所で死刑を宣告され、12月12日に絞首刑に処された。

ロウハニ大統領はイランの法律に基づいて独立した裁判所が判決を下したと述べた。

ドイツ外務省は12日の声明で、「イラクで誘拐されたジャーナリストは残酷に処刑された」とザム氏の死刑執行を非難した。

フランス外務省は、「野蛮で容認できない行為。言論の自由に対する暴挙」と非難した。また、国連人権高等弁務官のミシェル・バチェレ氏も非難声明を発表している。

モーセン・ファクリザデ氏について

・イランで最も有名な核科学者。

・エリートイスラム革命防衛隊の上級将校。

・イランの核開発計画において、非常に重要な役割を果たしていると言われてきた。

・2018年にイスラエルが入手した機密文書によると、核兵器の製造プログラムを主導していたという。

・ニューヨーク・タイムズ紙は、マンハッタン計画を指揮したロバート・オッペンハイマー氏とファクリザデ氏を比較している。

・イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はファクリザデ氏について、「その名を覚えておくように」と述べていた。

・1989年に設立された核爆弾を製造する秘密プログラム、「プロジェクト・アマド」を率いていたと言われている。

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