▽同社はニューヨークと南フロリダから首都ポルトープランスへの便を24年11月から4月30日まで運休していた。
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米国の格安航空会社スピリット航空が中米ハイチ便の運休を少なくとも6月11日まで延長する。現地メディアが20日に報じた。
同社はニューヨークと南フロリダから首都ポルトープランスへの便を24年11月から4月30日まで運休していた。
米連邦航空局(FAA)はギャングの暴力が激化していることを理由に、民間および貨物航空会社に対してポルトープランス便の運航を禁じた。
FAAによるポルトープランス便禁止令は3月12日に期限切れとなった。
しかし、米国の航空各社はポルトープランス便の運航を再開していない。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
一連の暴力とギャング間抗争により100万人以上が住居を失い、その多くが避難所に身を寄せている。
ジェットブルーの広報担当は20日、AP通信の取材に対し、ハイチの状況を注視していると述べた。
また広報担当は「少なくとも今後3ヶ月間はポルトープランス便の再開を期待できない」とした。
ポルトープランス空港はギャング間抗争の激化で閉鎖されたままだ。同空港は昨年12月に商業便の運航を再開したが、その後、治安部隊とギャングの戦闘が激化し、閉鎖された。
昨年11月にはスピリット航空の旅客機が着陸直前に地上から銃撃を受け、客室乗務員が軽傷を負う事件が発生。ジェットブルーの便も銃撃を受けている。
ギャングはポルトープランスの主要幹線道路をすべて支配しており、外国人旅行者がポルトープランスを訪れるのは自殺行為である。