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▽同国ではノビサド駅の事故以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。
2025年5月15日/セルビア、北部ノビサド、政府与党に抗議するビラとデモ隊(AP通信)

セルビア北部ノビサドで政府与党に抗議するデモ隊と警察が衝突し、数人が拘束された。現地メディアが16日に報じた。

同国ではノビサド駅の事故以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。

この事故はノビサド駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。

ノビサド駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。

この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。

AP通信によると、15日にノビサド駅の近くで行われたデモに参加した一部の市民と機動隊が衝突。機動隊は唐辛子スプレーと警棒でデモ隊を圧倒し、数人を拘束した。

デモ隊は3カ月前に拘束された6人の人権活動家の釈放も要求していた。

国営メディアは3月、この6人が首都ベオグラードでの集会に先立ち、反国家的な行動を企てたと報じた。6人はその翌日、警察に拘束された。

中部クラリエボでもデモ隊と警察の小競り合いが報告されている。南部ニシュでは週末に親政府集会が予定されており、緊張が高まっている。

ニシュの学生ユニオンはこれに対抗し、17日に反政府集会を行うと発表した。

国営放送や地元のタブロイド紙は学生ユニオンを「過激派」「外国勢力」などと呼び、市民に支持しないよう働きかけてきた。

デモ隊は汚職、怠慢、安全規制の無視が横行した結果、ノビサド駅の改修がおろそかになったと主張し、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に責任を取るよう求めている。

政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、教職員、看護士、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めており、収まるどころか勢いを増しているように見える。

検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。

セルビアはEU加盟を申請しているものの、3年前にウクライナ侵攻が始まった後もロシアとの緊密な関係を維持し、欧州の対ロシア制裁にも参加していない。

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