▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は15日午後の時点で5万3010人、負傷者は11万9919人となっている。
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国連は15日、米国が主導するパレスチナ・ガザ地区での人道支援活動には公平性、中立性、独立性がないとして、参加しないと表明した。
国連のハック(Farhan Haq)副報道官は記者団に対し、「この物資配布計画は公平性、中立性、独立性など、我々の基本原則に合致しておらず、国連はこれに参加しない」と語った。
イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は未曽有の大飢饉が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう呼びかけてきた。
ルビオ(Maro Rubio)米国務長官は15日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相と電話会談を行い、ガザの人道状況が悪化していることに懸念を表明した。
ルビオ氏は訪問先のトルコ・アンタルヤで記者団に対し、「米国はガザの人々が置かれている状況を理解している」と語った。
またルビオ氏は「イスラム組織ハマスに食料が盗まれることなく、民間人に届けるための代替案があれば、話しを聞く用意がある」と述べた。
さらに、「米国はパレスチナ人の苦しみに無関心ではないし、その計画が批判されていることも知っている。もしテロリストに物資を盗まれずに市民に渡す良い案があるのであれば、私たちはそれを受け入れる」と強調した。
一方、ネタニヤフ政権はハマスが人質を全員解放するまで国境封鎖を続けると主張している。
中東歴訪中のトランプ氏は14日、ガザ紛争をできるだけ早く終結させるために努力していると述べていた。
ネタニヤフ政権は先週の閣議でガザ地区での軍事作戦を拡大する計画を承認。計画にはガザの「征服」および住民の強制移住が含まれている。
イスラエルはガザ全土を占領したうえで、市民をガザ南部に強制移住させ、民間警備会社とともに援助物資を配給・管理するとしている。
ネタニヤフ政権はこの計画に先立ち、数万人の予備兵を招集中だ。ネタニヤフ氏はトランプ氏の中東歴訪が終わり次第、この計画を実行に移すと主張している。
トランプ氏は今週、「5月末までにはガザでの物資配給を開始できる」という見方を示していた。
イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は15日午後の時点で5万3010人、負傷者は11万9919人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。