▽メキシコ北部の米国国境地域では世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代を含む複数の麻薬カルテルやギャングが何年も前から血生臭い縄張り争いを繰り広げている。
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米軍がメキシコの麻薬カルテルに対する空中監視を強化し、情報収集を行っている。
米軍北部司令部のギロット(Gregory Guillot)空軍大将はロイター通信の取材に対し、「カルテルの活動にどう対抗するのが最善かを判断するための情報収集を行っている」と語った。
トランプ(Donald Trump)大統領は就任初日に麻薬カルテルを「外国テロ組織」に指定する大統領令に署名。メキシコ、コロンビア、ベネズエラなどの麻薬カルテルが対象となる。
これにより、麻薬カルテルは国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)、イエメンの親イラン武装組織フーシ派などと同じ扱いを受ける可能性が出てきた。
ギロット氏は「人身売買を主導するカルテルに対抗するために、独自の軍事的能力を高めてきた。それは主に情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動を通じて、カルテルに関するより多くの情報を入手し、彼らの行動に対抗する方法を見つけ出すことである」と述べた。
またギロット氏は米国とメキシコ間の海域に空母打撃群は必要かと問われると、「沿岸警備隊と協力し、海上での軍事プレゼンスを大幅に高める必要がある」と答えた。
メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は13日の定例会見で、「政府は米軍がメキシコの領空外から偵察を行っていることを承知しており、特に警戒していないが、状況を注視している」と明らかにした。
またシェインバウム氏は「この種の偵察任務は今回が初めてではなく、米政府に説明を求めるつもりはなく、米国との協調の一環と考えている」と述べた。
メキシコ北部の米国国境地域では世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代を含む複数の麻薬カルテルやギャングが何年も前から血生臭い縄張り争いを繰り広げている。
メキシコ政府は北部国境の町などに数千の兵士を投入し、暴力の沈静化に努めている。知名度の高い幹部の逮捕や大規模な麻薬の押収が続いた結果、暴力は多少沈静化したように見えるが、それでも暴力事件が数えきれないほど報告されており、政府は難しい対応を迫られている。