▽南ア政府は国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の一部として、また南部アフリカ地域部隊としてコンゴに約3000人の兵士を配備している。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/2025年2月1日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ、反政府勢力M23(3月23日運動)の指導者ら(ロイター通信).jpg)
南アフリカ政府が先月、アフリカ中央部・コンゴ民主共和国に追加部隊と軍事支援を送った。現地メディアが10日に報じた。
南ア政府は国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の一部として、また南部アフリカ地域部隊としてコンゴに約3000人の兵士を配備している。
ロイター通信は南ア政府筋の話しとして、「コンゴ軍を支援していた兵士14人が死亡した後、追加部隊と装備品を送ることが決まった」と伝えている。
同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は先月末に東部・北キブ州の州都ゴマを制圧。南キブ州の州都ブカブに進軍中とみられる。
M23は先週、一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いている。
国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。実際の死傷者数はもっと多いという情報もある。
欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。
ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中とみられる。
ルワンダ大統領府は先月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。
現地メディアによると、M23は南キブ州ブカブから数十キロの地点にある町に接近しているという。この町には空港があり、軍が守りを固めていると伝えられている。
南ア軍の輸送機はコンゴ南部のルブンバシに要員と物資を送った。AP通信によると、ルブンバシの空港当局は先週、軍用機が着陸したことを認めたという。
APは南アの連邦議会議員の話しを引用し、「国防省からルブンバシ周辺の兵力を増強しているという報告を受けている。およそ700~800人の兵士がルブンバシに向かったようだ」と伝えている。
ルブンバシはゴマの南方約1500キロに位置し、戦闘の影響は受けていない。現地メディアによると、ゴマの市民が避難してきたという情報もないという。
8カ国からなる東アフリカ共同体(EAC)と16カ国からなる南部アフリカ開発共同体(SADC)の首脳は先週末、この紛争に関する緊急会合を開き、コンゴ政府に対し、5日以内に「即時かつ無条件の停戦」について協議し、結論を出すよう求めた。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
ゴマにはMONUSCOの本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。