◎ルカシェンコ氏は1994年に就任して以来、一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。
ベラルーシの独裁者であるルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領が9日、29人の政治犯を赦免した。
大統領府は釈放した29人の身元を明らかにせず、11人の女性と18人の男性が恩赦を与えられたと声明を出した。
それによると、その半数以上が慢性疾患を抱えているという。
大統領府は「釈放された者は全員、自らの行為を悔い改め、国家元首に赦免を訴えた」と述べた。
ルカシェンコ氏は1994年に就任して以来、一貫して野党、人権団体、独立系メディアを弾圧してきた。
2020年の大統領選では結果に抗議するデモを力でねじ伏せ、3万5000人以上を逮捕、数千人を叩きのめした。
それ以来、多くの野党指導者や活動家が亡命を余儀なくされている。
ルカシェンコ氏による恩赦はこの半年で7回目。ベラルーシの人権団体「ビアスナ人権センター」によると、178人の政治犯が釈放されたという。そのほとんどが2020年の抗議デモ後に投獄された。
ビアスナは9日、今回の恩赦を歓迎しながらも、「当局は来年1月の大統領選を前に新たな弾圧の波を解き放ち、数多くの活動家や一般市民を逮捕している」と非難した。
当局は政治犯に過酷な条件を課し、弁護士や親族との面会を禁じ、医療を奪っている。ビアスナによると、2020年以降、少なくとも7人の政治犯が獄中で死亡したという。
ルカシェンコ氏は来年の大統領選に立候補する予定だ。公正な選挙は期待できず、有力な野党政治家は当然立候補できない。