◎バイデン大統領は8日に国家安全保障チームと協議した後、午後にテレビ演説する予定だ。
トランプ(Donald Trump)次期米大統領は8日、シリアのアサド政権が崩壊したことを「混乱」と呼び、バイデン政権に関与しないよう求めた。
トランプ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「シリアは混乱しているが、我々の友人ではない。これは我々の戦いではない。成り行きに任せればいい。関与するな!」と書いた。
バイデン(Joe Biden)大統領は8日に国家安全保障チームと協議した後、午後にテレビ演説する予定だ。
ホワイトハウスは7日の声明で、「米国はテロ組織に指定されているタハリール・アルシャーム機構(HTS)が主導するこの攻撃とは無関係だ」と強調した。
またホワイトハウスは「米国は同盟国やパートナーと協力して緊張緩和を促し、米軍兵士や軍事拠点を保護する」と述べた。
サリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障担当)は7日の会議で、「反体制派の進撃のスピードと規模はアサドの主要な後ろ盾であるイラン、ロシア、ヒズボラがここ数カ月で弱体化し、気を取られているためだ」と指摘した。
またサリバン氏は「その結果、アサドは丸裸になった」と述べた。
HTSとその同盟組織は先月、アサド政権の支配下にある北部アレッポ県に攻め込み、全土を制圧。正規軍への攻撃を本格化させた。
HTSはその後、中部の要衝ハマに侵攻。第3の都市ホムスもあっさり制圧した。
HTSは7日、首都ダマスカスを制圧し、アサド政権の終焉と「復讐のない新時代」の始まりを宣言した。
HTSの司令部は8日、アサド(Bashar Assad)大統領が国を去ったと発表。「独裁政権から解放された」と宣言した。
ロシア外務省は8日朝、アサド氏が辞任を決断し、平和的に政権を移譲するよう指示して国外に去ったと発表した。アサド氏の所在地は明らかになっていないが、欧米の複数のメディアがロシアの首都モスクワと報じている。
反体制派はアサド政権の同盟国であるロシアとイランが別の戦争に気を取られているスキを突き、50年に渡る独裁体制に終止符を打った。
アサド氏を支援してきたレバノンの過激派ヒズボラもイスラエルとの戦争で弱体化している。