◎バイデン政権は先週、7月末のベネズエラ大統領選について、スペインに亡命したゴンザレス氏が次期大統領である認定した。
米財務省が27日、南米ベネズエラの政府高官ら21人を制裁リストに追加した。
同省は声明で、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に忠誠を誓う21人が7月の大統領選後の弾圧に加担したと非難した。
この中には閣僚、警察庁長官、諜報機関の長官、最高裁長官、検察官などが含まれる。この制裁により、21人は米国への渡航を禁じられた。
バイデン政権は先週、7月末のベネズエラ大統領選について、スペインに亡命したゴンザレス(Edmundo González)氏が次期大統領である認定した。
マドゥロ氏は選挙での勝利を宣言したが、選挙管理委員会は集計データの開示を拒否している。
選管はマドゥロ氏が得票率51%で勝利したと認定した。
しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、ゴンザレス氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。
米国を含む数カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。
しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。
この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。
ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。