◎中道右派のデルガド氏は敗北を認め、オルシ氏に祝意を表した。
南米ウルグアイの大統領選・決選投票の集計がほぼ終了し、中道左派の前カネロネス県知事であるオルシ(Yamandu Orsi、57歳)氏が勝利をした。現地メディアが24日に報じた。
中道右派のデルガド(Alvaro Delgado)氏は敗北を認め、オルシ氏に祝意を表した。
デルガド氏は首都モンテビデオの党本部で支持者に対し、「結果に満足していない人もいるだろうが、我々は負けを認め、勝者を祝福することができる」と語った。
労働者階級の元教師であり、多くの野党から支持を得たオルシ氏は大勢の支持者に出迎えられ、勝利を宣言。全国民に感謝の意を伝えた。ステージでは花火も上がった。
ウルグアイの人口は約340万人。中南米の中で最も安定した民主国家であり、米国、ブラジル、アルゼンチンのような分断に直面せず、10月27日の第1回投票もさわやかな秋晴れの中で行われた。
右派である現職のラカジェポー(Luis Lacalle Pou)大統領の支持率は50%台で推移し、雇用と賃金の上昇を主導しているにもかかわらず、犯罪率の上昇に悩まされてきた。
オルシ氏は「自由、平等、友愛の国が公正な選挙で勝者を決めた」と述べ、与党支持者を含む全国民を一致団結させると誓った。
またオルシ氏は近隣諸国の選挙後の分断を念頭に置き、「与党を支持する人たちが異なる感情を抱いていることを理解し、その人たちの力も借りて、より良い国づくりを進めていく」と述べた。
選挙管理委員会によると、ほぼすべての票が集計され、オルシ氏の得票率は49%強、デルガド氏の46%を上回った。残りは空票を投じたり、棄権したりした。投票率は90%に達した。
米国、アルゼンチン、ブラジル、メキシコの最近の選挙における右派と左派の対立とは異なり、ウルグアイの政治は比較的穏やかで、政権を争う保守とリベラルの政策には重なる部分が多いため、24日の投票も穏やかに進んだ。