◎ボーイング社は先月中旬、今後数カ月以内に総従業員の10%を削減すると明らかにしていた。
米航空大手ボーイングが航空宇宙専門技術者労組(SPEEA)の400人以上の組合員に解雇通知を出した。現地メディアが16日に報じた。
AP通信によると、ボーイング社は先週、解雇通知を送ったという。対象者には来年1月中旬まで給与が支払われる予定だ。
ボーイング社は先月中旬、今後数カ月以内に総従業員の10%を削減すると明らかにしていた。同社の従業員数は23年12月時点で17万人。約1万7000人が解雇されることになる。
オルトバーグ(Kelly Ortberg)CEOは従業員に宛てたメッセージの中で、経営状況が厳しく、人員削減は避けられないと述べていた。
SPEEAによると、今回の人員削減で438人の組合員が解雇通知を受け取ったという。
同労組の組合員数は約1万7000人。北西部のワシントン州に拠点を置き、オレゴン、カリフォルニア、ユタ州に事務所がある。
この438人のうち、218人が専門職ユニット(科学者など)の従業員。残りはアナリスト、プランナー、技術者、熟練工を含む技術部門とのこと。
対象となる組合員はキャリア移行サービスと最長3カ月間の医療費補助を受ける。退職金は勤続年数に基づいて算出される。
ボーイング社の国際機械工労働組合(IAM)は今月初めに会社の提案を受け入れ、7週間にわたるストライキに終止符を打った。会社は4年間で38%の賃上げと、職員1人当たり1万2000ドルの一時金(1回限り)を支給する予定だ。
このストライキはボーイング社の財政を圧迫した。オルトバーグ氏は10月の会見で今回の人員削減について、「人員過剰によるものではない」と説明していた。
ボーイング社は今年1月にアラスカ航空が運航する737MAXのドアが高度1万5000フィート付近で吹き飛んで以来、連邦当局による調査を受けており、財務上および規制上で問題を抱えてきた。
同社の宇宙船「スターライナー」も今年6月に国際宇宙ステーション(ISS)への初の有人打ち上げを行うまでの間、数回の遅延とコスト増に見舞われた。
連邦航空局(FAA)は737MAXの月間生産数に上限(38機)を設けている。