◎コスタリカは活発なエコツーリズム産業、環境保護、そして比較的平和な国として長い間称賛されてきたが、近年、犯罪が急増している。
2024年11月11日/コスタリカ、首都サン・ホセ、チャベス大統領(右)とエルサルバドルのブケレ大統領(AP通信)

中米コスタリカのチャベス(Rodrigo Chaves)大統領が11日、エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領に同国の最高栄誉である国家勲章を授与した。

チャベス氏はブケレ氏が2年以上に渡るギャング撲滅キャンペーンを推進し、エルサルバドルの治安を劇的に改善させたと称賛。「その効果はエルサルバドルだけでなく、周辺国にも波及している」と述べた。

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万人を超え、うち7000~8000人は証拠不十分で釈放されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ政権の掃討作戦により、国内のギャングはほぼ壊滅し、エルサルバドルは世界で最も危険な国から、中米で最も安全な国に豹変。昨年報告された殺人事件は214件で、2015年に記録した6600件の30分の1に激減した。

エルサルバドルのメディアによると、ブケレ氏と与党・新思想党(NI)の支持率は90%前後で推移している。

コスタリカは活発なエコツーリズム産業、環境保護、そして比較的平和な国として長い間称賛されてきたが、近年、犯罪が急増している。

専門家によると、コスタリカは欧州や米国にコカインを輸出する南米の麻薬カルテルの中継地となっている。

コスタリカの人口は約520万人。昨年の殺人件数は906件で、22年の654件を大幅に上回り、過去最高を更新した。

政府の統計によると、今年の件数は昨年と同水準かわずかに下回る程度。ブケレ氏は12日にコスタリカ最大の刑務所を視察する予定である。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク