◎トレド被告は2001~2006年まで大統領を務め、米当局の身柄引き渡し請求を含む複数の法廷闘争に直面している。
2024年10月21日/ペルー、首都リマの裁判所、トレド元大統領(ロイター通信)

ペルー・リマの裁判所は21日、収賄罪やマネーロンダリング(資金洗浄)の罪でアレハンドロ・トレド(Alejandro Toledo、78歳)元大統領に禁固20年6カ月の実刑判決を言い渡した。

トレド被告は在任中、高速道路の建設工事でブラジルの建設大手オデブレヒトに便宜を図り、その見返りとして3500万ドル(約52億円)を受け取り、不動産などを取得した。

ロハス(Inés Rojas)判事は判決の中で、「この事件の被害者はトレド被告を信頼したペルー国民である」と強調。「被告は国家財政の管理者であるにもかかわらず、その保護を怠り、私腹を肥やした」と批判した。

トレド被告は2001~2006年まで大統領を務め、米当局の身柄引き渡し請求を含む複数の法廷闘争に直面している。

ロハス判事は「被告は国民を裏切り、国家を欺いた」と述べ、刑務所で罪を償うよう促した。

さらに、「被告は絶対的な中立性をもって行動し、国家の資産を保護・保全し、その乱用や搾取を避ける義務を負っていたにもかかわらず、建設会社と結託して悪事を働いた」と述べた。

オデブレヒト社は2016年、米司法省に対し、多額の賄賂を贈ってペルーの主要インフラ工事を受注したと認めた。

この捜査はメキシコ、グアテマラ、エクアドルなど、他の中南米数カ国に飛び火した。

ペルー当局はトレド被告と他の3人の元大統領がオデブレヒトから賄賂を受け取っていたと告発。トレド被告はブラジルとペルー南部を結ぶ650キロの高速道路建設の契約と引き換えに、3500万ドルを受け取ったとされる。

この工事費用は発注当初5億700万ドル(約764億円)と見積もられていたが、設計変更が重なり、最終的に12億5000万ドル(約1885億円)まで膨らんだ。

地元メディアによると、トレド被告の弁護士は控訴する意向を示したという。

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