◎ボートは20日午後に救難信号を出し、沿岸警備隊が巡視艇を派遣。22人を救助し、海に転落した2人を捜索した。
地中海、西欧を目指す移民(Getty Images)

ギリシャ東部サモス島沖で移民を乗せたボートが荒天によりトラブルに見舞われ、2人が死亡した。当局が21日、明らかにした。

それによると、ボートは20日午後に救難信号を出し、沿岸警備隊が巡視艇を派遣。22人を救助し、海に転落した2人を捜索した。

沿岸警備隊は声明で、「巡視艇は現場で沈没寸前のボートを発見し、22人を救助。生存者の情報に基づき周辺を捜索し、21日早朝に男性と女性の遺体を発見した」と述べた。

ギリシャは豊かな西欧への亡命を求める移民の中継地であり、トルコ西岸とアフリカ北部リビアやチュニジアに拠点を置く人身売買組織が頻繁に利用している。

その多くがトルコ沿岸からギリシャの島々へボートで横断を試みる。しかし、この海域の国境警備は強化されているため、トルコ南部または北アフリカから大型船で直接イタリアに向かう者も少なくない。

ギリシャ当局はレバノンとパレスチナ・ガザ地区の紛争の影響で、地中海を渡ろうとする移民が急増する可能性があると指摘。EU執行部に移民対策を強化するよう求めている。

ギリシャ沿岸警備隊によると、160人以上の移民が20日にトルコから小型ボートに乗ってエーゲ海東部の島々に到着した。

南部コス島沖では先週、トルコ近海から渡ってきた移民船の事故により、子供2人を含む4人が死亡、27人が救助された。

国際移住機関 (IOM)によると、10月中旬までにギリシャに到着した移民は4万4000人超。その大半が海路で到着している。

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