◎陸軍と警察が現場を封鎖し、テロ攻撃とみて捜査している。
パキスタン南部シンド州カラチの空港近くで大きな爆発があり、中国人労働者2人が死亡、少なくとも8人が負傷した。内務省が6日、明らかにした。
それによると、カラチ空港近くの道路で石油を積んだタンカーとみられる大型車が爆発したという。
SNSで共有された動画には爆発に巻き込まれて炎上する乗用車と逃げ惑う人々の姿が映っていた。
陸軍と警察が現場を封鎖し、テロ攻撃とみて捜査している。
地元メディアによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。
在パキスタン・中国大使館によると、電力会社で働く中国人スタッフを乗せた車列が6日の午後11時頃、この爆発に巻き込まれ、中国人2人が死亡、1人が負傷したという。
その他、少なくとも7人が負傷し、病院に搬送された。
パキスタンでは数千人の中国人労働者が働いている。その多くが習近平(Xi Jinping)国家主席が提唱するアジア、欧州、アフリカを結ぶ大経済圏構想「一帯一路」のインフレプロジェクトに携わっている。
パキスタンでは近年、イスラム過激派によるテロ攻撃が相次いでおり、その多くがアフガンと国境を接するバルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州で発生している。
バルチスタン州の反乱軍は隣のシンド州でもテロ攻撃を繰り返している。
バルチスタン州では8月末、反政府勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が3地域にテロ攻撃を仕掛け、50人以上を殺害。シャリフ(Shehbaz Sharif)首相はBLAが中国によるインフラ事業を妨害しようとしていると非難していた。
バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
BLAは同州で最も組織化された反乱軍のひとつであり、迫撃砲、ロケットランチャー、地雷、IED(即席爆発装置)などによる待ち伏せ攻撃を多用している。
内務省の報道官によると、カラチの爆発は空港の建物を揺るがすほど大きかったという。空港設備に被害はなかったと伝えられている。