◎ズラビシュヴィリ大統領はLGBTQ+(政敵少数者)の権利を著しく制限するとして、同法案への署名を拒否。議会に差し戻していた。
ジョージア議会(一院制、定数150)議長が3日、与党・ジョージアの夢が起草した「反LGBTQ法案」に署名、成立させた。
議長はSNSに声明を投稿。「この法律は一時的に変化する思想やイデオロギーを反映したものではなく、常識、歴史的な経験、何世紀にもわたるキリスト教、ジョージア国、ヨーロッパの価値観に基づいている」と書き込んだ。
ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は前日、LGBTQ+(政敵少数者)の権利を著しく制限するとして、同法案への署名を拒否。議会に差し戻していた。
議会は大統領が法案に署名しなかった場合、議長の署名でこれを成立させることができる。
法案は▽公文書における性別表示の変更▽同性カップルによる養子縁組▽集会や教育機関における同性関係の公的承認▽メディアにおける同性関係の描写を禁じるとしている。
ジョージアは正教会が大きな影響力を持つ保守的な国であり、LGBTQ+に否定的な考えを持つ人が多い。
この法案はロシアの「伝統的な家族の価値観を守る」法律とよく似ている。
議長は声明の中で、「この法律は表現の自由を含むすべての市民の権利を保護し、他者の権利が侵害されないようにするものであり、真の民主主義の本質であり理念である」と主張した。
ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアが物議を醸す通称「ロシア法」を法制化したことに対応し、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。
米政府はこの法律を受け、ジョージア政府高官数十人を制裁リストに追加した。
これは外国から資金の20%以上を得ているメディアやNGOを「影響力のある団体・組織」に指定し、必要書類の提出を求めるものである。