◎オックスフォード・エコノミクスはこの対立が米国の経済に与える毎週の損失額を45億ドルから最大75億ドル(約1兆1000億円)と予測している。
米国の港湾労働者による大規模ストライキが2日目に突入、東部の主要港が出荷を停止する事態となっている。現地メディアが2日に報じた。
それによると、約4万5000人の労働者を代表する国際港湾労働者協会(ILA)と使用者である米国海事同盟(USMX)の主張には大きな隔たりがあるという。
ヒューストン、マイアミ、ニューヨーク、ニュージャージーなど、米国東部とメキシコ湾に面するすべての主要コンテナ港が閉鎖されたのは1977年以来初めて。
アナリストはこのストが痛烈な経済損失をもたらし、インフレに拍車をかけ、来月の大統領選に影響を与える可能性もあると指摘している。
オックスフォード・エコノミクスはこの対立が米国の経済に与える毎週の損失額を45億ドルから最大75億ドル(約1兆1000億円)と予測している。
ホワイトハウスは経済の落ち込みを恐れ、USMXに対し、6年間で77%の賃上げとオートメーション化の禁止を含むILAの要求をもっと真摯に検討するよう促した。
バイデン(Joe Biden)大統領は2日、記者団に対し、「当事者は今こそテーブルに着き、このストを終わらせるべきだ」と語った。
またバイデン氏は「貿易会社はコロナ禍でも莫大な利益を上げていた」と強調。利益を労働者に還元すべきだと訴えた。
運輸省もILAに譲歩を求めている。「使用者は今こそ、労組がテーブルに着ける提案を提示すべきです...」
現地メディアによると、スト中の港湾の処理能力を合計すると、最大で米国の貿易量の半分に相当するという。
オックスフォード・エコノミクスはこれらの港が1週間閉鎖された場合、混乱の収拾には約1カ月かかると見込んでいる。